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乙女ゲームみたい?

ちみっこ悪モフ令嬢はスカートだと転ぶ。

えせおとめげー第二弾です。

相変わらずおとめげーがよくわかってません。

見せつけられたの〜。


私は廊下を疾走したの。

走るのは得意なの〜。

でも……スカートだと……


獣人やエルフや人族が混じって暮らすモリターイェル王国の王宮は最大級の竜人や巨人に合わせて大きいの……けして私がちっちゃいわけじゃないのー。


そのおっきい廊下に敷かれてる豪華なじゅうたんに足を取られて転んだの〜。


痛いの〜。

やっぱりスカートだとだめなの〜。


「ふぇぇぇん、シルフィード王弟殿下〜」

私は共謀相手の王弟殿下を見つけて泣いたの。

「お、おい」

王弟殿下がたじろいだの。


痛くて白い長い耳を伏せたの〜。

赤い目に涙が溜まったのがわかったの。


さっき廊下でエルリック王太子殿下が婚約者のアリーナを抱き上げてき、キスしてたの~。


「ふぇぇぇん、殿下のバカバカバカバカバカ〜」

私は心配そうによってきたシルフィード王弟殿下をポカポカ殴ったの。

「おい、誤解されるだろ! 」

「だってーラブラブだったの〜」

エグエグ泣きながらさらに王弟殿下をポカポカ殴ろうとしたら抱き寄せられて子供みたいに背中をポンポンとなだめられたの。


私は兎族の公爵の娘で王太子殿下の花嫁最有力候補だったのにいつの間に極小のワンコ獣人にとられたの〜。


白兎族で兎耳に白い髪に赤い目のそこそこの容貌の女なんて美少女なアリーナかなわないの知ってるけど……


諦めきれないの〜。


「わぁぁぁぁん、今度こそ転ばしてやる〜」

「落ち着け、お前が転ぶのが目に浮かぶぞ」

「私より1センチもちっちゃいくせに〜」

私は王弟殿下にしがみついて泣きまくったの。


五十歩百歩だよなと王弟殿下が私をヨシヨシしながらつぶやいたの。


ひどいの〜 私の方が頭が良いの〜


シルフィード王弟殿下は先王陛下の隠し子で(認知はされてたらしく重臣のおじいちゃんはしってたの)母上様が結婚されたので王宮にひきとられたの。


豹獣人の母上様が先王陛下の側室にならなかったのは軍人で国境地帯の砦を有するところの女領主だったかららしいんだけど……可愛い年下のお婿様にメロメロで愛してるけど邪魔な息子をあるべきところにすてたらしいの。


でも、息子を害する奴は征伐すると言ってるから愛してるの〜。


いいなぁなの〜。

うちの父上様、いっぱい奥様いるし……

つまり母上様がたくさんいるの。

いじめられないけど……結婚するならせめて奥様三人くらいまでの人がいいの。


「あらあら、可愛いわね」

優しいのにゾクッとする声が聞こえて振り向いたの。

王妃様がうふふっとフリフリの扇で扇ぎながらあるいてきてたの。


「みゅ! 」

「大丈夫だ」

怖くてシルフィード様にしがみついたら背中をなでてくれたの。

「怖くないわよ〜うふふ、兎ちゃんもいいわね〜さすが悪モフ令嬢、破壊力抜群の可愛さね」

「悪モフ令嬢……」

王妃様の言葉にシルフィード様が反応してつぶやいたの。


どっちかというとおマヌケ兎ちゃんだよなとかすかに聞こえたの〜。

兎獣人の耳力なめるななの〜。


「ふぇぇぇん、殿下のバカバカバカ、おマヌケ兎じゃないの〜」

「お、おい落ち着け」

再びポカポカ殿下の背中を殴った。

殿下は慌てて背中をポンポンしたの。


「うふふ、仲良しさんね」

謎めいた笑みを残して王妃様は優雅な動きで廊下を歩いていったの。


「まったく……」

ブツブツ言いながら殿下が私を抱き上げて歩きだしたの。


なんか廊下ですれ違った人に生温かい目で見られたの。


私とシルフィード様はそういう関係じゃないの〜。



シルフィード王弟殿下は実はエルリック王太子殿下の婚約者のアリーナが気になってるの。

でもちょっかいだしていじめたら嫌われたの。

好きな娘いじめたら駄目なの。


シルフィード様がアリーナ捕まえてれば、私がエルリック王太子殿下を落とせたの〜。


だから共謀して二人を引き離すことにしたの。


「まったく、お前は……」

王弟殿下の部屋のソファーで殿下のお膝の上にだかれてポンポンされたら落ち着いてきたの。

「だって〜おマヌケじゃないの〜」

はいはいと言いながら殿下は涙を拭いてくれたの。


シルフィード殿下は王族らしいエルフだけど髪は豹族らしい金髪に金の目の美青年なの。


「ラレル様は相変わらず甘えん坊ですね」

モノクルの豹獣人が入ってきたの。

殿下の側近のポルアスなの。


殿下の幼なじみの嫌味な美青年なの。


「殿下とは仲良しなだけなの」

「……まあ、そうだな」

シルフィード様が苦笑したの。

「ラレル様は……もう少し大人になられたほうがよろしいかと」

ポルアスがため息をついた。


私はもう大人なの〜。

アリーナみたいな合法幼女じゃないの。


「大人として廊下にバナナの皮敷き詰めてアリーナ転がすの」

「おい、ぶつかるぞ」

強い決意の元拳を突き上げた。

「なんでアリーナ嬢を転ばそうとするんでしょうね」

ポルアスがため息をついた。


私だって情報源くらいあるの。

アリーナがよくコケるって聞いたの。

王太子殿下の前で転ばせて殿下に失望させて今度こそ私を見てもらうの。


「……もう、俺はいいんだけどな」

私の背中を撫でながらシルフィード殿下がつぶやいたの。


私は良くな……くないけど、たぶん言えないから頑張るの。



「わぁぁぁぁん、いつでも抱き上げられてるの〜」

バナナの皮をいつしこうと狙ってたらアリーナがいつでも王太子殿下に抱き上げられてるの見ちゃったの。

「いい加減あきらめようぜ」

「ふぇぇぇん、シルフィード殿下〜」

いつもの声を聞いて思いっきりかけたの。

思いっきり転んでバナナの皮振りまいたの〜。

「おい、だいじょ」

ものすごい音がして目の前にシルフィード殿下の顔があったの。


「なんで二人仲良く廊下で転んでるんですか? 」

嫌味男の声が上から聞こえたの。

「いてっバナナの皮って本当に滑るんだな」

「ふぇぇぇん、痛いの〜」

私と殿下は同時に言った。


まったく困った人たちだと言いながらポルアスが手を貸してくれたの。


「あのな、俺は……お前がいればいいんだ」

シルフィード殿下がそう言って私の頭を撫でたの。

「一度決めたことは諦めちゃいけないの」

私は殿下を見上げた。

綺麗な笑顔にドキドキしたの。

「この娘、じつは猪族じゃないですよね?」

嫌味男が呆れた声を出したの。


違うの、兎族なの。


「……俺はお前がいいんだ」

シルフィード殿下がそう言ってほっぺに……き、キスしたの。

「顔が赤いですよ」

「転んだからなの」

私は逃げたの……転んだの。


「まったく」

シルフィード殿下が近づいてきて座ったまま後ずさったの。


「おびえた兎ちゃんにせまる攻略対象……いいわ」

後ろから寒気のする声がして思わず殿下にしがみついたの。

シルフィード殿下が私を抱き上げて後ろをみたの。

振り向くと優しそうな笑みを浮かべて王妃様がいたの。

「このおとめげーのいいところはモフモフルートが可愛すぎて萌マクリのところよね」

うふふっと王妃様が扇の影で笑った。

兎ちゃんは美少年みたいで倒錯的ですし。とつぶやいてるのきこえたの、私、女なの。

「母上……あまり変な発言はおやめください」

王太子殿下がアリーナを抱えて来たの。

「だって悪モフ令嬢ちゃんが可愛く更生してるのですわ、本編だとヒロインちゃんの毛を刈ろうとしたり毒を盛ろうとしたり蛇の穴に閉じ込めようとしたりして結局、本人も追い詰められて自害が破滅ルートで本当はうちの子と共謀なのよね」

うふふと楽しそうに恐ろしい事を王妃様は言ったの。


そんな怖いことしないの。

ヒロインちゃん? 攻略対象? 悪モフ令嬢?


「王妃様、いじめたらいけないのです」

美少女のアリーナが小首をかしげたの。

絵になるの悔しいの〜。

いじめてませんわ、私の趣味なのよと言う王妃様の前に王太子殿下がでた。

「ラレル嬢申し訳ない」

「お気になさらないでくださいの」

エルリック王太子殿下が頭を下げてくださったの。


黒い長い髪を一つにまとめてとっても綺麗なエルフの美少年なの〜。


ドキドキ……しないの?

シルフィード王弟殿下を見上げたの……


どうしよう心臓が踊ったの。


「バナナの皮はきちんと片付けてくださいね」

うふふっと楽しそうに笑って王妃様は王太子殿下とアリーナ……様とさっていったの。


シルフィード様と顔を見合わせて思わずそらしたの。


「そこ、青春してないでバナナの皮片付けて下さい」

嫌味男が箒をもってきたのでおろしてもらって掃除をしたの。


どうしよう、王弟殿下にドキドキしっぱなしなの。

たくさん裏見せてるから積極的に行けないの。


今日はお家に帰るの。


「それで……と仲良くなれそうなのかい? 」

温野菜のクリームソースがけを隣に侍る母上様の一人からあーんされながら父上様が聞いたの。

「……誰となの? 」

一部聞きそこねたの。

「殿下と」

あーんした母上様にあーんしかえしながら父上様が言ったの

「仲良くしてるの」

シルフィード殿下とは。

「そうか……いつ頃結婚するんだ? 」

今度は違う母上様が父上様に人参スープをあーんしたの。

「お姉ちゃま結婚するの?」

「ねぇね、こんする?」

「ねえやん結婚なんてはやすぎやて」

「お姉さんのお部屋が空きますの」

「お姉、がんばれ〜」

父上様がいったとたん母親の違う兄弟たちが騒いだ。


猫獣人ハーフだったり犬獣人ハーフだったりハーフエルフだったり翼人ハーフだったり獅子獣人ハーフだったりする兄弟姉妹たちなの


つまり母上様たちの種族プラスハーフなの。


ちなみに私は生粋かどうかしらないけど、一応兎獣人なの。


兎獣人の母上様は父上様の正妻だけど兎獣人の父上様にとって押し付けられた結婚だったらしいの。


だからこういう場に出てこないの、母上様。

もっと兄弟増えるのかな?


私より身長がもう二十センチたかくて黒い兎耳に茶色目の私そっくりの合法ショタ? が父上様なの。


母上様たちは父上様が大好きでたまにそっくりの私を男装させて愛でようとするの。


断固拒否するの。

でも……ズボンの方が動きやす……断固拒否なの。


仲良くって誰の事……あれ……シルフィード殿下しか浮かばないの。


「王太子殿下とじゃないよ、王弟殿下だよ」

野菜の包み焼きをあーんしてもらいながら父上様が微笑んだの。

「…………仲良くしてるの? 」

私は小首をかしげたの。


きゃー旦那様そっくり〜。

撮影機械はどこじゃ。

やっぱり半ズボンよね。

可愛すぎて鼻血でそうや。

フリフリ? フリフリにする?

とか母上様たちがさわいでるのを父上様が僕にしておきなよとスネたように言ったの。


「ともかく今日も行ってくるの」

私は人参スープを飲み干したの。

うん、動きやすいようにズボンで行くの。


「じゃあ、おめかししないとね」

「フリフリ、フリフリにしちゃう」

「まちや、わらわもついてまいる」


母上様たちがキラキラした目で見て後ずさったの。

父上様が不機嫌そうに君たち僕をほってちっちゃい方に行くんだねとぼやいてるの。


に、逃げるの〜。


「ふぇぇぇん、転んだの〜」

私は食堂の床に転がったの。

せっかくのドレスが台無しなの。

「ねえやん大丈夫なん? 」

「ねぇね、たい?」


兄弟たち、母上たちがあつまってきたの。


「君たちさ……もう、好きにすればいいよ」

ぷいっと父上様が椅子から降りて食堂からでようとして振り返ったの。

「ラレル、無理に落とさないで好きな男と結婚してもいいんだよ」

僕は政略結婚で泣いたからねと言って父上様はヒラヒラ手を振って出ていったの。


父上様が正妻の母上様と別れられないのは婿入りしたからなの。


別に両親は私の事愛してないわけじゃないの。

ただ、二人が意地っ張りなだけなの。


私は家の繁栄ために王太子殿下を……それがいいならシルフィード様でもいいの?


「よく似合ってるわ」

「男の娘みたいねぇ」

私は女の子なの……なんでフリフリのブラウスに半ズボンなの?

「撮影機械じゃ」


母上様たちに着替えさせられたの。



く、悔しいけけど半ズボンだとあるきやすいの。

やっぱり王宮は大っきいの。


シルフィード様はどこにいるの?


綺麗な大きい中庭にシルフィード様の後ろ姿があったの。


「シル……」

声をかけようとしたら庭の向こうからすらりとした綺麗な豹獣人がやってきてシルフィード様に抱きついたの。

「うぇぇぇん、シルフィード様の嘘つき〜」

私は走ったの。

やっぱりへびの穴なんかにライバルを閉じ込められないの。


綺麗な毛並みの豹の獣人だったの。

もう、王宮に来ないの〜。


「ラレル? 」

遠くでシルフィード様の声がしたの。


今日はズボンだから転べないの〜。

向こうからきたポルアスもさけられちゃうの〜。


「大人しく転べばいいじゃないですか」

ポルアスが私の足に足をかけたの。

転んだの〜痛いの。

いじわるなの〜。


「おい、乱暴はやめろ」

「最速の一族のお前が情けないな」

シルフィード様が美人とやってきたの。

逃げるの〜。

「ふぇぇぇん、やっぱりシルフィード王弟殿下が好きなの〜」

「往生際が悪いですよ、ご領主様がお見えになったというのに」

私の鳴き声とポルアスの嫌味な声が重なったの。


ご領主?


「良かったな、愚息、恋が実って」

豹獣人の美人さんがポンと殿下をたたいたの。

愚息……殿下の母上様なの?

「ラレル」

殿下が私を抱き上げたの。

そ、そしてき、キスしたの。

恥ずかしいの〜。


「ラレル、最初はなんて空回りしてるんだと思ったけど、いつの間にか目が離せなくなってた」

「空回り? してないの」

私が小首をかしげると嫌味男がわかってないってため息をついたの。


いつでも一生懸命なの。


「……つまり、空回りするなら俺の目の届く範囲でしてくれ、胃に悪いんだ」

シルフィード様が私の頭をなでたの。

「胃にくるたちだったか……」

「情けないですよ、殿下」

なぜか二人が呆れたように言ったの。


「ほっとけ〜 ともかく俺はラレルの事が好きだ!」

「私も大好きなの〜」

恥も外聞もなく私は殿下に抱きついたの。


「これで安心して辺境にこもれるかな」

殿下の母上様の声がしたの。

「ぜひ殿下の足を引っ張らないようにしていただきたいものです」

ポルアスの声もしたの。


シルフィード王弟殿下の足なんて引っ張らないの。


幸せだからいいの。

もう一度キスしたの。


愛してるって殿下が囁いてくれてまっかになったの。


その後、シルフィード王弟殿下の幼馴染みとかいう豹獣人の男性にお前は殿下にふさわしくない決闘だと言われてかけっこしたり。


なぜか負けたのに気に入られて俺の嫁になれと言われたりしたことは良い思い出なの。


ほかに殿下の恋人という獅子獣人族の女性がきたので一緒に奥様頑張りますのっていったら女性がついていけないって顔されたの。


奥様は三人まではオッケーなの母上様たちみたいに仲良くするの。


そう言ったら殿下が頭を抱えたの。

どうしてなの?


王妃様に殿下の好みはスケスケ系って教えてもらって着て迫ったらマント被せられてお家に返されたの。


もっとセクシーの方がいいの?


「お、お前はそのままで可愛いんだ」

「そうなの? 」

嬉しくて抱きついたらお持ち帰りされたの。

今日は男装だけどその方がいいの?


ともかく幸せなの〜。

だから悪モフ令嬢とかいうのにはならないしなれないの。


シルフィード王弟殿下と幸せになるの。


攻略対象だからとらないでってこの間他国から来たの留学生に言われたの? 攻略対象ってなんなの?


殿下ものじゃないからあげないの。

私の大事な恋人で婚約者なの。

駄文を読んでいただきありがとうございます♥

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[良い点] 合法ロリドジわんこのライバルがやはり合法ロリッ娘令嬢だった事w [気になる点] ズボンではコケない事w(←えっ? [一言] >豪華なじゅうたんに…… いやいや、ホントはスカートの裾踏んでコ…
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