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水色
作:森本エリ



波乱のバンドマン??!


「これ!これイイッ!!」
沙織がはしゃぎながら手にしたのは細かいラメゴールドのビキニ。
下のサイドがイミテーションダイヤのラインストーン。
「紐パンやん…ッ!!」
小夜子が赤面する。
「だって、今回は勝負だもん。一臣を落とす!!」
沙織がガッツポーズをする。
「余計なんも落ちるわ。」
「ほっほっほ。一臣が戦ってくれるもーん!」
「はいはい。よかったな」
5時間目をサボって、二人は天神に来ていた。
登校前から私服を用意してトイレで着替えをして、荷物はコインロッカーに押し込んだ。
明後日の旅行に備えて水着と下着を買いにきたのだ。
「小夜子は?いいのあった?」
「え?これ可愛いなと。」
小夜子が手にしたのは黒のワンピース様の水着。胸元に白い縁取りフリルが付いている。
「なんか…ちょっとセクシーから程遠い…」
沙織が不満げに呟く。
「えーの!うちが沙織ちんみたいな水着きてたら清児くんが出血多量で逝ってまうわ!」
「なるほど、純情☆」
「そゆこと〜。」
「でも!下着くらいは!」
「嫌や!なんかあざとい」
「何よ〜そんな言い方せんでよぉ〜…」
「あ、PJ行くやろ?」
「うん!」
二人は水着を購入して店をでた。
                                                                        
「When the night has come…and the land is dark And the moon is the only light we'll see No I won't be afraid・・・oh,darlin' darlin'stand by me oh, stand by me Oh, stand, stand by Me,stand by meI won't be afraid Just as long as you stand stand by me darlin' darlin'stand by me oh, stand by me Oh, stand,stand by me,stand by me……」
                        ダンダンダンダン!!!!山崎のバスドラが勢いよく響き、龍のサックスが入る。本番、ロックバージョン。
「昔、シドに憧れてベースをしていただろ」
と言って無理矢理借り出されたイチまでも本気で弾いている。
「If the skythat we look uponshould tumble and fallOr the mountainshould tumble to the seaI won't cry I won't cryNo,「oh, stand by meOh, stand nowstand by me stand by meDarlin' darlin'stand by me,」
ギターを掻き鳴らしマイクスタンドに食らいつく様に歌う。
それぞれの音が熱をもちぶつかり合う。 stand by me,」stand nowstand by me stand by meWheneveryou're in troubleWon't you stand by meOh, stand by meoh, stand now… 」
清児が一気にリズムにのり、アレンジした曲調でギターを掻き鳴らし歌い込んだ。
「stand nowstand by me stand by meWheneveryou're in troubleWon't you stand by meOh, stand by meoh, stand now… 」
アドリブのドラムやサックスやベースが鳴り響く。締めは一気に鳴らす。
「…yeah!」4人は満足そうに笑い出した。
「残り…一週間やね。」
清児が椅子に座って誰にともなく呟いた。
「しかしイチも龍っちゃんもすげぇな。」
山崎が汗を拭きながら言った。
「いきなり言い出しやがって!お陰でバイクどころじゃねー!」
イチはそう言いながらも楽しそうに笑っている。
「清児、始めに比べると比にならないくらい上手くなったな。」
「…そりゃ…伝えたい人がおるけんね。」
三人から頭を小突かれた。「その調子で頼むぜ!」
山崎が清児の頭をくしゃくしゃにする。
「もっと上手くなりたいよ」
「頼もしいな!」
皆笑っている。
度々イチと山崎が衝突していたが、やっぱりコンビネーションは断トツでよかった。
練習を終えて音楽室を出ると『バンドをしてます』風な後輩達が、4人を待っていた。
「すっげーかっこよかったっす!」
「ライブとかしないんすか?!」
「バンド名とか教えてください!」
次々と群がってくる少年達。
(どうせ囲まれるなら女の子がいいなぁ…)
と四人は思う。
「浅倉先輩、」
茶髪のちょっと生意気そうな少年が清児の前に出た。
「何?」
「俺、負けませんから。」
清児を睨み上げるように言った。
「ふッ…負けませんって言ってる時点で負けとるよ。目じゃないくらい言わんや。」
清児が見下す視線で言った。
「…ッ!!」
「俺ら新米バンドやけん。よろしくな、せ・ん・ぱ・い。」
清児はそう言って茶髪の少年からすりぬけていった。
「ッ…まちやがれ!!」
清児に殴りかかろうとする少年の首根っこを掴み、龍がゲンコツを喰らわせた。
「いてッ!!」
「うちのカンバンに手出すな、クソガキ。勝負するなら学祭でやってやる。」
「なめんな!ホモ野郎!」
「残念でした。ドラムの山崎以外彼女いますから。」
龍が少年を突き飛ばした。後輩達が皆ひいた。
「続きは学祭でな。」
ひらひらと手を振り四人は歩いて行く。
「あの!バンド名は?!」
一番に感激していた少年が咄嗟に尋ねた。
「…。」
「…。」
「そういや…。」
「考えてなかったな。」
「新米やし、THE・ひよこクラブとかでよくね?」
「あ〜…あ!悪ガキ戦隊餓鬼レンジャーでよくね?」
「いーねー!」
「決まりね!」
「「「「悪ガキ戦隊餓鬼レンジャー!」」」」
四人が声を揃えた。
「そゆことで!バイバイ」
そう言って階段を降りて行った。
「かっけー…!」
「やっぱ浅倉先輩かっけぇ!」
「俺、高村先輩!!」
「やっぱドラムの山崎先輩やろ!」
「俺一瀬先輩!!」
「…けッ!ふざけやがって。」
後から痛みを増して来た頭を撫でながら茶髪の少年は悪態をついた。












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