友達想い
ぴりりりり…!
無機質な電子音が響く。
黒いサテンのカーテンとアルミパイプのベッド。
ガラスはまった小さなテーブル龍は携帯を見る。
『着信中:清児』
「もしもし〜?」
「眠れん!!」
「あ〜?」
「今日俺小夜子ちゃんに告った!」
「嘘?!なんて?」
「う〜…なんかいいみたい…。」
「嘘!」
「俺、嘘つかない。」
「よかったな。」
「明日11時に待ち合わせ」
「そうか。」
「小夜子ちゃんがね、俺の手をとって左胸に当ててドキドキしてるって教えてくれたんだ。その時、俺もう死んでもいいと思った。」
「お〜…」
「鼻血でた。」
「アハハ!」
「なんしてた?」
「あいつらと酒飲んでさっき帰ったとこ。」
「いーなぁ。」
「楽しかった。」
−沈黙。
「俺、柄シャツを買ってもらった!明後日学校に着てくる。」
「いーね、みしてみ。」
「おう。」
「なぁ、清児?」
「あん?」
「あの娘に何があっても守ってやれよ。」
受話器越しに吹き出す声が聞こえた。
「なんいーよーとや?当たり前やろ。」
「ああ。明日起きれるとや?」
龍がちらっと時計に目をやる。01:25AM
「絶対起きる!」
「そか。」
「龍、」
「ん?」
「俺、本当、小夜子ちゃんが好きだ。」
「アハハ!うるせー!さみーよ!」
「どーしよーもない。」
龍はバイク雑誌をめくったりして、煙草をくわえた。火をつけて雑誌を閉じた。
「早く眠れよ。明日眠くなったら勿体ないだろ?」
「うん。」
「興奮してもいーが大事な明日だろ。」
「うん。」
「切るぞ?」
「うー…。」
「眠そうだぜ。」
「すこし。」
「そうかぃ。ちゃんと布団かぶれよ。風邪引くぞ。」
「お母さんかお前は!」
「アハハ!」
「んー…なるべく寝る。」
「おう。おやすみ。」
「うん。おやすみ。」
そう言って電話を切った。
「♪OhOhOhストップガール…嫌だと、言っても、愛してやるさ…」
清児はこんな気持ちかな。
龍は煙を吐きながら、スターリンの『ストップガール』を口ずさんだ。
「ふっ…」
『スターリン』は濃すぎだな。
そう思って龍はなんとなく笑った。 |