ブックリスト登録機能を使うには ログインユーザー登録が必要です。
03 合否
 さてさて、俺は筆記テストを終えて休憩室でのんびりと時間を浪費しています。
 普通なら親やここまで付いて来た従者に試験について話すんだそうだが、異世界から来た俺に身内が居るはずもなく、独り寂しく休憩室にいるわけだ。
 
 「やぁ、ここにいたんだね」
 「あぁ、ペットの躾けもロクに出来ない騎士様か」
 
 俺の言葉に苦笑いを浮かべる少年騎士。
 まぁそうなるよう言葉を選んだんだから、その表情を見せてくれないと俺も少し凹むんだけどね。

 「それよりも、筆記試験の出来はどうだった?」
 「まぁそれなりに出来たよ、これで晴れて入学かな」
 「何言ってるんだ? 筆記試験に合格しても入学はできないだろ?」
 「へぇっ、そうなの?」
 「当たり前だろ、騎士の適正テストも合格しなきゃ入学できないんだ。知らなかったのか?」

 知らなかったよ。とは言えない雰囲気だな、だって心底驚いてる顔だしな。こっちの世界じゃ常識ってとこか。
 なんて答えるのがいいか……。

 「おい、話を聞いてるのか?」
 「あ、あぁ。実は司祭様からはあまりそう言った話は聞いてないんだ。あの人はイタズラ好きでね」

 通じるか? 通じてくれよ、厄介事は御免だからな。
 
 「……そうか、そういう人なのか、君も大変だったな」

 なんだこの同情してる顔、もしかして君の間近にもそういう類の人間が居るのか!
 大変だな。同情するよ。

 「全くだよ。感謝しているだけにキツク言えなくてね」
 「あははは、まったく君は僕によく似ているな。親近感がわくよ」
 「同感だ。あははは」

 さてと、この流れから察するに適正テストとやらも簡単にクリアしてしまいそうだな。
 そのあとの事を真剣に考えておかなきゃな、色々手続きが面倒そうだ。

 「君! 早くこっちに来なさい、もう直適正テストが始まります」

 どうやら筆記試験は合格ですか、まぁチートだから仕方ないな。

 「頑張れよ!」
 「程々に頑張るよ」

 んで、試験会場に到着。
 森の中に造られた会場だな、地面の様子から察するに授業でも使ってんのか。

 「私が今回の試験官を務める アリオ・ロッサウェルだ、諸君には一対一の模擬選を行って貰う」

 はいはい、そうですか。
 それで、事前に渡されたこの色付きのハンカチと同じ色の奴と闘えと、なんとも分かりやすい試験だな。

 「君が私の相手かい? ナリはいいが、庶民か?」
 「そういうアンタはキャラ的に貴族ちゃんだな」
 「貴族ちゃんだと! 我ら誇り高き貴族を愚弄するか! 叩き斬ってやる!」

 あーあ、頭に血上ってるよ。
 こりゃー 楽に決着がつくな。

 「では互いに一歩前へ! 礼! 始め!」

 試験官の合図で貴族ちゃんとの勝負は始まった。
 
 「ふん、庶民! 貴様から来るがいい、この私が捌いてやる」
 「はいはい、仰せのままに……貴族ちゃん」
 「減らず口を叩くな!」

 ふん、俺がお前みたいなキャラを弄らない訳ないだろう。
 にしても、知識は十分チートだったけど、戦闘に関してはどうなんだろうな。
 なんか急に不安になってきたよ。

 「行くぞ!」

 とりあえず前へ走ってみる……速いな、一瞬で貴族ちゃんの前だ。
 こりゃー 戦闘に関してもチートであるのは違いないな。
 あとは魔法とか使えたらいいんだけど、そういった知識は無いんだよな~
 字が読めて、ある程度の歴史が分かって、あとは問題を読んだら答えが浮かぶ、これがイマンとこ知識に関するチートなんだよな~
 戦闘はやっぱ肉体が強化されてるな。
 動体視力が半端ねぇ~♪

 そう俺は今貴族ちゃんの剣を右に左に華麗に避けている最中、快・感!
 やべぇー チート万歳! 最高~!
 試験官も驚きの表情隠してないし、他の連中も肝っ玉抜かれたみたく驚いてやがるし、あ~ 優越感っていいな。
 さて、そろそろ貴族ちゃんを晒すのも可哀想だし、楽にして上げますか、羞恥心を甚振ってから♪

 ニコリ。

 俺は今きっと途轍もなくドSな笑みを浮かべているだろう、だから貴族ちゃんの顔が真っ青になったんだな。

 俺は手に持った剣を目にも止まらぬ速さで貴族ちゃんに振るう、そして鞘に納めると、一陣の風が抜いて、貴族ちゃんの服は散り散りなって風に飛ばされた。

 「ひっ、ひ~!」

 そんな情けない声を上げて貴族ちゃんは真っ裸で地面に腰を抜かす。
 なんて情けない画だよ。貴族ってからにはどこか領土を貰って治めてんだぞ、こんな領主様に治められたくねぇーよ。住民可哀想だな~

 「しょ、勝負あり。誰か彼に身に纏う物を」
 「は、はい!」

 あははは、とっても可哀想な事しちゃった♪

 「君は格が違うな、最後に一つ質問させてくれ」
 「いいですけど、何ですか?」
 「君は誰の為に剣を振るう?」
 「自分が守りたいもの全ての為にです」

 まぁもちろんその中には自分の身ってのもあるけど。

 「……もうテストをする意味はないな、君は合格だ。受付に行って手続きを済ますといい」
 「はい、失礼します」

 さて、手続き上手く行くかな~
―予告―
    第4話 神様(自称?)登場

寮の自室で寛いでいると神様と名乗る美女登場、神様の目的は?


+注意+
・特に記載なき場合、掲載されている小説はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
・特に記載なき場合、掲載されている小説の著作権は作者にあります(一部作品除く)
・作者以外の方による小説の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この小説はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この小説はケータイ対応です。ケータイかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。
小説の読了時間は毎分500文字を読むと想定した場合の時間です。目安にして下さい。