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  東方蜃気楼 作者:ままま
――パパ、このステーキとっても美味しいね!


そうか、きっとママも喜んでるはずだ――
桜と鬼
鬼の幻想郷への移転、それはとても騒がしいものになった。現在の妖怪の山は廃棄され、幻想郷にある1個の大きな山、未来の、原作での妖怪の山と言われる場所へ移動した。と、言っても妖怪たちがコロニーを作った場所でもあった旧妖怪の山は妖力の名残がビンビン。なんというかすごい。放っておくと山そのものが妖怪化しそうな勢いだった。鬼ババァにそのことをなんとなく尋ねてみても、「ん?まぁ、なんとかなるだろ」って感じで流されたのは秘密だ。まぁ俺も、俺に害がないのなら妖怪になろうが、神になろうがどうでもいい。俺に害を与えることのできる存在がいるかどうか不明だが。

「ままならないものだねぇ」

そう呟いたのは隣にいる伊吹萃香だ。鬼の引っ越し大騒動が終わり新妖怪の山の頂上でどんちゃん騒ぎの最中なのだが、鬼たちの楽しんでいるが微妙な表情が超気になる。あの鬼ババァも俺の提案にこそのっていたが心情では苦肉の策、というか非常にやりたくなかったことなのだろう

「鬼と人間、気の毒だがこれが人間だ。人間が地上の頂点になった力だ」

「・・・・・・」

萃香は朱く塗られた杯を口に咥え、酒をくいっと飲み干した。俺の返答に対する反応はない。ただ酒を、ただただ寂しそうに飲んでいた。紅葉で染まった山の頂きで、鬼の、鬼達の、最後の人間という戦友とものための宴なのだろうか。もしかしたら、鬼たちは心のどこかで、また人間と。殺し合い酒を飲み交わし武を競い合い人間を攫い人間に退治され宝物を分け与えそして・・・

「でもさ・・・・」

そう呟いたかと思ったら、次の言葉を言うことはなく再び酒を飲み始めた。もはや多くの鬼が人間に失望し眼中にもないのかもしれない。だがまだ萃香は信じているのかも知れない。鬼と人間、それはそれは古き繋がり。人間と鬼、倒されるべき化け物と攫われるべき弱き存在。鬼どもの伝統『人攫い』を行い、鬼に勝ちうる人間を呼び出し戦った。鬼はただ戦うだけ、それを楽しみ糧とする。人が勝てば鬼が溜めた宝物と、攫われた姫と、そして人間が持ち得る最高の退魔の称号『鬼殺し』の名を得るのだ。それが鬼と人との、隠れざる、否、もはや生物の本能に打ち込まれた盟約だ。まだ萃香は、

「だが、いつからか。人間が前に歩き出したのは」

「あんたはこの所業を進歩って言うのかい?」

だが人は弱すぎて、鬼は強すぎた。ならば、ならば人は考えた。どうすれば鬼に勝てる?鬼殺しの秘術を学ばずに、大多数の凡人によって勝てる方法とは?答えは簡単だ、数だ。一人で勝てないのなら二人で、二人でもダメなら三人で、それでもダメなら・・・。そして人間は勝った、さすがの鬼も大多数の波状攻撃は耐えることが出来なかった。鬼に勝てるとわかった人間は、すぐに鬼共を駆逐していったのだ。

「勝てないはずの存在に対して勝てるように考え実行し、実際に勝利を得た。進歩と言わず何と言う?」

「・・・そうだね。人間にとっちゃ進歩なんだろうさ」

「鬼殺しの秘術は既に忘れ去られた、無理もないさ、負けないのだから。お前達にしても多数の相手を皆殺しにする勇気が無かったのも、原因かもしれなんぞ?実際もう少し強いやつが出張れば、な」

「古き盟約にとらわれ、それすら守ることが出来なかった、ってね。でもさ、私たちは鬼だ」

鬼は誠実なんだ、っと実にすがすがしい笑顔で言ってのけた。正直惚れそうだった。鬼の誕生も俺や私や我や吾輩と同じだったのかもしれん。人間が強きを求め、負の感情を練り込み、鬼を作った。悪鬼羅刹、人間が負の感情を乗り越える儀式として、生まれたのだろうか。なんともなんとも

「私はね、信じているんだよ。本当に馬鹿だけどさ」

「ならば、ならば大丈夫だろう」

「ん?」

「信じている限り失うことは無い。我らはそういう存在だ。ならば、我らが信じなかったら?」

「幻想にすら忘れ去れる、か。それはダメだね~」

グビっと、酒をあおる。紅葉に触れた秋の風が頬を撫で、火を揺らす。魔性の月、狂気の月、渇望の月、満月は光り酒樽を照らす。光が強く、それでいて深く。鬼たちの酔いに酔った笑顔が印象づけられた。光は闇を照らし闇を深くする。人の光は強すぎた、弱い闇は消え失せるのみ、残るは人間や我らですら恐怖する深淵の闇。深淵に出会った人間はどこに行くのだろうか





今の時代はなんだったっけ?と頭で反故している疑問がある。実際平城京が京都へ移行、平安京となったのだから最低でも平安時代以降だ。794年以降なはずだ。あの大和神の信仰していた天皇の名前を聞いても、生憎『自分』の知識にはない。もともとそういう趣味のある存在じゃないと絶対に覚えないだろうな。

「ナイス桜だな、嫌な予感ばっかりだが」

桜道を歩く、それはもう美しい桜道を。旅立ちの日とどっこいどっこいだ。美という点ではこちらに軍配が上がるぜ。まぁいつも通りのんびり行きますか。どうせ嫌な予感なんて当たるわけがないし、当たっても俺なら何とかなるような気がする。俺じゃなくて能力のおかげだけどな!!!

「ねがはくは 花の下にて 春死なむ」

「そのきさらぎの 望月のころ」

わー、嫌な予感的中ですよまったく!誰が返歌をしろと言ったのですか!もうわかがわからなくて言葉が変になったですよ!!フヒヒ

「この先になにか用か?妖怪」

「妖怪に何か妖怪?なんつっ・・いやいや悪かったから刀を抜かないでお願い」

「もう一度聞く、この先に何のようだ?」

殺気を込めながら言ってくるこのお方は、暗緑色の和服、なんか侍っぽいね。それに白い髭がダンディ。目のあたりの傷がどうみてもヤクザです本当にありがとうございました!誰だっけ?こいつ?誰かになんとなく似てるような・・・あの白い塊なんだ?あぁ・・・あれは確か

「用なんかない、桜を見て歩いていただけだ半霊」

半人半霊、どうやって交配をしたのか、というか幽霊相手に孕ませるそのモツに憧れ。半人半霊の特徴と言えばやはり常にまとわりついている白い霊魂である。曰く本人の魂、曰く本人の分身。まぁ本人に関係しているのはあきらかなのだよ諸君

「そうか、では帰って貰おうか。この先には・・・言う必要もないな」

「無駄だ、やめておけ若造」

妖力をたたき付けてみる。あたりの鳥たちが一斉に飛び立ち、生き物の気が消えた。確かこいつ魂魄なんたらだったと思う。ってことはこの先には西行の屋敷があるのか、ご苦労なこった。

「貴様っ!」

そう言った魂魄さん(仮)は帯刀していた二本の刀、それの長い方で斬りかかってきた。いやぁこのおっさん強いわ。太刀筋見えねぇもの。なんかよ?こう、剣閃だけ見えるというか、というか超怖い。効かないとわかっていてもこの恐ろしさ。相手がただの妖怪ならあの世生きだな。妖怪にあの世があるかどうか疑問だが

「面妖な・・・」

「まぁ妖怪だからな、で?いつまで続けるの?」

「お嬢様を守るため!いつまでも!!」

面倒くさい、ならば俺の必殺技でも食らうといい!!


――人鬼『未来永劫斬』


――人力『フランケンシュタイナー』












「・・・・・・・」

「またつまらぬものを投げてしまった・・・」

魂魄さん(仮)の頭が地面に陥没しているが気にしない。時々ピクピク動いているので大丈夫だろう。たぶん生きている。そもそも半分幽霊だからきっと生きている、そう思わないとやってられない。というか思わず良い感じに決まってしまった、おかげで妙な達成感があるのは秘密だ。

「・・・ねぇ彼死んでないわよね?」

「彼が死ぬわけ無いじゃないか、俺は信じている」

「あなたは彼の何を知っているのよ・・・」

そして絶賛冷や汗を流している妖怪スキマ婆のゆかりんである。俺が魂魄さん(仮)を決めてしまった後、「そこまでよ!」とか言いながら乱入してきたのだ。ざんねん すきまは まにあわなかった!・・・で、話を聞いているとこの先の西行家にすむ人間は自分の友達だとか、そしてこの魂魄さん(仮)はそこの家の庭係、および護衛とのこと。

「それでも俺はやってない」

「まぁ、大丈夫でしょ。たぶん・・・・」

よくわからんがその後の話で俺がそのお嬢様とやらに会うことに。というかお嬢様とかあの未来の亡霊姫以外にありえません本当にありがとうございました!!!





「あら妖怪さん、また来てくれたの?フフフ、見たことのない顔もいるわね」

「ええ、私の知り合いよ。名前は霧上っていうの」

「おい、なんだこの弱々しい女は。スキマよ、お前は一体何を考えている?」

誰だこいつ!西行寺のこいつはもう、なんというか元気いっぱいというかおっぱいというか、そんなイメージがあったのだが、布団から半身を起こし目の下には隈、そしておっぱいだ。おっぱいは変わらない、さすがおっぱい。話がそれたが、この婆が貧弱な人間を友と呼ぶなんてありえねぇ・・・。何か企んでいるのか?

「あらあら、あなたは一体私のことをどう思っているのかしら?」

「・・・まぁいいさ。俺はこいつが言った通り霧上だ。人間の女、名前は?」

「あら、近づいちゃダメよ、死んじゃうから・・・あ、私の名前はね、幽々子よ。西行寺幽々子」

存在しないものが死ぬなんてことはない。存在しないものが死ぬ、それは忘れさられたときだ。つまり俺はある意味不老不死だ。攻撃効かないし、病気にもならない、一体どういう体か!?たとえこいつの言うとおり死んでも未練なんかないしポックリ行けそうなので余裕ぶっこきかながら近づく

「あ、だ、だめよ・・・!」

「フヒヒ、人間ごときの能力で俺が死ぬわけないだろ。どんだけ自信過剰なんだ?」

「「(フヒヒ?)」」

そんとき廊下からドドドドドドっていう音がしてきた。誰かが来る音だなこれはタイミング的に考えて。誰だ?・・・あの魂魄さん(仮)か?

「お嬢様ぁっ!?ご無事でっ!?・・・あ、紫様いらっしゃっ・・・ああ!貴様先程の妖怪!!」


――人力『ローリング・ソバット』


「ぐお!!!!」

「「・・・・・」」

「悪は去った・・・・」

体が勝手に動いたが俺は知らない。お嬢様の目の前でぶちかましてしまったが・・・たぶんどうにかなる。そのお嬢様「あらあら」って笑ってるし













――ねぇどうして桜はすぐに散るの?


てめぇーで考えるなぼーず――
人力『フランケンシュタイナー』
文字通りフランケンシュタイナーをブチかます投げ技。両足で相手の頭を挟み自分の頭を振り子の錘のように使って後方に倒れこみ自らの脚力で相手の上半身を前のめりにさせ、頭をマットに強打させる技。よい子のみんなはマネしないでね!

人力『ローリング・ソバット』
もはや語るまい



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