行きつけのバーを、まるで帰港先のないボロ船が、あちらこちらの港を漂うように呑み歩き、「前島」はその朝、西麻布の交差点で独り酔いどれていた。その少女は緑色の自転車にまたがり、「前島」の隣で信号待ちをしていた。ゆるくうねる亜麻色の髪が肩にかかり、ローライズのジーンズから、尾てい骨の真上のあたりに何かのタトゥが覗いていた。前島は少女と影絵のように型抜かれたタトゥーに恋をした。そして、二人の人生は思いもよらぬ方向へと導かれて行く。魔女の刻む時のリズムに乗って・・・
|
N1299D
|
33468文字(約67分)
|
通常小説[短編作品]
|
▽お知らせ▽ この小説[「四十九」沈倫うさぎ]は本格的な縦書きPDF形式でも小説を提供しています。
|
恋愛
ロマンス 文学 恋愛 ハードボイルド 年の差 実話系 OL/サラリーマン 大学生 魔法使い/魔女 現代(モダン)
|  この作品はパソコンで投稿されました。 |
年齢差 タトゥー バーテン 酒 夢
|
|
「五十二」―序章―やけに背の高いその男は、一月程前に始めて店に入ってきた。くたびれてはいるが、仕立ての良さそうなネイビーのカシミヤのジャケットに薄いピンクのデュエボットーネのシャツ、チャコールグレーのパンツ、薄い茶色のスリッポンは少し傷つき汚れていた。人生に見捨てられた男特有の |