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堕落
朝が来て夜になり、夜が明けて朝が来る…それが何度も何度も繰り返していった。
優介の部屋の窓から見える日の出と夜空。
繰り返していく日々の中には私と優介と『エクスタシー』が在った。
あの錠剤を何度口にしただろうか、意識はもうろうとして、食事は一切とらない日々。
自分がわからなくなる
人が怖くなる
肉体が壊れる
幻覚、幻聴に脅える
理性がなくなる
死にたくなる
エクスタシーの効果が失われると、そんな恐怖感に襲われた。
その恐怖から解放されるために、またエクスタシーを求めた。
いつのまにかエクスタシーは生活の一部になっていた。
しかし、エクスタシーは無限にあるはずもない、エクスタシーはそこをつきた。
「ない…ないないないない!ない!!!何でだよ!」
優介はもう気が狂っていた。
部屋の中を探しまわり、棚から何から必死に探す。
部屋は廃墟みたいな有り様になった。
そんな優介をみて怖くなった私は、両手で耳をふさいだ。
優介の悲鳴は力一杯耳をふさいでも聞えた。ふと、夕陽のさしこむ窓に目をやった。
「あぁ…!」
窓ガラスに写る私の姿はひどかった。
ガリガリに痩せこけた肩、頬骨が目立ち、目がグリッと浮き出ている。
窓ガラスに写る自分と見つめあい、私の震えはもうヤバイくらいになっていた。
「私なの?…」
あまりにも醜い自分の姿…これが現実。これがエクスタシー。
カーテンを閉めた。現実から逃げた。
何時間も部屋中荒しまわる優介に目をやった。
私も一緒に部屋を探した。
あるはずもないのに、どこかにあるという『錯覚』…探した探した探した…エクスタシーを…そして朝を迎えた。
私は台所で寝ていた。まだ優介は探していた。
「エク、探さなきゃ」
そう思い起き上がろうとした瞬間…ひどい立ちくらみに襲われ、私は近くにあった食器棚にもたれた、そして食器棚と一緒に倒れた。
「ガシャーン!!!!」
凄い音が部屋に響いた。そして、優介は急いで私のもとへ来た。
「ど、どうした?!大丈夫か?!お、おい!」
優介の声は微かに聞えていた。そしてだんだんと記憶は薄れていった。


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