ブックリスト登録機能を使うには ログインユーザー登録が必要です。
09 グリードの森
―翌朝―

校門前には朝早くから生徒達の姿があった。
その中に俺ら七班もいる。

「あ~ 眠い。サボろうかな~」
「何言ってんの、よッ!」

ドンッ! と腹にアリスの拳が入る。

「グフッ! あ、あの~ 何かある度に殴るの止めてくれませんか? 臓器が悲鳴上げるんで」
「じゃあ成績に響くような事言わないで、コウヘイのせいで私たちの成績が下がるなんて許されないんだから!」
「まぁまぁ、アリアちゃん落ち着こうや~ これからハント行くのにここでリーダーがダウンしたら洒落にならんし」
「そうだよ、それに暴力はよくないよお姉ちゃん」
「うっ、ま、まぁユリアがそう言うんなら」

まったくシスコンが。

なんて思った俺の頭にアリアの踵が落ちた!

「な、なにするんだよ」

踵落としされて地面にうつ伏せになりながら疑問をぶつけてみる俺。

「なんか失礼な事を言われた気がしたから」
「そんな事で俺の貴重な脳細胞を殺したのか」
「ノウサイボウ? 何それ、おいしいの?」

あぁ、本当にしらないって表情かおだな。
まぁこの世界こっちじゃ科学とかあんま進んでなさそうだから仕方ない。のか?

「ふっ、バカには分からな『ドン!』……」
「アリアちゃん、止めさす事なかったんちゃうかな」
「こ、コウヘイさん! 大丈夫ですか!」



―グリードの森―

「なぁエセ関西弁」
「なんや?」
「何で俺はお前の背中に居るんだろう?」

そう、俺は今"何故か"エセ関西弁にオンブされている状態にある。
それに、

「なんか頭が異様に痛みを訴えているんだが」
「お、覚えてないんか?」
「何を?」
「まぁ世の中には知らない方がえぇ事もあるか」

ここで俺は周りを見てみる。
木木木木木木木木、木だらけ。
要するに森だな。

「もう着いたのか」
「着いたどころか、もうハントの最中やで」
「そっか、じゃあ降ろして」
「ほいな」

はぁ、地面よ。
久しぶりだな。
やっぱ人間地面とは離れられないな、この感触。
懐かしい気もしなけど、っていうか何か嫌な思いを極最近したきがするな。

「コウヘイ、ぼさっとすんなや。敵さんおいでになったで」

エセ関西弁の言葉を聞いて正面に目をやると、アリアがファーヤーボールを鶏の頭をした熊に放っていた。

「アレ、何?」
「何? ってアレはどう見ても チキンベアーやん」
「弱そうな名前だな」
「まぁ下級やしな、弱いっちゅうたら弱いわ、ギルドでもFランク指定やし」

なんて話していたらアリアがあっという間に討伐完了した。

「あんた達! 話してないで手伝いなさいよ!」
「余裕だったじゃないか」
「そうだけど、これは授業なんだから!」
「ユリアだってサボってたじゃん」
「ユリアにあんなザコ相手させるわけないでしょ!」

過保護なんだか、シスコンなんだか、はっきりして欲しいな。

「何か言った?」
「イエ、何モ言ッテマセン」

何こいつ、エスパー?

「それよりも、早く課題を終わらせようよ」

ユリアがオドオドと声を出す。
なんでそんなに弱気なんだよ、君結構強いはずだよね~?

「そうね。さっさと課題を終わらせましょう」
「っつうか、課題って何?」
「はぁ? 聞いてなかったの?」
「いや、聞くも何も。知らないんだけど」
「……あっ、そうか」
「なんか心当たりあんの?」
「え、いや、別にないけど。と、とにかく課題はブルーラビットの角を一つ採取する事なのよ」

ラビット、うさぎか。
いや、待てよ。
うさぎに角なんかあったっけ?
学校に帰ったら図書館に籠って魔物調べなきゃいけないなコレじゃ。

「あ、お姉ちゃん居たよ!」

とユリアはチキンベアーの死骸の傍を指差す、そこには青いうさぎっぽいヤツが一匹。
たしかに耳である部分が角だ。っていうか一つだけ取ったら見栄え最悪だな。

「ユリア!」
「うん。魔の獣を捕らえよ、リングバインド」

白く光る輪がブルーラビットを捕らえた。

こんな魔法もあるんだな、便利だ。

「さて、早速採取しま―――」

瞬間、ブルーラビット何かに踏み潰された。
そして目の前にはゆうに三メートルはあろうという巨体が現れる。
というよりかは、降ってきた?

「な、なんでこんな所にいるのよ」

アリアの顔が真っ青だ。
珍しい事もあるもんだ。

「何こいつ、強いの?」
「強いわよ! この森で五本の指に入るくらいにね!」
「ユリア、これも魔物なの?」
「えーと、これは魔物じゃなくて、あ、悪魔です」
「悪魔?」

まぁ確かに悪魔にも見えない事はないな。
黒い体に所々に赤い線が走っていて、背中に羽があり、角まであるし。

「って事は知能もそれなりにあるの?」
「あ、あるはずです」
「何するつもりや?」
「お話さ。えーと悪魔君、言っている事分かるかな?」

無言ですか、いや違うか。
品定めってとこかな。

「人間如きが我に話しかけるとは」
「お前そんなに強いの?」
「当たり前だ、爵位持ちの悪魔のなのだからな」
「へぇー でなんでそんな強い奴がここに居るの?」
「何、この近くにいる王族の血を引く娘を追っていただけだ」

って事はこの悪魔は王女様を食う気って訳か、コレ退治したらお金くれるかな。
まぁ、どのみち力試しで倒すけど。

『へぇ~ 結構余裕なのね』

 ……本当に暇なんですね。

『暇、暇、暇なんですよ~ だから貴方を見て暇潰しをしているんですよ~?」

 あぁ、そう言えばそんな事も言ってましたね。

『で、悪魔に挑むんですか?』

 まぁ勝てるし?

『えぇ、勝てますね。余裕で』

 ふぅ~ じゃあ戦おうかな。

『はい。 あぁ、あとこの悪魔は御堕神(元神)の部下なんで止めさす前に居場所とか聞いてみてください』

 OK~


「さて、悪魔さん。戦いと行こうか」
「面白い、人間風情が!」
―予告―
    第10話 悪魔と王女と勇者様!?

出遭い、挑んだのは爵位持ちの悪魔、助けたのは王女、褒められたのは勇者様?


+注意+
・特に記載なき場合、掲載されている小説はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
・特に記載なき場合、掲載されている小説の著作権は作者にあります(一部作品除く)
・作者以外の方による小説の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この小説はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この小説はケータイ対応です。ケータイかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。
小説の読了時間は毎分500文字を読むと想定した場合の時間です。目安にして下さい。