川に投げ捨てた原稿用紙はフヤフヤになって流れに飲みこまれた。
計54枚の原稿は僕の汗と血と涙と手垢やら黒鉛の結晶だった。
原稿を某テレビメディアに送ろうと、ポストへ出しに出かけた。
ポストまでと100メートル近づいた時、地元高校生が横のコンビニで数人が集まり話しているのを見た。たぶん知ったやつもあったと思う。
サケナクテハサケナクテハ
僕の思考が体を動かして川沿いの細道へと誘った。
僕は思った
「なんで避けなくてはならなかったんだろう? 自分だって高校生なのに」
と
僕は歩いているうちに道路に挟まれた哀れな川岸にいた。
川にはテトラポットのようなコンクリートの塊が水の流れを裂いていた。 そこへ僕は原稿を投げた。
お魚さんたちよかったら読んでね。僕が君を釣った時に感想を聞かしておくれ。
家に帰るともう原稿のことを忘れることができた。
思いだそうとすれば思いだせるし、忘れようと思ったら忘れられた。
僕の原稿はアヤフヤなものになったんだ。
いいんだ、あの原稿はこの土地への貢ぎ物ということにしておこう。
僕はまた、原稿用紙に筆を走らせるだろう。 カキカキ、1日のペースは五枚程度。
学校の授業中に構想を立てて家に帰り夜11時ぐらいにカキカキ。
目指せ100枚、血と涙と手垢を塗りたくりながら僕は書く。
カキカキ、カキカキ。そして、新人賞に応募だ。
僕の稚拙無謀原稿用紙シルクワームミサイルが頂上まで届くかどうか。
もしかしたらパトリオットに撃ち落とされるかもしれない。
でも、もしかしたら平和を望む神サマによって何かが起こるんじゃないかな。
僕は祈るしかないと思って、今夜も祈りつづけています。 |