17.ミッション;インポッシブル
♪ キーン コーン
カーン コーン
「次体育か……無理だっ、眠いし体動かないし」
権兵衛さんのせいであの後は大変だった。
分散して逃げまどうネズミたちを捕まえるのに夜中までかかったんだよ!
「馬鹿者! 男子たるもの弱音を吐くなど女々しいぞ!」
休み時間に現れた朱雀。
お前に言われたかねぇよ!!
昨日、俺が気絶した後の出来事だ。(分からなかったら16に戻って確認ヨロシク)
●朱雀が俺の頬をひっぱたいて無理やり起こす。
●ネズミを捕まえるよう指図。
●俺はたった一人でミッション開始。
●うしろで見ていたはずの朱雀がいない。
●必死に戦っている俺をよそに、朱雀はテレビを見て爆笑中。
●もうやりたくねぇ、自分の部屋に帰ろう。
●そんな時「ピーン」と何かを感じる。
●それは殺気。
●もちろん、ネズミ捕り続行。
●深夜2時、無事ミッション終了。
「だめだっ、やっぱ俺帰って寝るわ」
鞄をむんず。と掴み、教室を出ようとしたとき、謙吾とリョウが自分達も帰ると言い出した。
みんなでサボればこわくない! ってことだ。
朱雀は学校に通う意味自体分かってないし、唯一の弱点を知ってるから言いくるめるのは簡単なんだよな。
「今はメンタル的にキツいんだよ、だから今日はもう帰ろうぜ、朱雀」
「め、メ、めん・タロ……? むぐ……それは……家に帰るのは当然のことだな」
朱雀が冷や汗をかきながらうなずく。
ぷっ。ざまぁみろ。
分かってねぇのバレバレですよ、朱雀さん!
「じゃぁ、みんなで帰ろう〜♪」
なぜか謙吾が一人はしゃぐ。
まぁ、謙吾はただ単に朱雀と一緒に帰れるから嬉しいんだろうけど。
帰り道、バス停までの距離を歩く俺と、朱雀と、謙吾と、リョウ。
「ねぇねぇ、スザクちゃんは誕生日いつ?」 謙吾、顔がニヤけてて変だぞ。
「誕生日? わたしにそんなものはない」 ためらいなくサクッと答えるね。
「世の中にはいつ・どこで生まれたのか分かんねぇ奴だっているさ」 一瞬止まりかけた会話をリョウがサラリとまとめる。ってゆうか、例えが重くね?
「ちぇっ。じゃぁ、ハルは?」 謙吾、俺はおまけ的扱いですか?
「俺? ……明日なんだよね」
言った後、謙吾とリョウは目を輝かせて言う。
明日、祝いにいくからと。
その言葉に心底嬉しくなって、自然と笑みがこぼれる……が。
次の瞬間、浮かべた笑みが苦いものへと変わっていく。
明日は俺の誕生日。
誕生日だからといって、毎年特別な事はしていない。
だが、今年は違う!
穏やかな誕生日になるとは思えねぇ……
なぜなら。
この迷惑スパッツ女、朱雀がいるから、だ!
……あぁ、嫌な予感がする――
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