挿絵表示切替ボタン
▼配色







▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる
しおりの位置情報を変更しました
エラーが発生しました

ブックマークしました。

設定

設定を保存しました
エラーが発生しました

カテゴリ

ブックマークへ

以下のブックマークを解除します。
よろしければ[解除]を押してください。

ブックマークを解除しました。

ブックマークする場合はログインしてください。

太陽と月と星屑

貴方は月で私は星屑

 貴方は月で私は星屑。
 勿論そんなことは分かっているんです。
 私は貴方を引き立てるために存在する、星にすらなれない星屑です。ちらちら瞬く為だけに生まれた存在です。
 それに、貴方には太陽という素敵な婚約者がいらっしゃいます。
 こんな懸想をしてはいけないって言われなくても知っています。身分違いで恥知らずな恋になります。
 でも私は、星屑の私は月の様な貴方に恋をしそうなのです。


 そもそもの契機(きっかけ)は貴方なのですよ。あの日、貴方があんなことをしなければ。私なんて気遣わなければよかったのです。
 一段と太陽の照り付けたあの日。そう、貴方の婚約者が荒れてらした日のことです。私は太陽に照らされて苦しんでおりました。強すぎるお力に、私は溶かされ始めていたのです。
 太陽は燦燦と輝いているものですから、近くにいらっしゃると私達星屑は目に見えなくなってしまいます。星屑なんてほぼ不要、ですから。あなたの目にも映らなくなるはずでした。それなのにあの日、貴方は私に声をかけてくださいました。申し訳なさそうに
「僕の婚約者がごめんね」
なんて。あれから私の胸はずっと高鳴っているのです。
「いえ、こちらこそ申し訳ありません。貴方様が詫びることではございませんから」
動揺した私がこう返せば
「君って謙虚なんだね。婚約者とは似ても似つかないよ。代わりに結婚したいぐらいだよ」
そんなお世辞を吐かれましたよね。
 一見軽いその言葉が、私には何故か重く聞こえて。そして、何だか嬉しくて恥ずかしい不思議な気分になってしまって。何も言えませんでしたね。私、貴方のことが好きみたいです。
 星屑が月に恋をしてもいいですか?


 最近、気付いたことがあるんです。
 貴方を見ていたら気が付いてしまったんです。
 貴方と貴方の婚約者のご関係について、閃いたんです。
 月と太陽ってどうして同時に輝かないんでしょうか。どうして仲良く並んでいないんでしょうか。
 答は簡単、仲がお悪いのではないでしょうか。
 貴方がたは勿論婚約者どうしです。でも、一緒に仲良く輝いているところを見たことがありません。太陽の下では青白い貴方しか見られません。月の貴方でさえ太陽に負けて霞んでしまわれるのでしょう。
 太陽の荒々しさには私も同感です。貴方には頑張ってほしいと願っています。だって、好きな人ですから。貴方の幸せそうな結婚式を間近で見たいですから。
 でも、やっぱり、恋をしてもいいですか?
 星屑でも月に恋をしたっていいですよね?


 どうしましょう。
 私は勘違いをしていたのですね。仲がお悪い訳ではなかったのですね。
 私、知ってしまいました。あなたの本当の姿を。貴方の抱えた秘密を聞いてしまいました。
 貴方は実は月ではないということ。闇を照らすことのできる存在ではないということ。そして、貴方は太陽に強制(おど)されて月を演じていた星であるということ。
 貴方も大変だったのですね。
 もしかして、私が好きになったのは「太陽に照らされた月」という存在だけだったのでしょうか。私はただの馬鹿な恥知らずなんでしょうか。
 ごめんなさい。


 貴方に伝えたいことがあります。
 私はやっぱりあなたが好きです。太陽に照らされない貴方にも、恋をしてしまいました。
 ただの星である貴方とそのまわりを飛びかう星屑の私。
 このくらいの身分違いは許されますか?

評価や感想は作者の原動力となります。
読了後の評価にご協力をお願いします。 ⇒評価システムについて

文法・文章評価


物語(ストーリー)評価
※評価するにはログインしてください。
― 感想を書く ―

1項目の入力から送信できます。
感想を書く場合の注意事項をご確認ください。

名前:

▼良い点
▼気になる点
▼一言
お薦めレビューを書く場合はログインしてください。
+注意+
特に記載なき場合、掲載されている小説はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている小説の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による小説の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この小説はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この小説はケータイ対応です。ケータイかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。
小説の読了時間は毎分500文字を読むと想定した場合の時間です。目安にして下さい。
↑ページトップへ