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水色
作:森本エリ



君が好きで、


たまらないぜ。
あの娘が笑うと
ゼリーのチェリーが宝石みたいに輝く。
全てが美しく見える。
日差しも水面もキラキラと輝いていても、あの娘の瞳には敵わない。
お伽話をしようぜ。
僕のかわいい女の子。
誰も見たことのないような世界に、
誰も見たことのない恋をぶっ放したい。
気が狂いそうさ、柔らかな肌が、触れる度、
僕は死んでも構わない。
かわいい女の子。
恋をしようぜ。
自転車を漕ぎながらデタラメな歌を歌いだす。
「誰のうたー?」
「俺!」
小夜子は笑ったが清児は全く気にしていない。
めちゃくちゃやな〜。
小夜子は思う。
熱烈なラブソングだという事には気付いていない。
君の事大好きだー!!
メロディがあるのかないのかわからない雄叫びに通行人が振り向く。
小夜子は恥ずかしくてうつむいた。
「アホ!アホ!」
小夜子は小声で繰り返した。
高宮駅に戻り、電車に乗った。天神駅で降りて赤坂に向かう。
少し路地に入るとレンガ作りのモダンな店がある。
「CRY☆BABY」
夜になるとミュージックバーになるらしい。
今は中休み中で店内は暗い。
「えーの?」
小夜子が心配そうに清児をみる。
「いーの!」
カランカラン−
カウベルがなる。
「いらっしゃーい!」
ベリーショートの細い女性が満面の笑みで二人を迎えた。
「こんにちは、恵美さん」
「清ちゃんカッコイイ☆」
「ありがとう。」
「やだぁぁ!女の子連れ?!真由サーン!清ちゃんが女の子連れて来たぁぁー!!」
奥から小走りでモスグリーンの柄シャツを着た、清児の母親が出て来た。
「きゃあー!待ってたわよー!きゃー!この娘が噂の清児ベイベ?!お人形さんみたい!」
やたらテンションの高い二人に小夜子は圧倒されている。
「こ…こんにちは。」
「こんにちはー」
「黒川小夜子です…」
「浅倉真由です!清児のママン☆です!」
「…。」
清児は溜息をつく。
「清ちゃんの彼女?!」
恵美が必死に聞いてくる。
「うん?……。」
清児は小夜子を見る。
小夜子は気まずそうに清児を見返す。
「んー…。俺はそのつもりだけど…?」
ニヤニヤしながら小夜子を見る。
恵美の顔から血の気が引いていく。
反対に小夜子の顔は紅潮する。
「友達以上恋人未満っての?」
真由がオバサン特有の手を頬の隣で空降るそぶりをした。
「いいわねー。さ!小夜子ちゃん、よく来てくれたわね!座って!」
「あ、はい!」
清児は嬉しそうに笑っていた。












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