桃缶ぱにっく!ブレイク・オブ・クロニクル!(56/168)PDFで表示縦書き表示RDF


 魔宵の森編までのあらすじ!
 インテグラの襲来により、一時はどうなるかと思った大河とキャッツの二人だが、恥夜の出現により、何とかその場を乗り切れた。
 大河はキャッツに性別を知られてしまったが、インテグラとの一戦での果敢な姿に情が移り、とりあえず黙っていてくれたようだ。
桃缶ぱにっく!ブレイク・オブ・クロニクル!
作:俺とキルマシーン



ぱにっく56!レベルアップ試験開始!


 レベルアップ試験は読んで字の如く試験である。各自、選択した試験会場に直接足を運ぶことになっている。
 故に、今回の試験は戦闘系の内容がほとんどであるため、校舎内への立ち入りは禁止されている。
 筆記試験は教室以外の場所で行われることになる。
 魔法を使った特殊な空間内で試験は行われる。空間が在する場所は校舎前通りだ。
 校舎前通りは両端に様々な店が縦列している。試験中は店の利用が禁じられているため、その使わない店を空間に置き換えて、試験会場に変えている。
 元々の大きさと合わない場合は、自在に空間を広げることが可能だ。
 大河と神戸は、巨大なサイコロの空間内にいた。
 一度、別の会場に集まり、そこから転送されたのだ。
 六面のサイコロで、十五メートル四方の板が六枚張り付いている形だ。
 白と黒の模様が一面に均等に並んでおり、各面ごとに赤い点が付いている。点の数に被りはない。
 大河と神戸は事態を呑み込めていない様子だ。
 そんな様子の二人に、アナウンスが入る。

「これは、あくまで技能を見定めることを目的としたものであり、勝敗で合否が決まることはありません」

 無機質な声、メイドだ。
 大河と神戸はスピーカーでも探しているのか、天井のあちこちを眺めている。

「自分の所持する魔法を如何に効率よく使用できるか、がポイントです。単調な使用ばかりだと減点されますのでご注意を」

 更に――、とメイド。

「現時点で自分が踏んでいる面の目の数×αが魔法に加算されます。相手に直接的な危害を与えた時点で失格となりますので、操作性が必要とされるでしょう」

 大河と神戸が踏んでいる場所の目は、一だ。
 間隔的にこの目の数が変わる仕組みのようだ。その目の数が倍となって効力に加算されるのだ。
 直接的な危害。死に至らしめるような攻撃は勿論のこと、少しでも血を流すような攻撃が行われた場合、その者は即失格となる。
 切り傷も対象とされるのだが、これは判定が難しいようだ。
 直接、場にいるわけではないので、映像越しからの監視となる。
 映像では、さすがに切り傷までは確認できない。
 そのため、血が流れた時点で失格とされるのだ。

「時間は今から四時間。午後○時の昼食時まで行ってもらいます」

 四時間か……、神戸は小声で呟く。

「(八個の魔法で、そこまで持たせることができるのか……?)」

 四時間か……、大河は小声で呟く。

「(四時間も貧乳を眺めていなきゃならんのか……目に毒だよ)」
 お互い、無言のままだ。策を練っているのだろう。
 大河なんて、悩ましげに頭を手で支えているではないか。確かに一個しか魔法がないので、策に悩むのも無理はない。

「――それでは、今から一分後の午前八時に試験を開始します。準備に入ってください」

 無言の一分間が流れる。
 午前八時、レベルアップ試験が始まった。












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