多重人格お姉さんで遊ぼう。縦書き表示RDF


 短いです?
多重人格お姉さんで遊ぼう。
作:摩璃藻


 日曜日。

 僕は暇です。
 そんな時は、僕の家の前の家のお姉さん『で』遊ぶのが一番楽しいし、言っちゃ何ですが安上がりです。
 一人暮らしのお姉さん。今日もいるかなあ。
 僕はお姉さんの家のインターホンを押します。

 《ぴんぽーん♪》

 という音が普通なら鳴りますが、今日は

 《ナマいっぱーい!》

 でした。おそらく枝豆さんがやったんだと思います。『本体』が無駄に器用だとこういう事が出来るんですね。
 それからこの場合の「いっぱい」は、イントネーションの違いからコップ「一杯」という意味ではなく、沢山という意味の「いっぱい」です。
 お姉さんが出て来ました。

 「あ、こう君?」

 名前は畑中はたなか 小豆あずきさん、18歳です。
 長い黒髪の日本人形みたいな人です。

 あがらせてもらいました。
 お姉さんは紅茶を入れに行きました。僕は紅茶が嫌いだし、暇だし、面白くないしで悪戯を仕掛ける事にしました。

 こたつの上の林檎(丸々一個)をドアに挟みます。
 このままだと開いてしまうので、近くにあった『BLコミック 小学生〇辱りょうじょく』という本をつっかえ棒代わりにします。
 表紙は荒縄で縛られた可愛い男の子でした。
 多分豆乳さんの物でしょう。僕も危ないかもしれません。
 お姉さんが戻ってきました。

 「晃くっ!?」

 見事に当たってくれました。
 倒れそうな体は放置してお盆は一応こたつの上に置きました。
 僕もこたつに入りました。

 「…………ちょっと」

 多分これは大豆だいずさんです。高飛車オーラですから。

 「アンタ何してくれてるのよ! 私の頭に」

 鼻で笑います。

 「ああああああ!!」

 回し蹴りが飛んできました。プロボクサーでも失神するでしょう。
 僕はあいにくとプロボクサーよりも図太い神経を持っていたようで、ちゃんと避ける事が出来ました。
 しかし第2撃はちょっと大変なので、さっきの本を見せました。

 「………。晃君!」

 豆乳とうにゅうさんです。
 腐女子の人です。

 「晃君、今日はどうしたの?」

 僕は紅茶を啜りながら、通知表を見せました。

 「わー! 凄い凄い、オール5じゃない!」

 褒められるというのは悪い事ではないです。ちょっと嬉しいです。

 「そのご褒美っていっちゃあ何だけど……友達を紹介したいなあ? 可愛いもの好きな」

 じりじりと追い詰められます。せめてポケットのロープを隠してください。
 流石に『ショタ趣味のおにーさん』に可愛がられたくはないので、必殺兵器。

 にこー。

 「…………晃君可愛いねー」

 豆腐とうふさんです。大人なお姉さんです。

 「まったりしよっかー」

 豆腐さんが紅茶を啜り、倒れました。
 きっと枝豆えだまめさんが心の中からアルコールを入れたのでしょう。
 真っ赤な顔があっというまに元通り。

 「にゃはははは! おはよぉ晃君!」

 枝豆さん、お酒好きの人です。これでもシラフです。

 メイン人格は小豆さん。この人は多重人格なのです。

 最高に面白いです。
 勿論笑い事ではないですが。

 それでも今幸せならそれでいいかな、と。
 不幸せよりは幸せのほうがずっといいでしょう?
 僕は、わざわざこの幸せを壊す事はないと思うんです。
 僕が物心ついた時からの付き合いですし、本当の兄弟みたいな。
 言ったらどんな人格でも殴られますけど。
 今は、まだ、このままで…………。


 畑中小豆さん、豆乳さん、大豆さん、豆腐さん、枝豆さん。豆つながりです。
 他にはそら豆さん、黒豆さんなんかがいました。えんどう豆さんもいました。長いです。













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