ぱにっく56!レベルアップ試験開始!
レベルアップ試験は読んで字の如く試験である。各自、選択した試験会場に直接足を運ぶことになっている。
故に、今回の試験は戦闘系の内容がほとんどであるため、校舎内への立ち入りは禁止されている。
筆記試験は教室以外の場所で行われることになる。
魔法を使った特殊な空間内で試験は行われる。空間が在する場所は校舎前通りだ。
校舎前通りは両端に様々な店が縦列している。試験中は店の利用が禁じられているため、その使わない店を空間に置き換えて、試験会場に変えている。
元々の大きさと合わない場合は、自在に空間を広げることが可能だ。
大河と神戸は、巨大なサイコロの空間内にいた。
一度、別の会場に集まり、そこから転送されたのだ。
六面のサイコロで、十五メートル四方の板が六枚張り付いている形だ。
白と黒の模様が一面に均等に並んでおり、各面ごとに赤い点が付いている。点の数に被りはない。
大河と神戸は事態を呑み込めていない様子だ。
そんな様子の二人に、アナウンスが入る。
「これは、あくまで技能を見定めることを目的としたものであり、勝敗で合否が決まることはありません」
無機質な声、メイドだ。
大河と神戸はスピーカーでも探しているのか、天井のあちこちを眺めている。
「自分の所持する魔法を如何に効率よく使用できるか、がポイントです。単調な使用ばかりだと減点されますのでご注意を」
更に――、とメイド。
「現時点で自分が踏んでいる面の目の数×αが魔法に加算されます。相手に直接的な危害を与えた時点で失格となりますので、操作性が必要とされるでしょう」
大河と神戸が踏んでいる場所の目は、一だ。
間隔的にこの目の数が変わる仕組みのようだ。その目の数が倍となって効力に加算されるのだ。
直接的な危害。死に至らしめるような攻撃は勿論のこと、少しでも血を流すような攻撃が行われた場合、その者は即失格となる。
切り傷も対象とされるのだが、これは判定が難しいようだ。
直接、場にいるわけではないので、映像越しからの監視となる。
映像では、さすがに切り傷までは確認できない。
そのため、血が流れた時点で失格とされるのだ。
「時間は今から四時間。午後○時の昼食時まで行ってもらいます」
四時間か……、神戸は小声で呟く。
「(八個の魔法で、そこまで持たせることができるのか……?)」
四時間か……、大河は小声で呟く。
「(四時間も貧乳を眺めていなきゃならんのか……目に毒だよ)」
お互い、無言のままだ。策を練っているのだろう。
大河なんて、悩ましげに頭を手で支えているではないか。確かに一個しか魔法がないので、策に悩むのも無理はない。
「――それでは、今から一分後の午前八時に試験を開始します。準備に入ってください」
無言の一分間が流れる。
午前八時、レベルアップ試験が始まった。
|