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水色
作:森本エリ



始まり。


朝一番。(でも7時頃。)滅多に早起きなんてしない龍とイチと山崎は揃って病院に忍び込んでいた。どっきりモーニングコール作戦のつもりである。
「清ちゃん起きてるかな」
山崎がうっひっひと下品に笑う。
「起きたらビックリするぜ〜!てかヤっちゃってないよな?」
とイチ。
「しっ!」
二人を制し、小声で龍が言った。
「つか、この部屋だよな?」
龍は静かにドアを開けた。
「…っ清児くん!…やぁ!あかんって…っ!」
カーテン越しになんだか色っぽい小夜子の小声が聞こえる。
思わず三人は固まった。
「?」
龍がイチを見る。
「??」
イチが山崎を見る
「?!」
山崎がカーテン越しの二人を見る。
−真っ最中ですか?!
「そんな声出したらいかんって!」
清児の声がしてベットが軋む。
「やだっ!やっ!あっ!」
            えええ〜〜〜???!!!三人の顔は思い切り焦っている。
「…やぁ!そんな強くせんで!!」
「だって小夜子ちゃん負けたやん。」
「やからって狭いんやけん、そんなに強くしたら落ちる!」
「だって小夜子ちゃんがえっちー声だすけん、面白いっちゃもん。」
−罰ゲームのおっさんか?つーか何やってんの?あんた達。
三人は思う。
「んんんん!!」
龍が咳ばらいをする。
「!!?」
カーテンが開き清児がこちらを見た。
腕の中には乱れ気味の小夜子が真っ赤になって顔を隠している。
「何やってんだお前らは」
「え?何で龍がおると?」
「ばっか!見舞だ!」
「来るなら連絡してよ!」
「病院は携帯使われん!」
「やらしー」
イチが清児達をからかう。
「!!ちがっ…違っ!」
「ひゅーひゅー!」
山崎が便乗する。
「別にお前らが何してようと勝手やけどさー。病院はマズイやろ。」
龍が笑う。
「何もしてないって!小夜子ちゃんが脇腹弱いっちゃん!」
「…これからっていうなら俺ら2時間くらい…」
山崎が妙な気を使い始める。
「ええって!ちゃうから」
小夜子が慌てて顔を上げたその頭が清児の顎に直撃した。
「うが!」
「いたぁ!」
「…焦るなよ。」
小夜子がベットから出る。
「真由さんが見たら大変だよな。」
イチが苦笑する。
                        清児は退院して、そのまま四人で海に行ってしまった。
小夜子は一人で3時間目から登校した。
一度家に帰り母親に注意を受けた。
気まずくてさっさと準備をして家を出た。
                                    
「来たよ。アイツ」
3時間目の前の10分休みで皆が自分勝手にしている時間だった。木下こずえが聞こえよがしに言ったのが自分に対してだと小夜子もわかった。「なにしとったんかねー」
きゃははは!と笑い声が立つ。
「てかあんな男ばっかに囲まれて、なんかすごい事してんたじゃない?」
「えー?」
「人はみかけによらんしねー!」
「言えてる!」
ちらちらと小夜子を見ながら木下こずえと板倉美紀と中山沙織が笑っている。
小夜子は俯いた。
机に『ヤリマン』とか『ぶりっ子』と油性のマジックで書かれていた。
「小夜ちん…」
頼子が小夜子に話し掛けて来た。
「頼ちゃん!おはよ!」
小夜子は明るく笑った。
「浅倉くん大丈夫やった?」
頼子が心配する。
「うん。もーケロッとしてるで!高村君達と海に行ってるし。」
「あはは!すごーい!」
「大丈夫ー?」
「島ちゃん!」
「でも、浅倉くん達って怖いイメージやったけどどうなん?」
「んー…子供?」
「アハハ!」
「なんか煩くない?!」
木下こずえが小夜子達に言った。
ぴたりと小夜子達が黙る。
「やめなよー!あいつらに殺されちゃう!」
「きゃー!怖い〜!」
チャイムが鳴り、教師が入ってくる。「お前ら〜席につけ〜!」
教師に追い立てられ皆席につく。
授業が始まり静まり返る教室。
淡々と授業が進む。
机の上の落書きをみる。
悲しい気持ちと言い知れぬ不安感。
何でこんな事されるのだろう。
小夜子は溜息をつく。何か自分と清児の事が気にくわないのだろう。
(清児くんって意外にモテモテ?)
小夜子はまだ軽い気持ちでペンを回して遊ぶ余裕があった。
小夜子には中山沙織の事がよくわからない。
最初の笑顔はなんだったんだろうかと少し怒りを覚える。
頼子達がいるので安心している。
同性の友達がいるのは心強い。
小夜子は頼子達に被害が及ばなければいいなと思っていた。












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