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 *R15相応の表現が入ります。苦手な方はご注意下さい。
番外編
≪バレンタイン・スパークリング≫・3 *R15


「いいえ。お仕置きはさせて頂きます」
 『お仕置き拒否宣言』 をした紗月姫だが、神藤は頑として許さなかった。
「しっ、神藤っ?」
 もしかして、もしかしなくても彼は本気だ。
 流石にそれに気付いた紗月姫は、ちょっと焦りを見せ、神藤の傍から離れようとした。
 しかし、彼は素早く空いた腕を紗月姫の腰に回し、その動きを封じたのだ。

「バツとして、これは全部飲みましょうね」
 片手に持っていたペットボトルを、顔の横で軽く左右に振ってみせる。
 お仕置きなどと言うから、何かと思えばそんな事か。とも思うが、アレを全部飲むの? と紗月姫は少々辛い気持ちにもなる。
 しかし美春は「冷やして飲んでね」 と言っていた。もしかしたら冷たく冷やせば美味しいのかもしれない。
「せっかく美春様に頂いたのですから」
「あの、神藤? 今、じゃないわよね?」
「今ですよ?」
「えっ……」
 紗月姫の表情が固まる。せめて冷やしてから入浴後に、という事にすれば飲めるかもしれないが、今それを全て飲めと言うのは彼女にとって拷問に近い。

 紗月姫のおののいた様子に、神藤はにこっと笑うと、ボトルを大きくあおった。
 もしかしたら半分くらい飲んでくれるのかしら? そう思ってホッとした紗月姫は、ボトルの中身がどんどん減っていき、そのまま神藤がほとんどを飲み干してしまったのを見て目を瞠る。
「しっ、神藤……?」
 ボトルの中身がほとんどなくなると、そのボトルを足元に置いて、神藤は紗月姫の身体をきつく抱き締め、目を閉じる隙を与えないほどの速さで唇付けをした。
 唇全体を覆い、吸い付いてくる濃厚な唇付け。
 いつもならばその激しさにも酔えるのに、今日は酔えない。
 ……何故か……。

「んっ、んん~~~~っっ」
 紗月姫は慌てて両手の拳で神藤の胸を叩いた。
 ガッチリ抱き締められているので、もちろん身体も唇も離れないのだが、彼女は唇を離したかったのだ。
 ボトルのジュースをほとんど飲んだ神藤。しかし彼は液体の全てを喉の奥に通さないうちに紗月姫へ唇付け、口腔内に残る分を彼女の口の中へ流し込んできたのだ。
「ん~~っ、んっっ」
 ゆっくりではあるが、ぬるい炭酸が口腔内へ流れ込んでくる。ぬるさはもったりとした奇妙な甘さへと変わり、鼻から息を漏らすと、味と同じ匂いが鼻についた。
 流し込まれ飲み込もうとした液体は、その動作をすると少量ずつ重なった唇の横から溢れる。もちろん神藤は溢れ流れたそばからそれを舐め取った。

「神藤っ……、もぅっ、飲めな……」
 大きく息を吐きながら、紗月姫の口元から顎を舐め上げる神藤に哀願するが、彼は優しげな微笑を湛えたまま彼女を諭す。
「駄目ですよ。お仕置きです。全部飲みましょうね?」
「……神藤っ……、いやぁ……」
 紗月姫が両手で口を覆う。「もう一滴だって飲まないっ」 の姿勢だが、神藤は特に怒る事も無く彼女をひょいっといつものように抱き上げ、ほんの少し残ったボトルを持ってバスルームへと向かった。

「なっ、何?」
 紗月姫は戸惑いの声を上げる。
 確かに就寝前なので入浴はしたいが、こんな状態で連れて行かれるという事は「一緒に入ろう」 という事なのだろうか?
 ――嫌ではない。かえって紗月姫は嬉しい。


 神藤はバスルームへ入ると、入ってすぐの所にある広く大きな洗面台の上に紗月姫を座らせる。
 だが、ハッキリ言って座る所ではない。
「何? 神藤」
 不思議がる彼女に答えを出さぬまま、彼は彼女のスカートの中へ両手を入れ、素早くストッキングとショーツを下げ足先から落としてしまった。
「えっ? ちょっ……!」
 そして紗月姫が何かを口出しする前に、スカートを大きく捲り上げ膝を曲げて足を台の上に置かせたのだ。
「やっ、……やぁよっ、ちょっとっ」
 紗月姫は自分で自分の格好に驚いてしまい、思わず身体を固める。いきなりさせられた格好は下半身全てが露出し、それもその中央の秘めやかな部分までもが露にされて、あまりにも卑猥だ。
 神藤の言うところの「はしたない」 どころの話ではない。

「しっ、しんどうっっ!」
「はしたない」
「はっ、はしたないっって、こんな格好をさせているのはっ」
「私は貴女の唇にしか触れていないのですよ? なのに潤っているではないですか」
 紗月姫は恥ずかしさに口をつぐんだ。さっきの唇付けであまりにも感じてしまい、少々下半身に潤いを感じていたのは自分でも気付いていたからだ。
 紗月姫が恥ずかしがっている隙に、神藤はその部分へ指で刺激を与え始めた。
「あっ、やっ……!」
 思わず腰を引き、開かれた膝同士を合わせるが、足を着く位置自体は離れているので膝の下は開いたままだ。神藤が行っている行為には何の支障も無い。
 紗月姫は神藤の指の動きに腰をヒクつかせながら、耐える彼女を楽しそうに見ている神藤を睨み付けた。
「しっ……しんどうっっ! もぅっ、あきらっっ!!」
「はい? 何?」
 紗月姫が呼び方を変えると、神藤も途中から口調を変える。そして腕時計をチラッと見るとニコッと紗月姫に微笑みかけた。
「二十二時を回ったよ。もう〝お世話役〟の仕事は終わり」

 結婚するまでは〝お嬢様のお世話役〟という務めが残っている神藤。
 しかし、本来紗月姫の就寝時間である二十二時を過ぎた時点で、お世話役として一日の仕事は終わりという事にしている。
 もちろんその時間の後は、紗月姫の婚約者としての彼になるので、呼び方も「紗月姫」 「煌」 に変わるのだ。


 ……とはいえ、『お嬢様とお世話役』 の時間も、あまり変わらずベタベタしているのだが……。






*次回更新、2月8日。
 次回もR15で『LS』 になります。(*ノωノ)キャー


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