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失いたくないから
目を覚ましたのは二日後の朝だった。優介は心配そうに私の顔を伺った。
「本当焦ったよ。エクはなくなるしお前は倒れるし。」
優介はそう言うと私をぎゅっと抱き寄せた。
私の胸は苦しくなった。
お互い血色が悪い…エクのせい。
私は怖くなった。
エクがしたくてしたくてたまらない自分に恐怖を抱いた。
エクスタシーは確実に自分の体を壊しているのに、症状は目に見えてるのに、こりず私の脳はエクスタシーを求める。
しかし、まだ私は自分自身を失ってはいなかった。
エクスタシーを求めるために行動しない。
優介は一人、街へ出て行った。
快楽を求めるために…優介の背中には鮮やかな女神の刺青…痩せほそった体にその画はふつりあいだった。
ドアの閉まる音とともに私は正気に戻った。
そして確信した。
優介を愛してる!助けなきゃ…由美はエクスタシーに奪われた…優介まで奪われたくない…もうこれ以上大事な人を失いたくない。
そう決意した。
心の底から決意した。
優介を止めたいのに、追いかけたいのに、立ち上がろうとしても足が弱って無理だった。
泣きじゃくり、ただ優介…優介!と愛する人の名を呼んだ。
ようやく立ち上がれた私はヨロヨロと外へ出た。
優介を無我夢中で探した。
街には人が溢れていた。
空はやがて黒く染まり夜になった。
どこを探してもみあたらなかった。
優介のいつも行っていた場所は全部探した。
あの『墓場』にだって行った…もう私はただひたすら優介を探すだけだった。
夜の街を走った。
愛する人を失いたくないから。
でもいくら探しても優介はいなかった。
それでも諦めず探し続けた。
そんな思いで優介を必死に探している最中だった。
私の下腹部に締め付けられる様な激痛がはしった。
私はあまりの痛さにその場に座りこんだ。
キリキリと歯をくいしばり痛みに耐えた。
激痛は止む事なくさらにましていった。
かすむ視界には眩しい夜空が広がっていた。
優介も同じ景色を見ている。
同じ空の下にいると思ったら優介を必ず探しだせるとそう思えた。
私は痛みを押し殺し、優介をまた探しだした。
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