6.教訓その一
ほどなく、思い出したように朱雀さんが切り出した。
「それはそうと、ハル! 私はす、す・すぱ・・すぱなんたらなどではない。
『千年王城』の朱雀だ」
腰に手を当てて主張する朱雀さん。
“スパッツ”って言えてねぇし。
「へー・・・よろしく。ところで、朱雀は家に帰らなくていいのかよ?
お母さん心配してんじゃねぇの?」
当然の質問だよな。
にしても『千年王城の』、って意味分からねぇ。
「私の住処はこの都だ。それに母とは何の事だ? わたしは南を司る四神の『朱雀』だぞ?」
……ん?!
はい。ありえねぇ自己紹介、キターーー!!
ど、どうつっこめばいいんでしょうか? どうってゆうか、どこを?
え〜と……取りあえず……
「人間じゃないの?」
「当たり前だろう」
朱雀さん、コクリと頷く。
俺、その場に固まる。
…………
そそそ、そんなバカなぁあああああ!!
春は変なやつが出てくるっていうけど、こいつはそんな可愛らしいもんじゃねぇ。
(ま、顔はかわいいけどさ)
この悪魔のようなスパッツ女――もとい朱雀さんは自分は人間じゃないって言い張るし。
……取りあえず、そこのところは触れないでおこう。
朱雀さんが俺に付きまとう理由が何なのかは分からない。
だが、分かったことが一つだけある!
それは――。
教訓その一【朱雀に逆らうべからず】
俺は間違いなく彼女に主導権を奪われた。
一体いつまで我が家に居座るつもりだ?
と、まぁこんな感じで俺の朝ははじまった。
そう、今はまだ朝。
1日が始まったばかりなんだよな……
なのに、何でこんなに疲れているんだろう、俺。(う、うぅ、ぐすっ |