隠される
宗太君がひとりでテレビを見ていると、たたたっと後ろを走る音がしました。
振り返ると、見知らぬ子が押入れに入っていくところでした。
子供は宗太君が気がついたのを見て手招きしましたが、気味悪く思ったので応じませんでした。
押入れのふすまはそのままぴしゃりと閉まりました。
お母さんが帰ってきたので、その話をしました。
「またそんな事言って」
お母さんは笑いながら押入れを開けて、
「ほらね、誰もいな──」
にゅっと子供の手が出て、お母さんの腕を掴みました。あっという間もなく、お母さんは押入れに引き込まれてしまいます。
そして、ふすまがぴしゃりと閉まりました。
宗太君は慌てて飛びついて中を覗きます。
そこに、さっきの子供はいませんでした。
お母さんも、いませんでした。