僕はいじめられっこ。
普通の人よりちょっとどんくさいってことだけで…
毎日毎日、いじめっ子のストレス解消道具。
テレビでは連日いじめ自殺の報道がある。
みんな同じ気持ちなんだなと。
僕もどこかに自殺予告して自由になろうかと適当にHPを探していた。
そんな中ひとつのHPを見つけた
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【復讐の館】
目には目を、歯には歯を
やられたらやりかえせ
ハンムラビの下で
心弱き者でも集まれば怖いものはない。
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とりあえず内容を読んでみることにした。
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*いじめの恨み晴らします
まず当事者はハンムラビの会員になっていただきます。
その後いじめ内容といじめっ子を教えてください。
その内容により制裁日時を決定します。
ハンムラビの他の会員がその子に制裁を加えます。
当事者は制裁日時の指定日に必ず複数人と行動し
アリバイを作ってください。
コレで制裁は完了です。
あなたはその制裁の度合いにより他のハンムラビ会員の
制裁に加担する義務があります。
ハンムラビは持ちつ持たれつ…
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なるほど・・・
お金を払うわけでもなく
他の人にやってもらって
その他の人の恨みを自分が肩代わりする
いいシステムじゃないか
早速僕はハンムラビの会員登録済ませ
いじめ内容といじめっ子を掲示板に書いた。
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【いじめっ子】
上近信也
住所:○○市××町・・・
【内容】
・体育着をやぶられた
・目が合ったといって殴られた
・くさい虫だと言われて、殺虫剤をかけられた
・教科書に墨汁をかけられた
・コンパスで背中を刺された
制裁お願いします。
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とりあえずこのくらい書いてみた。
本当はもっといっぱいやられてるけど・・・
後いじめっ子は複数いるけどとりあえずリーダーだけで
様子を見ようかと思いその日は寝た。
次の日、書き込みに返事があった。
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お恨み晴らします。
○月×日△時に実行するので
その日はアリバイ作りのため誰かと
一緒に行動していてください。
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レスはやっ!
とりあえず期待が持てそうだ。
そしていつものように学校に行きいじめられて帰ってきたが
それも制裁日までの辛抱と思うとわくわくしてしょうがなかった。
そして制裁日当日友達数人とずっといっしょにいた。
ハンムラビのメンバーはどのような制裁を行ったのか?
考えただけでもわくわくしてしょうがなかった。
そして翌日・・・
学校の担任から「上近は事故にあったためしばらく休むことになった」との連絡があった。
僕は内心ざまーみろと思った。
心の中がすーっと晴れていく爽快感を覚え他のいじめっ子も同じ目に合わせてやろうかと思い早速帰って、掲示板にカキコしようと思いアクセスすると書き込みがあった。
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制裁完了しました。
いじめ内容に対し以下の制裁を実行しました。
・体育着をやぶられた
背中の皮を剥がし破った。
・目が合ったといって殴られた
目が合わないように片目をえぐった。
・くさい虫だと言われて、殺虫剤をかけられた
匂いをかげないように鼻穴を裂いて、殺虫剤を入れた。
・教科書に墨汁をかけられた
背中の皮を剥いだ後に墨汁をかけた。
・コンパスで背中を刺された
杭で背中を突き刺した。
実行メンバーは7人
よってあなたには7回ハンムラビの下において
制裁実行を依頼致します。
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ち・・・ちょっとまってくれ・・・!?
制裁ってこ、こ、ここまでするのか!!??!
コイツはやばい!
すぐに脱会しようと思い脱会手続のリンクをクリックした。
脱会手続には以下の内容が書いてあった。
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【脱会手続】
脱会は自由です。
ただし当ホームページは情報漏洩対策のため
脱会者には以下のことを実行します。
・五感(目、鼻、口、耳、手)を奪います。
・また記憶を消去するため、後頭部を強打します。
以上で脱会完了です。
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奪回手続きを見た僕は、ただただ恐怖しその日は一睡も出来ず翌朝を迎えた。
次の日、学校に行くといじめっ子は容態が急変し死んだということを担任に伝えられた。
当初事故として話がでたがやはり隠していたようで事件だと噂が広まっていった。学校が隠したのか警察が隠したのかはわからないが…
何日か過ぎ一通の手紙が届いた。制裁依頼の手紙だ。
会員登録するとき住所を記入する欄などなかったのに…
もうこちらの素性はつかまれているようだ。
内容はいたってシンプルであった。
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【制裁依頼】
○月×日△時
東京駅八重洲口集合
目印に左腕にバンダナを結ぶこと。
※依頼を拒否した場合強制脱会とします。
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最後の一文は脅迫なのだろうか?
どちらにせよ行かなければ自分がやられてしまう…
制裁日当日
覚悟を決め、東京駅に向かった。
東京駅に着き指定された場所へ向かった。
誰がいるかわからない。
特に目立った人がいるわけでもなく時間まで待った。
しばらくして一人の女性が近づいてきた
何もいわずに紙を差し出した
「あの…これは…?」
女性は冷たく
「私の役目はここまで、あとはその紙の指示通りに…」
僕は指示通りにある場所へ行った。
そこにはすでに何人いた。そしてしばらくして一台のワゴンが到着した。
そのワゴンの中からがんじがらめにされた男がでてきた。
どうやらコイツが制裁対象らしい。
なぜ自分がここに運ばれてきたかわからないというような顔をしている。それもそうだ、だれも面識がないからね。ただこれから何をされるかはなんとなく感じているようだ。
ワゴンの中から制裁器具らしきものが出され、各人に制裁内容が書かれた紙が渡された。
僕がもらった紙にはこう書かれていた。
『右耳をのこぎりで切り落とせ』
こうして制裁は始まった
髪をペンチで引き抜く…
ニッパーで爪を割る…
万力で指をつぶす…
バットで膝を逆に折る…
背中にナイフで「死ね」と刻む…
舌に針を通し唇と縫い合わせる…
皆淡々と制裁を行っている。
淡々というか薄ら笑いをしている。
狂ってる…
ふと気づくとみんな僕を見ている。
どうやら自分の番が来たようだ。
一人が無言でのこぎりが渡し制裁者に指を向けた。
はやくいけと言わんばかりに
制裁されているものは気絶しているのか半死状態なのかわからない状態だった。
メンバーの一人が制裁者の頭と耳を押さえてにやにやしている。
僕は心の中でこう思った。
こいつらは前はいじめられっ子だったんだ
それが仲間意識という後ろ盾を得て
いじめっ子側に立ったんだ
死を意識するまで追い詰められた分
反動が激しいのかもしれない
人はこうまで変わってしまうのか?
しばしためらっていると誰かがつぶやいた
「こいつハンムラビの仲間じゃない」
「たしかに・・・」
「ここでためらっているようでは裏切りかねないな・・・」
「強制脱会か・・・」
「強制脱会だ・・・」
やばい!これは非常にやばい!
逃げようと思った瞬間、メンバーに取り押さえられた。
するとワゴンの中から一人の女性がでてきた。
どうやらこの人がハンムラビを仕切っているようだ。
「あなたの行動は今後のメンバーの行動に支障をきたす恐れがあると判断しました。よってあなたを強制脱会させます」
「ちょっとまってくれよ!おれはなにもしてないよ!
助けてくれよ!俺だっていじめられてたんだ!
おまえらといっしょだよ!なんでだよ!」
女性が冷たく言った
「あなたは私たちといっしょでありません。
仲間というのは同じ境遇・思想をもった集まり。
いじめっ子集団も同じこと。
このハンムラビも同じ。
死を覚悟したいじめられっ子集団の集まり。
あなたは死の覚悟ができてないいじめっれっ子。
私たちからしてみればぬるい子。
そんな人は仲間ではありません。
人は何かに頼り、縋り生きていく
それが悪であろうと…」
話が終わるか終わらないかのうちに
麻酔薬を嗅がされ、僕は意識を失った…
そして僕は偽物の遺書と靴を一緒に置かれビルの上から突き落とされた。
次の日
僕はテレビのニュースに出ていた。
テレビのコメンテーターが無責任に言った。
「最近の子はすぐに自殺してしまう。死ぬ気があればなんだってできるだろうに!」
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