ぱにっく14!バカでエロスな秘策?
「ひぃぃぃ!」
大河はただひたすらに全力疾走していた。
それを後ろから追うのがキャッツ、走りながらペイント弾を発砲する。
発砲された弾丸の色は、赤。
ホップアップの軌道を無視し、半周する軌道を描く。まるでブーメランのようだ。
大河は背後を振り向いた。ペイント弾と目が合った直後、再び前を向いた。
しかし、ペイント弾は大河を脇の下から眺めていた。
そのまま吸い込まれるようにプレートに向かい直撃した。
だが、加点はされない。
ふっ、キャッツは不敵に自嘲を漏らす。プレートの色を落としていなかったのだ。
今の一発で照準の中心に当たったため、色は落ちたが加点はされない。
大河はギリギリで命拾いした。足を進めていた甲斐あって、気付けば隠れるのに最適な場所、建造物の隙間に潜っていた。
建造物と建造物の間は僅かな隙間しかなく、人一人通るのが精一杯の狭さだ。
移動は困難になるが、その分、的中率が愕然と下がる利点がある。
隙間の入口手前でキャッツは大河の背を見ていた。
「そんなところに入ってどうするおつもりですの?」
「い、一発逆転の作戦を練ってるんだよ!」
その場しのぎの返答をし、大河は自分の胸を見る。
物欲しそうな目でプレートを見つめている。
「……自分のに当てたら点数にならないのかな?」
何を考えているのか大河は銃口をプレートの中心に押し付け、青色のペイント弾を撃った。
青い返り血が大河の顔に泥を塗る。
ブー! プレートから陳腐なブザーが鳴る。
「えっ!? 何が一体!?」
先ほどのメイドの声でこう再生された。
「自殺点五点です。残り三点であなたの敗北となります」
自殺点。
大河は自らの命を縮めるというバカな真似をしてしまったのだ。
運が良いのか悪いのか、照準の中心に直撃したためプレートが白紙に戻る。
残り三点。早い話は白の弾丸以外が当たれば負けである。
「――ご愁傷様♪」
大河はキャッツの声を捉えた。背後ではなく――頭上からだ。
キャッツが八百メートルくらいの高さの建造物に上がっていた。
猫でも上るのは困難であろうその高さを人が上がれるのは異常としか言いようがないだろう。
そう、魔法だ。
大河が自殺行為をしている間にキャッツは妖精の力を使い、建造物の上に上がっていたのだ。
銃口が大河のプレートを鋭く睨む。
大河は瞬時に銃をキャッツに向けた。が、壁が腕を垂直にさせる。
「ズルイぞ! そんなとこに上って!」
刹那、二発の銃声が静寂の戦場に響き渡った。
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