りんと小吉の物語 一 序章 〜「前田慶次郎異聞」より(9/11)PDFで表示縦書き表示RDF


りんと小吉の物語 一 序章 〜「前田慶次郎異聞」より
作:泊瀬光延



契りの夜 九


 俺は小吉のために『女』になるのだ!

 という感覚が頭を巡りだし、麻の寝間着に飛び出てきた乳首が擦れて肉体の奥底を刺激する。鬼吉に執拗に吸われ、翌朝まで腫れて痛んだことが体の記憶に戻ってきた。

 鼓動が激しくなり、唾が口の中に溢れ、思わず舌で唇を濡らす。小吉は、りんのあまりにも妖艶な仕草と顔に、ふぐりがびくんと引き上がるのを感じた。

 女のような、艶めかしい異性の生きものがその前にいた。

 りんは息を浅く突きながらも、自分の肉体の初めての変化を感じ取り、自分は男でありながらこんなにも対極の性をも所有していたのかと驚いた。
 この男に抱かれたいという欲望が、ごぼごぼという音を立てて湧き上がるようだ!

「小吉!俺を抱け!なんでもしてやる!どんな恥ずかしいことでも!女のように化粧してもいい!」

 だが、小吉はついにりんを抱かなかった。小吉は、こんなにもか弱い小鳥を傷つけることは出来なかったのだ。そして儂はこの小鳥に惚れた。変わるまい。

「りん、・・・誓う。終生お前だけじゃ」

 りんはこれほど火照る肉体を鎮めてくれぬ小吉に腹を立てていた。ならばどこまでもつきまとってやる!

「・・・ほんとだね?・・・目移りしたら・・・殺すよ」
「ああ・・・殺せ」
「ほんとだね・・・」
(そして俺も死ぬ)

 小吉はしばらくすると、横向きにりんを抱いたまま寝息を立て始めた。りんの股の間に脚を入れたまま。りんは意を決して小吉の太い片足に下腹を擦り付け、ゆっくり腰をしゃくりはじめた。りんの目は潤み、無防備に寝ている小吉の顔を見ていた。

(小吉の馬鹿。人の気も知らないで・・・)
 りんの右足は下になっているので大きな動きは出来ないが、両足を締め、小吉の腿に自分のものを押しつける。小吉に抱かれ強く陰部を締め付けられることを考える。
(あ・・・あっ!)

 りんの肉体は硬直し肩の傷が痛んだ。小吉の懐にしがみつく。熱い精がどくどくと脚の締め付けを緩めるたびにほとばしり出た。後ろから責められ小吉の手の中で行く自分。
 最後の放出が終わると浅く息を突いて、心臓の静まりを待った。そしてりんは可愛い舌で小吉の唇を舐めた。小吉はくすぐったいという顔をして上を向いてしまった。鼾を立てている。放心したようにりんはぐったりと小吉の方を向いて横たわっていた。

 りんは自分の下帯の中にそっと手を差し込んで、まだ熱い粘液を掬った。
(俺には要らないものじゃ・・・)
 りんはその指に絡んだ一筋を口に含んだ。

(小吉さん、俺に生涯を誓ってくれたけど、殺してきた人の血で穢れた俺は、歴とした武士のおまいには相応しくない・・・だからせめておまいのもの・・・いつか俺の中に注ぎ込んで貰いたい・・・やがて仲間が掟を抜けた俺を追ってくる・・・こんな俺だから心の契りしか出来ないけど)












ケータイ表示 | 小説情報 | 小説評価/感想 | 縦書き表示 | TXTファイル | トラックバック(0) | 作者紹介ページ


小説の責任/著作権は特に記載のない場合は作者にあります。
作者の許可なく小説を無断転載することは法律で堅く禁じられています。




BACK | TOP | NEXT


小説家になろう