ぱにっく11!初体験は快感?
遠い暗闇の向こうから滑らかな駆動音が聞こえた。大河は音に反応し後ろを振り向き、キャッツは自信満々な様子で瞳を瞑っている。
やがて、その音の正体が姿を露にする。
白と黒を基調としたメイド服姿の人型ロボットだ。
無愛想な面をしており、感情のない人工的な瞳を瞬きもせずに開けたまんまにしている。
「登録番号の確認を行います。私に生徒手帳を提示してください」
メイドの目から蛍光色の光線が出る。ここに提示してくださいと言っているのだろう。しかし、大河はそれに気付かずに、いや、気付いているにも関わらずに、
「な、なんてハイクオリティな胸なんだ……」
メイドの双方の乳房をエプロン越しから鷲掴みしていた。
適度に指先に力を加えながら膨らみを揉む。
「私達の乳房の大きさは全国平均を基準に作られております。質感は開発に携わった女性のものから再現しています」
大河は先端に指先を当てる。やはりメイドは無反応だった。
「私達には性感帯がなく、生殖機能などは形のみで再現されています。以上の理由から私達は性交に対応できません。性交を求む場合は本社製品を貸出しておりますが、まずは年齢認証をさせていただきます」
大河は胸から手を放し、
「い、いや……そこまで求めてないから」
一歩後退する。
「そうですか。では、引き続き登録番号の確認をさせていただきます。あなた様の生徒手帳を提示してください」
と、後ろから来たキャッツが大河を傲慢な態度で突き飛ばした。
わっ、と地面に手を着く大河。
「邪魔ですわ」
キャッツはそう言いながら、自分の生徒手帳をメイドに提示した。
大河は獲物を狙う狼のような目つきでキャッツを睨み殺している。
その目が捉えるもの、それはキャッツの平らな胸板だ。
「登録番号の確認を終えました」
「ほら、あなたも早くして――――」
キャッツの背後から大河の腕が伸びる。その先に触れるものは平らな胸板だ。
ブラウス越しから胸板に触れ、慣れた手付きで揉む。
「あ……っ」
キャッツが瑞ぎ声を発する。胸板に触れていた大河は既に気づいていた。
キャッツがノーブラであることに。
ブラジャーを着けていないため、大河はキャッツの胸の突起物をこねくり回していた。
キャッツはその場にしゃがみ、大河の魔の手から逃れる。
ハァハァ、と皺の寄ったブラウスを押さえながら叫ぶ。
「わ、私! そういう趣味はありませんからっ!」
「そのわりには変な声出してたよね」
ブンッ、とキャッツのグーの手が大河を襲う。が、大河は華麗にそれを避ける。
そして、そのままメイドの方に向かい生徒手帳を提示する。
「登録番号の確認を終えました。これより模擬試験の内容を説明致します」
そう言いながら、メイドはどこに隠していたのか二丁拳銃を取り出し、二人に一丁ずつ渡した。
外見に変わった部分はない。
「その銃の中にはペイント弾が装填されております。 色は赤と青と白の三色で一色につき二発装填されています。一回つき撃てる弾数は一発で六発撃ったら弾切れとなります」
メイドは西洋学区の敷地全体を回りながら指差す。
「弾切れの場合は無作為に配置された弾倉を装填してもらいます。ペイント弾はそれぞれ軌道が異なり、赤はホップアップ、青はダウン、白はストレートとなります」
照準の付いたプレートを二人の左胸に張り付ける。
「ペイント弾にはそれぞれ点数があり、赤は三点、青は五点、白は一点となっており、二時間以内に合計二十点を取れば合格となります」
なんだ簡単じゃん。大河が喜んでいるのも束の間。
「ただ、ペイント弾が当たったかどうかの判定は、そのプレートが八割以上着色されない限りは無効となり、点数も加算されません」
「げっ、結構厳しいじゃんそれ……」
「しかし、四割以上の着色が二つ重なり、新たな色を作れば特別ボーナスが加点されます」
ふーん、とキャッツは頷く。
「赤と青で紫、青と白で水色、白と赤でピンク、この三色が加点の対象となります」
プレートを洗い流す際は照準の真ん中を押してください。メイドがそう言うと、大河はまだ着色もされていないプレートの照準の真ん中を押した。
するとプレートの上から下に向けて白い膜のような物が下ろされた。
「大河様のプレートは無着色状態だったので変わりませんでしたが、着色状態であると上乗せされ一新されます」
バッ! と、メイドは勢いよく腕を挙げて五本の指を開く。
「それでは、これよりカウント5を取らせてもらいます」
直接的な一本道に並ぶ形態様々な建造物。暗闇に包まれたそこが戦場と化す。
「5、4、3、2、1――――」
――試験を開始してください。
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