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無能転生でもいいじゃない!~オレだってゼッテェ成り上がってやる~ 作者:30枚の銀貨
5/9

5:強くなりたい






 現代知識を活かして畑を作り始めたのが10歳の時。
 その成果が現れだしたのが11歳の時。
 称号[農耕の革命児]と適性[農耕技術]を授かったのは、手応えを実感するより前の、畑を作りだして半年が経つ頃。

 その頃にはスローライフと達観し、この異世界での成り上がりなど、とうに諦めていたので気付かなかった。

 [イマジネーションの世界]

 もしかしたら、しっかりとしたイメージを持って、それに沿った成果につながれば、形として形成されるのかもしれない。

 村を出て6時間ほど経過していた。
 辺りは見渡す限りの草原で、こんな田舎に他の旅人がいるはずもない。
 ちょうど良い岩に腰掛けながら、道中むしり取った果実を昼食代わりにかぶりつく。

 いまオレの頭にあるのは、生前アホみたいにやり込んだアクションRPG。

 通常攻撃の他に、スタミナやMPを消費しての[アーツ]が存在する。
 [アーツ]の殆どが連続攻撃となっており、タイミング良く繋げることでヒット回数が増加したりする。

 「あれも一つの型なんじゃないかな・・・・・よしっ!」

 剣を片手に立ち上がり、ゲームのキャラが行う通常攻撃を真似てみる。

 袈裟斬り
 斬り上げ
 横回転からの振り払い
 腰を落としての突き。

 少し可笑しかった。
 こんなゲームの動きを真似て強くなろうとしている自分が少し恥ずかしかった。
 けど、基礎も無く、知識も無く、師事の当ても無いのであれば、どんなモノにでもすがって少しでも戦う力を手に入れなければならなかった。

 繰り返し、その動きを練習する。
 生前のクソみたいな体に比べ、[イコマ]の体は若く培った体力に溢れているので、それなりに動けることが楽しかった。

 「リフレクト・ストライクっ!」
 素早いサイドステップからの跳び蹴り。

 「狼牙斬っ!」
 斬り上げと同時に跳躍し、たたき落とすように斬り下ろす連続技。

 「時雨沙雨っ!」
 素早い連続突きからの強力な斬り上げ攻撃。

 小学生が校庭で無邪気にハシャぐ気持ちがよく分かる。
 端から見れば、大した動きでは無いはずなのに、そこそこ動く体に自分が強くなったような感覚になる。
 昔のカンフー映画のように、一人草原で時間も忘れてひたすらに剣を振り回す。

 日も傾きだした頃、ちょうどお目当ての相手の姿を発見する。

 ビッグフロッグ
 1mほどありそうな巨大なカエルだ。

 この付近には凶暴な魔物はほぼ存在しない。
 14歳のオレがレベル6というのは、年齢の割には結構高い方なのだ。
 それは畑に現れる獣を今まで撃退してきた成果といえる。
 ちなみに駆け出し冒険者などのレベル平均は8~10くらい。

 ではなぜ、適性の無いオレが子供ながらに、弱小獣といえども撃退する事が出来たのかというと、クルフェである。

 初めて戦闘を行ったのが11歳の時。
 自分の畑を荒らす、野犬と戦った。
 腕と足を噛まれ、裂傷し、かなり傷だらけになったが、最後は喉元にナイフを突き刺し絶命させた。
 それはクルフェが回復魔法で完璧に治癒してくれる確証があるからこそ、出来ることだった。
 そんな戦闘を繰り返すうちに段々と慣れ始めて、今では回復の必要も無くこの程度の魔物なら狩ることが出来る。

 このビッグフロッグは魔物というだけあって、カエルのくせに結構攻撃的だ。
 自ら近付いてきては、2~3mほどの舌を鞭のようにオレへと叩きつける。

 オレはいま、無性に戦いたかった。
 剣術?のまねごとは、やはり格下の相手に対して行いたいものだ。

 ストレート
 振り払い

 カエルの舌がオレを襲う。
 しかしカエルの場合、顔の動きが大きいので攻撃の軌道が読みやすく、フェイントの可能性もほぼ皆無なので、落ち着いて攻撃をかわす。

 そろそろ動きにも慣れてきたのでタイミングを計る。

 「よしっ」

 ストレートに飛んでくる舌に向かって、こちらから踏み込む。
 繰り返し練習した通常攻撃のコンボで、飛んでくる舌を袈裟斬りで叩き落とす。
 そのまま間合いへと入り、斬り上げでアッパーカットのようにカエルのアゴを打ち抜く。
 決して素早くはないが、その勢いのまま回転し、横なぎにカエルの体を一閃する。
 そして落とした腰のバネを利用して、押し出すようにカエルの腹へと突き出す。

 残念ながら、このボロボロの剣ではカエルの皮膚を破ることは出来ず、鈍器としての効果しかない。
 それでもそれなりにダメージは与えている様子で、体勢を崩すカエル。

 「リフレクトォ・ストライクゥ!!」

 テンションが上がっていた。
 恥ずかしい位に叫び声をあげ、サイドステップからの押し込むような、飛び込み後ろ回し蹴り。

 ドォス、ドォス、ドォス

 (きた!コレッ!!)

 ただの跳び蹴りを相手に押し込んでいるだけなのに、攻撃判定が3回。
 ゲームのように感覚として伝わってくる。

 1mもあるカエルが、普通では考えられないほどに吹き飛び、そして絶命する。

 「はぁ、はぁ、はぁ・・・」

 不思議な感覚だった。
 プレイ中に突然、キャラクターが光り出し[アーツ]を習得すかのように、確実に[リフレクト・ストライク]を習得したという手応えがあった。

 事実、ただの蹴りに攻撃判定が3回おこなわれ、あそこまで吹き飛び、いくらダメージを受けていたとしても、巨大なカエルが蹴りで絶命するとは到底思えない。

 「はぁ、はぁ・・・リフレクト・ストライクッ」

 もう一度、アーツを放ってみる。

 「っ!!!」

 今度の動きは先ほどとは比べ物にならないくらい、俊敏で洗練されており、まさにゲームでキャラクターが行っていた技そのものの動きだった。

 「これは・・・」

 アクトアシスト
 ゲーム中、技の発動が開始されると、基本その行動は止めることが出来ない。
 しかし逆にいうと、発動さえしてしまえば、見えない力でアーツはしっかりと完遂する。

 「これは、つまり・・・」

 ゲームでキャラクターが行っていた技のイメージが、この世界で再現として適用されたことを意味するのだ。

 「これは、つまり・・・オレも、チートになれるっ!!」





スミマセン。
元ネタのニオイをワザと残しました。
私があの作品を好きであるが故なので、
ご了承いただけると有難いです。
だって、使ってみたいやん!(笑
もし問題がありそうなら手直しします。
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