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水色
作:森本エリ



浅倉家の人々


「ぎゃーーーッ!!!どーしたの?!アンタ!!」
清児を見るなり母親が顔を青くした。
「え?」
清児は自分を見る。
胸の辺りに血がついている。
「あぁ…鼻血だよ。」
「喧嘩?喧嘩?」
「ううん。ぼーっとしてたら鼻打った。」
「なんだー。漂白つけとくから洗面台に置いといて」
「うん。」
「ビックリしたー。」
「喧嘩と思った?」
「うん。男の子っぽいと思って期待したのに。」
「なんそれ。」
清児は笑いながら洗面台に向かった。
「チェリータルト2つも作っちゃった。」
「また…計画性のない。」
「お父さんみたいな事言わんで!アンタあげる人おる?」
「明日ね約束したけん、一個貰っていい?」
「いいよ!いいよ!え?おなごね?女子か?」
「うん。」
「きゃー!デート?デート?」
「うー…ん。そんなとこ」
「なにー!いつの間にかそんな娘がおったと?やるねー!どんな娘さん?」
「めっ…ちゃっくちゃ!可愛い!」
「なーんそれ!明日お店連れてきーよ!」
「えー?」
「ハーブティーとか奢るわ!」
「じゃあ行ってもいいよ」
「やったー!明日ちゃんと店にいよーっと!」
母親はうきうきしながら台所に行った。
「あ!そーやん!清児!」
「何?」
「お母さん、今日暇やったけん、あんたに服買ってきたよ!見てみて!」
「マジで!どんなん?」
「超クールよ♪」
そう言って寝室から紙袋を持ってきた。
Campsという上人通りにある店の紙袋だ。
「かっこよくってつい買っちゃった♪サイズなくってお父さんには小さいかな〜と思ったけん、アンタにと。」
清児は目を輝かせて紙袋を開けた。
中から出てきたのは、藍色の化繊生地に花と紋白蝶がランダムにプリントされた柄シャツだった。
「うわ〜…悪っ!かっけぇ!ありがとう!」
「ロメオって感じやない?」
「母さんもチンピラっぽいの好きやね〜!」
「これにお父さんのあのバングルがでかいベルトして、ジーンズ穿いたらかっこよくない?焦げ茶のスリムのパンツとかは?」
「明日着て行っていい?」
「当たり前やん!ちょっと今着てみ!」
「うん。」
清児は制服を脱いで柄シャツを羽織った。
「似合う!いいよ!アンタ!」
「マジで?」
「ジーンズの方がいいかも。」
「うん。タンクトップどこやったっけ?」
「洗っとる。お父さんのタイガーアイのペンダントしていきーよ!あ、シルバーリングも!昔、お父さんが若い頃に友達が山ほどパクって来てアタシにもあの人にもサイズが合わん奴があったけんしてみ!どこいったっけなー!」
楽しそうに母親は物置部屋に向かった。
息子にロックなチンピラっぽい格好をさせたがっていた夢が叶うのでかなり張り切っている。
そんな母親を見て清児は笑った。
そして夕飯に急遽レトルト赤飯が出た。
父親が不思議そうに清児と母親をみた。
「なんで?」
「お祝い♪」
「なんの?」
「「教えーん。」」
清児と母親は一緒に笑った。
「なんでよ。お父さんだけ仲間ハズレにして…。」
夕飯を済ませてチェリータルトを食べて清児はリビングでテレビを見ていた。
「なんだー?コレ。いーなこの柄シャツ!」
「それ清児の。」
母親がにんまりと笑う。
「えーお父さんには?」
「アンタいっぱい持ってるやろ!」
「うん。」
「明日、清児初デェトやけん。」
「なにっ!本当か?清児」
「う〜…まぁね。」
「お父さんのペンダントとか貸してやろうか!」
「ぶっ(笑)ありがと。」
「清児あった!あった!リングしてみ!」
「マジで!」
三人で大騒ぎしながら、明日に備えた。


5割実話です











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