第4話 口は災いの元
現在、昼飯時間。
「遅かったね、秀仁君。今日は休むかとおも・・・どうしたの?顔色悪いけど。ご飯食べた?」
「・・・バッチリに決まってんだろ。」
顔色が悪いのは、朝ご飯を食べなかったからでも、体調が悪いからでもない。あまり話したくはないが、
「・・・立ち直ったばっかだからな・・・・」
「立ち直る?何から?」
「・・トラウマ・・・」
「? 朝からトラウマって大変そうだね。」
もし、実際に自分の神・・いや自分の髪に神がのり移ったら、間違いなく大変じゃすまないだろう。ある意味、地獄としかいえない。
『おい、ヒデト。』
「外では話し掛けるな。声が聞こえたらどうするんだよ。」
『問題ない。私の声はお前以外には聞こえない。大声で叫ぼうと、こんな事をしようがな・・・』
ギュウゥゥゥッッ
「ぐあぁーー!頭がーー!」
「ひ、秀仁君!大丈夫!?」
クッ・・・調子に乗りやがって・・この神がぁーーーー!
「・・・あんま調子にのんなよ・・・」
「秀仁君?ボクは別に何も・・・」
『すまんな。私はいたぶるのが趣味なんでね』
「もう我慢ならん!ぶっ殺す!」
「ちょ、ちょっと秀仁君、どうし・・・」
「オラァ、喰らえやぁーー!」
俺は勢いよく髪を掴むと、ありったけの力で髪の毛を抜いた(だいたい10本前後)。
『だから最初に言っただろう。私とお前は繋がっているのだと。今のでも、多少の寿命は減ったぞ。』
生きてるし。しかも、そう言えばそうだった。しかし、それ以上に恐ろしい事態が起こった。
「・・・秀仁君。さっきからどうしたの?誰かと話してる風に見えるけど・・・」
とすると、あれか。俺がさっきからやってたのは、周りからみれば、ただのひとりごとなのか・・・その上、教室中が静まり返り、皆がこっちを見ていた。この状況をどうやって回避しよう・・・
「・・・ほら・・アレだよ・・アレ・・・知ってるだろ?」
こ、言葉が出てこない・・・俺は言い訳に使えるものを探すために、辺りを見渡しながらしゃべった。
「アレって・・何?」
「ほら・・・アレって言ったら・・アレだろ?」
「だから、アレって何?しかもなんでキョロキョロしてるの?」
「いや、だから・・・アレだって・・・・」
俺は、偶然運動場を見た。すると、この状況を逆転する奇跡が訪れた。
「そうだ!果たし状がきたんだよ!」
「はっ?誰から?」
「アレだよ、アレ」
俺は運動場にいるある男を指差して言った。もちろんその男が知り合いだから、尚、事も運びやすいだろう。クラス中が驚いた。
「アレて・・・1コ上の霧沢春一さんだろ?そんな人とケンカする気かよ。」
「ああ。久々にあったと思ったら、決着をつけようぜ、なんて言われたら気合はいるだろ?」
もちろん、ウソだ。後は適当にごまかすか。
「それで?いつ闘るの?」
それは、俺の知らない男の発言だった。俺はこの後、今の会話を作ったのを後悔した。
「・・・聞いてどうするんだよ?」
「観に行くに決まってるだろう。あの人と対等にケンカできる奴って滅多にいないからなさ。皆も観てみたいだろう?」
「「「おおおぉぉーーー!!」」」
「みんなの意見は決まったからな。・・・でいつするの?」
俺はもう後に引けないのが分かった。俺は、脱力して言った。
「・・・明日放課後・・屋上・・」
なんで俺、あんなこと言ったんだろう・・・・・・俺は神のせいだという事にした。 |