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ぱにっく13!カラフルバスターズ!
「――学園長!」

 物静かな廊下に人が駆ける足音と裏返った声が響いていた。
 螺旋状に渦巻いた階段を上がって行き、西洋学区の学園長室にその者はたどり着く。
 最上階に位置するそこは、入室出来る者も限られてくる。
 学園長室、そこは校舎の形に沿って囲まれた岩壁の一室だった。室内は他校の校長室とは違い、豪勢な装いはされておらず、それどころか何も置かれていないのであまりにも殺風景過ぎる一室である。
 学園長は背を向けて、四角く切り取られた枠から外を眺めていた。
 その目が捉えるものは庭園ではなく、その先の広大な敷地の方、厳密に言えば大河とキャッツの模擬試験会場だ。
 後方から首を突っ込むように下を見下ろした、白衣姿に眼鏡を掛けた医者のような女性が指差しながら言う。

「今! 今、あの新入生が魔法を使ってましたよね!?」

 学園長はまだ年をそんなにとっていないのか、なかなかの長身で優に百八十センチはあるであろう。
 その長身を覆い隠すほどの白銀の長髪が夜風に揺れ、絹糸のように繊細に横靡く。
 月光が白銀の髪に透き通った光を与える。
 優美な雰囲気のあるその女性こそが、私立月陽学園都市の長『×××』である。
 学園にいる全員が名前を教えてもらえず、しょうがないので学園長と呼んでいるのが現状だ。
 広大な敷地を使ってこんな魔法学園を建てたりと、何かと謎の多い学園長である。

「えぇ、そうですね」

 あまりの余裕っぷりに逆に女性の方が『えぇ!?』と声を上げていた。

「数日前に起きたハッキングは、きっと彼女の仕業ですよ!」

 今すぐ取り締まりに――学園長がその女性の手を引き止めた。

「もう少し使わせておきましょう。彼女、かなりの素質がありますよ」

 魔法を見れる者、つまり入学前から魔法の存在を知っていた者は見れるのだ。
 キャッツが発砲したペイント弾の回りに、妖精が回っていた映像を。
 青のペイント弾はダウンの軌道。これは絶対である。
 だが、キャッツは魔法を使い、ペイント弾の軌道を変えた。妖精が軌道を導いたのだ。
 この学園にいる生徒のほとんどがその種明かしに気づくだろう。しかし、大河は魔法の存在は知っていても見ることはできないため、
 プシュー……
 思考回路がパンクし煙が上がる始末だ。
 大河は無防備の状態である。キャッツはつかさず赤のペイント弾を放とうとする。
 既に青が着色されているため、赤を放てば紫に変色する。加点に繋がる。

「……はっ! 巨乳に圧死され……」

 ペチャ、と大河の胸にペイント弾が当たる。
 ぺったんこなその胸に視線を下ろす大河、プレートが紫色に変わっていた。
 開始十分。
 大河〇点‐キャッツ十二点。
 二時間も必要なのだろうか?


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