わっしょい!
あれから清児は少しも落ち着けず、熱も下がりそうになかった。
そわそわそわそわそわそわ歩いては何かにぶつかり、階段を踏み外し、校長の植木鉢を割り、バケツの水をひっくり返した。
屋上のソファーで龍と昼過ぎから登校したイチと山崎は清児の動きに合わせて視線を動かしている。
「せーじくーん?」
と山崎
「清児!」
と龍。
「あ!小夜子ちゃん!」
イチが叫ぶと清児は思い切り顔をあげた。
「うっそーん!」
イチはうひゃひゃと笑う。
「…焦らせるな!」
「だってぇーあたいらに構ってくれないんだもーん」
山崎が某オカマバーのママのような口ぶりで言った。
「あ…ごめん…、」
「どしたのよ?お前。」
龍が首を傾げながら尋ねる。
「実はさ…明日、俺、」
「「「俺??」」」
声を揃えて迫る3人。
「小夜子ちゃんと遊ぶ…」
「え?」
「今、なんて?」
「え?」
三人は顔を見合わせる。
「「「えぇっっ?!」」」
「いーまー、清児くんはーなんていーましたー?」
山崎が耳に掌をあてて聞く
「小夜子ちゃんと…遊ぶ」
「なんで!?デートしてって言ったの?!」
「やること早ぇー!!」
「で、OKなの?」
「や…今日の放課後、数学教えてもらう約束で、お礼にチェリーパイをあげるって言って、明日、山の溜池に行くんだ…。」
「山?!」
「うん…」
「ついでに俺のチェリーも☆みたいな?」
「ば、バカッ!出来るか!」
清児が山崎を殴った。
「いでっ!マジで!」
「なんにしろすげーよ!清ちゃん!OKもらったんだろ?よかったなー!」
「俺…胸が壊れそう…。」
清児はシャツの真ん中を握りしめて深々と溜息をついた。
龍はソファーに深く座り、煙草を吸いながら満足そうに笑っている。
「あ!龍っちゃん学校では煙草吸わんって言ったやん」
イチが言った。
「そーだよ!」
山崎もあわてふためく。
「いーじゃねーか。」
「「よくねーよ!!!」」
二人につっこまれて龍は苦笑しながら煙草を消した。
「うまくいくといいな。」
最後の煙を吐き出して龍は言った。 |