二百文字奇談『妻』
作者:閉伊卓司
単身赴任中の僕のアパートへ突然妻がやって来て、部屋へ入るなりいそいそと掃除を始めた。ははあ、さては浮気していないか調べに来たなと、にやにやしながら見ていると、きれいに掃除を済ませ、溜まっていた洗濯物を片付け、一人分の夕食をテーブルに並べてさっさと帰っていった。去りぎわに「じゃあね」と晴れやかな笑顔を見せた。訳が分からずにいると携帯電話が鳴り、妻が交通事故で病院へ運ばれ、たった今死んだと知らされた。
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