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シマリスのような生活にさようなら

作者:佐藤英次
感想まってまーす。
そこのあなた!
そこのあなたですよ!
あれは、あれは、シマリスのような男だった。、

女々しいというか、小動物系というか、とにかくシマリスのような男だった。

彼の弁当箱の中身がどんぐりだったときにはさすがに驚いたが、もっと驚いたことは私の鼻の穴にどんぐりがつまっていたことだった。

あの男が来てからというもの、私の生活の全てが狂い始めた。
うまくいかなくなったのだ。

何故か無償にどんぐりが食べたくなるし、なんというか冬になると冬眠したくなるし、森を見たら入りたくなるし、住処だって作りたくなる。シマリスを見たなら、友達になれないのかなって思ったりもする。

なんというか、そんなこんなで妻が家を出ていった。娘も私の前から姿を消した。

いつのまにか私の生活の全てがシマリスになっていた。
会社もやめ、どんぐりを食べるようになった。

冬になると冬眠するようにもなった。

シマリスも大量に買って、一緒に遊ぶようになった。

気づいたら、シマリスグッズも買って、尻尾をつけてみたりシマリスミミをカチューシャで作ってつけたりもしていた。
ある日、森でどんぐりを採集しているとあのシマリスのような男に出会った。
会社も部署も同じだったが、不思議なことに会話したことはなかった。

シマリスのような男は私に近づきこういった。

ありがとう。人間っていいね。

さようなら。

私は気がづくと、シマリス気分になっていた自分を恥じた。

帰りに辞める前会社にいた同僚にばったりあった。

「そういやあさあ、シマリスみたいな男ってお前が呼んでたやつ、昨日仕事やめたんだよね。部長がお前を連れ戻してこいっていってさ、どう?明日職場久々に?」

私の生活はもとにもどった。

なにもかもが。

妻も娘も不思議なことに家に戻ってきた。

あの男がいなくなってから、生活はもとにもどった以上にすごかった。

宝くじで3億円は当たる。懸賞でハワイ旅行はあたる。

会社では部長に昇進。などなど。

すごかった。順風満帆だった。

でも、あれ以来二度とあのシマリスのような男に会うことはなかった。

ちょっと悲しいような。

しゃべったことはないのに、不思議なこの感覚。

悲しいのか、この生活がうれしいのか、私にはわからなくなっていた。

シマリスのような生活にさようなら

完結

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