――どうすればいいんだ・・。
――俺は・・・、
――どうすれば・・・!
先の暗い、まさに『一寸先は闇』という言葉がふさわしい、運命の階段で彼は足を止めていた。
この階段に登ろうとした時から「行くな」と言われ続けた。―だが、自分はその声を無視し続けた。
自分はこの階段であっている―。そんな自信があったからだ。
「―――!!」
だが、声は消えるどころか、大きくなっていた。さすがに彼は足を止め、考えた。
――自分は本当にこの階段であっているのだろうか?
――本当にこれでよかったのだろうか?
――もしかしたら、とんでもない過ちを犯してしまったんじゃないだろうか?
声はまだ聞こえていた。何度も何度も、「行くな」と言い続けている。彼はしばらく考え―、一歩階段を登った。途端に声が大きくなった。彼は一瞬だけためらい―、また進み始めた。
運命の階段の先は時々、何もないように見えて怖い。だが、ぼんやりとその先に黒い扉が見えた。
――・・・・・・!
彼は、静かに黒い扉の前に立ち、ドアノブに手をかけた―、その時、突然声が止んだ。
思わず彼が振り向くと、そこに居たのは――彼の親友。親友は悲しげな顔で彼を見上げ、一言だけ言った。
「行くな」
だが、もう後戻りはできなかった。
親友も知っての事だろう。彼は一瞬だけ笑うと手を振り、
扉の奥へと消えた。
親友の目から涙が溢れ、一粒、床に落ちた。
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