私のこの体の中の半分には、誰とも分からぬ真っ赤な血が流れている。
私たちはみな、見知らぬ誰かと誰かが作り上げた創造物だ。
その二人の愛の証だなんて、きれい事を唱える大人もいるけれど、私はこう思う。
愛という名を偽った犠牲物たち。
パパ。
父。
お父さん。
一体どんな顔をしているのでしょうか。
一体どんな優しい声で話すのでしょう。
どんな風に微笑み、
どんな瞬間に怒るのか。
あなたはきっと私がこの世に生を受けたことも、いまこの瞬間をこうして過ごしていることさえも知らずにいるのでしょう。
一方通行の想い。
叶わぬ想い。
果たされぬ夢。
夢にはきっと、二種類の夢がある。
叶う夢と叶わぬ夢。
未来の夢と過去の夢。
未来の夢は変えられても、過去の夢は変えられない。
もちろん私の夢は、後者だ。
平凡でいい。
ありふれたものでいい。
ただ、あなたのいる家庭へ生まれたかった。
あなたの大きな腕の中に包まれたかった。
あなたのとなりで過ごしたかった。
あなたに愛されてみたかった。
逢いたいよ。
「お父さん」
なんてセリフ、私は一生口にすることはないのでしょう。
お父さん。
パパ。
一度でいいからそうあなたを呼んでみたかった。
もしもいま、願いが一つだけ叶うというのなら…
私は迷わずあなたのいる家庭に生まれることを願うだろう。
逢いたいよ。
逢いたい。
パパ。
逢いたいです。 |