千年王城(3/56)縦書き表示RDF


千年王城
作:黒雛 桜



3.無人の家で流れるドラマ主題歌の怪


 はぁ……疲れた……

 能天気家族に振り回されるわ、変なスパッツ女に会うわ。
 散々なんですが。

 やっと観光+記念撮影が終わり、新しい住まいへと車を走らせる親父。
 その車内で俺は、さっきの変なスパッツ女のことを考えていた。


 なんなんだよ、変な質問しやがって。
 それにあの格好。
 現代でさすがにアレはないだろ。
 俺の首に当てた鉄扇、絶対武器だって! 
 ……はぁ……東京に帰りたい。(もう俺ん家はないけどさ)


 頭を抱えてうなだれている俺を見た妹の秋奈が、一言。

「お兄ちゃん、無駄に考えるとハゲるよ?」

 ブチッ
 ……あぁ。ここが車の中じゃなかったらバックドロップかましてやるんだけどな。


 長かった道のりはやっと終わりを迎えるみたいだ。
 閑静な住宅街の細道を車で抜け、周囲の建物より頭が飛び出るマンション駐車場に車を停める。
 マンションやアパートが立ち並ぶ一角に、我が家がそびえ立っていた。
 11階立建ての高級マンションは夕日を背に赤く染まっている。


「なかなか立派だろう?」
 得意げに話す親父……いや、お父さん。見直しました!!

「あ、はるちゃん。引越し屋さんが運んでくれた荷物全部届いてるか、先に見て来てくれない?」
 前にも言ったが、母に嫌だのなんだのってのは効かないのだ!

「ちぇっ。わかったよ」
 俺 ってば、物わかりいいよなぁ。
 ――ってか、「はるちゃん」はやめろ。



 そんなわけで俺は一人、エレベーターに乗り、10階のボタンを押す。
 ぽちっとな。

 どんどんエレベーターが上ると、ガラス越しにはっきりと見える夕日。
 すげぇいい眺め!

9・10……チン!

 10階の通路を歩き、1001号室の前に立つ俺。
 やべぇ、ちょっとドキドキするな。
 ――ここが俺の新しい家かぁ。

ガチャッ

 戸を開けて中へ入るとすでに荷物は運ばれ、全部揃っているみたいだ。
 家具やダンボールが所せましに置いてある中、リビングでテレビの音が聞こえてきた。

 ……え? テレビ?


♪チャッチャ、チャチャチャ チャッチャ、チャチャチャチャーチャチャ チャチャーチャチャ〜

 首をかしげながら、そーっとリビングに近づくと、夕方の再放送ドラマの主題歌が流れている。

 やっぱりテレビの電源入ってる……!
 引越し屋のヤロウ、勝手にいじりやがったな!!

 腹立たしさを押さえてテレビの電源を切ろうと、勢いよくリビングのドアを開けた俺。


バンッ!!



 …………


 リビングで目にしたものは……

 ありえねぇ。


 

 さっきの変な(赤毛に金目、着物の下にスパッツ着用)女じゃねぇかーーーーー!!



「あぁ、少年。遅そすぎだぞ」


 『あぁ、少年。』じゃねぇよ!!何その俺が悪いみたいな言い方!
 いやいや、それよかなんで俺ん家にいんの?!
 何でドラマ見てんの?!

 ってゆうか……俺、どうつっこめばいいんだー?!


サブタイトル長くてすみません【汗











ケータイ表示 | 小説情報 | 小説評価/感想 | 縦書き表示 | TXTファイル | トラックバック(0) | 作者紹介ページ


小説の責任/著作権は特に記載のない場合は作者にあります。
作者の許可なく小説を無断転載することは法律で堅く禁じられています。




BACK | TOP | NEXT


小説家になろう