37.『ドン・八郎』死す!
恐怖体験をしたあとの出来事。
*全然復活する気配の無い、干からびてミイラ状態の謙吾。
*謙吾のために、毎日朱雀の隠し撮りブロマイドをプレゼントする俺。
*プレゼント3日目には完全復活。
*サメを探しに隣町へ行ったはずのリョウは、なぜか日本海まで行っちゃったそうだ。
*この町に戻ってきた時、「クジラを見た」と満足げに語る。
*当初の目的から完全に逸脱しているが、あえて触れないでおく。
こんな感じで、ようやく落ち着いた俺の日常。
ある日の日曜日。
俺は朱雀のいないリビングで、ソファーに寝転びのんびりくつろいでいる。
「きゃははは〜♪」
「ふぁはははは!」
秋奈の部屋から大爆笑が聞こえるが、さすがに慣れたぜ。フッ。
俺はニヤリと笑みを浮かべながら、変わらずソファーで寝転ぶ。
「うむ。やはりわたしはこの三上がねっちょリマリモを隠していると思うのだ」
「あたしは、マリリンだと思ってた〜。そう言われると三上が怪しいかもぉ!」
・・・
「いやぁー! 死んじゃやだぁー! ドン・八郎ぉおおお〜」
「おのれぇ、ころ助めぇ!」
・・・
いやっ、やっぱさっきのウソです。
秋奈と朱雀の会話が気になります。
また出てきた『ねっちょりマリモ』がどうしても気になるっ・・・!
えっ、ドン・八郎死んじゃうの? ころ助が犯人?
俺はすでにのんびりどころではなくなっており、ソファーに座り直して両手で頭を抱えた。
俺の頭が変なのか、それともアホ秋奈とスパッツ女の頭が変なのか?
俺が一人苦悩していた時、
ピンポーン♪
誰かが訪問してきたようだ。
マンション友達の奥様方と買い物に出かけた母に代わって、俺が玄関に行くことに。
「フラミンゴ急便でーす、ハンコお願いしまーす」
俺の家に届いたのはかなりでかめの荷物。しかもクール便。
縦38センチ、横53センチ、高さ45センチの中型テレビが入るくらいのサイズ。
伝票を見ると、送って来た人物の名が・・・
『深海灘1丁目238番地 竜宮 乙』
なんじゃこのデタラメな住所はーーー?!
『乙』って、あの時のサメ美女か?!
俺は心の中で絶叫しつつ、冷静にダンボールのテープを破り、箱を開けた。
その瞬間、俺の背後に稲妻が走る。ドドーン、みたいな。
そこには冷凍保存された数々の魚介類(主に深海魚系)。
・・・これって、竜宮城の魚達が犠牲になったってことだろうか・・・
乙さんがこのダンボールに生贄を入れるところを想像してしまい、俺の背筋に冷や汗が流れた。
おっかねぇ・・・!
ダンボールを台所にそっと置き、後はこのグロテスクな魚が詰まった箱は母に任せることにした。
俺はひたすら晩飯にこの魚が出てこないことを祈る!!
秋奈と朱雀のアホみたいな笑い声を聞きながら、俺は堅く目を閉じたのであった・・・ |