五 死との闘い
・・・どのくらい気を失っていたのだろう。
夢うつつに死んだ人々が去来した。愛した留蔵が笑い、哀しげな顔で去っていく。
留あにい!
行かないで!
俺を一人にしないで!
俺は地獄に堕ちる。でもあにいとなら耐えられる!
・・・地獄はそれも許してくれないのか・・・
目の焦点があうと誰のでもない笑い顔があった。でも懐かしい・・・小吉の笑い顔はとぼけて頼りないような・・・普段おっかない顔をしてるのに・・・留あにいもそんなだった・・・
激痛が戻った。死んでいた方が楽だ!これが小吉の俺への罰か!
「あうっ!」
「動くな!りん!動くと傷が開いて死ぬぞ!」
「・・・小吉さん・・・俺は小吉さんを裏切った・・・殺して下さい・・・こんなお仕置きなんて・・・酷い」
「りん!生きるんじゃ!それが留蔵の望みじゃ・・・」
何を言っているのか?・・・留あにいが俺が生きることを望んだ・・・?
「儂はどうなる!お前のために前田様を裏切って、儂はどうする!儂と暮らしてくれるんじゃなかったのか!」
そうか・・・そう・・・約束だよね。でも小吉さんも慶次に許して貰えるのかい・・・?
「あれは嘘か!」
いいや・・・嘘じゃなかった・・・俺が掟に殺されるまで一緒にいてやろうと思ってたんだ・・・うまく慶次を仕留められれば。りんの目から涙が流れた。
もう全てはご破算だろ・・・
「小吉さん・・・ご免・・・」
りんはまた気を失った。
|