彼はあの空の向こうの遠い国へ行ってしまった。
でも、私は寂しくなんか、ありません。
あの黒い空の中で、白く、強く輝いているあの星は彼の笑顔に等しい。
あの青い空の下で光るあの青い海は、私の手を包み込んでくれる。それは彼の
暖かい大きな手に等しい。
あの原は彼との暖かい日々を思い出させてくれる。
あなたには、たくさんの事、教えてもらいましたね。
ザワッッッ……
風が大きなカーテンとなって…私にふわりと舞い落ちる。
楽しかったぜ!お前との時間!大切にしろよ。俺の貴重な時間、くれてやったんだから。
彼の声が、風の中から、ささやくように聞こえてきた。
はい。もちろん!あなたの貴重な時間、私、使わせてもらいましたから。
彼の声にこたえてしまう私。
ありがとう…ございました。
変わらない、いつもの素っ気無い日々に、少しだけ…夢……見させてもらいましたから……
何気ない、そんな言葉に安心したのか、スルリと、風が引いた。
大丈夫……お前なら!
そんな音を残して………………………・・
私には、皆がいますから。
自然と笑顔になった。彼の贈り物……………………
それは………………貴重な…思い出だったのかも、知れません。
END
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