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しりとり

作者:癸 那音
「じゃ、今からしりとりで会話」
 ? ヒロがいきなりなにかを言い出すのには慣れてるつもりだったけど、今回のは突然すぎてわけがわからない。
「だーかーらー!!」
 ヒロがじれったそうに言った。そんなになるなら、最初からわかるように言えばいいのに。
「たとえば、おれが『こんにちは』って言うだろ。そしたらかおりは、『わたしはかおりです』みたいに言って、おれは、『すごくいい名前だな』みたいに、おれはかおりの、かおりはおれの最後の文字からつづきを言い始めるんだよ」
 なんか、わかったような、わからないような。
「じゃ、始めるぞ」
 いつもそうだ。勝手に始めるんだ、ヒロは。
「好きな人は誰ですか」
「かずくんです」
 おお。
「鈴木和人の顔?」
 お、お、お……?
「面白いから、かずくんが好きなのー!!」
「おれより?」
「……。り、理解できない、なんでヒロ?」
「論理です」
 は? こいつ、『論理』って意味知ってるの?
「すごく意味がわからない」
「意味はないです」
 あー。
「あーあーあーあーあー!! 面白くない!! もう止める」
「ちょっ!! 最後までやろうぜ」
「すん!!」
「なんだよ、その強制終了は」
「もういいでしょ。オワリ」
 そう言うと、ヒロの顔が崩れていった。
「かおりのバカ!! もう、いいよっ!!」
 そして、私とかずくんを置いて、ひとり帰っていった。
 バカはヒロのほうよ。
「かおり」
 かずくんがいきなり話しかけてきた。
「なに、かずくん?」
「ヒロが言った最後の一文字を繋げてみて」
 それって、私の最初の文字だよね?
「えーっと……」

 『か』、『お』、『り』、『す』…………。

「わからない。なに、かずくん?」
 そうきくと、かずくんも走り出した。
 私を置き去りにして。

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