挿絵表示切替ボタン
▼配色







▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる
ブックマークする場合はログインしてください。

深塩さまの好評な作品集

デブのままで良かった

作者:深塩さま
デブが人間としての意味を探し、死ぬ前にみつけた。彼は虐められるのに、最後に「デブのままでよかった」と言えるぐらい平気で居られた。が、残酷な結末である。
洋介は、体付きの細い男子である。友達の多い人であり、人と接触するのは多く、スポーツや、飲み会などによく顔を出す人間である。

「ねー、聞いた?」
「何?彼学校の女子のラインをほぼ知っているんだって」
「あなたも確か彼のライン持ってるでしょう」
「確かに交換したことあるが。。」
「ナンパがすごいみたいですね」

この通り、携帯を使う常識が突然普及したように、彼の顔が広い話がなんとなくクラスの女子の間でも話されているようになった。

彼は常に女子とラインを交換するほかに、イケメン男子ともよくおしゃべりなどしてきた。それにスポーツもよく一緒であった。そのことで、太りやすい体質でも体の形が細いという女子の憧れたありさまであった。

それで、彼は自分のための時間があまりないという説が、クラスメートの中で広がった。クラスメートからすれば、それはあくまでも推理であったが、本当はそうであったかもしれない。

家に戻り、彼はお風呂入り終わったら、また携帯を弄っていた。それは、また友達と話すためであった。ベッドに上がり、電気を消したが、横になっても目が覚めたまま、携帯からの光に目を向けながら、目が痛くなるまで友達と徹夜をしてしまっていた。

「ねぇねぇ、起きてる?」

男女問わず、とりあえず、深夜に起きている人さえいれば、彼の無駄話に付き合ってしまうことが多かった。徹夜で貧乏な親を助けていた人や、飲み会に出て、酔払ってしまった人などがよく彼に付き合ったのである。

ちなみに、ある日、彼は気づいたのである。あれは、彼が中二の冬のことであった。

「なんか変」
「学校の人たちはみな俺のこと無視してるみたい」

そう、本当にそのような事態に変わったのである。彼の友達でもあまり話したことのないラインで追加した人でも、いつの間にか、彼の裏で、彼を無視しようと考えた。それは彼がうるさく話が多すぎるからだけではなく、彼がどうしようもなかったただの無駄話をするからである。普段、自ら本を読んだりしないせいで、人への共感力やもっと内容の深い話が欠けている。

  今夜もラインで、皆に同じメッセージに送ってみたが、彼への返事はもはや来なくなった。彼は知らなかったのである。追加した人の間で、七割以上も彼にブロックを掛けたことを。それも、彼が持つラインの人が多すぎたため、一人一人を気にする暇さえなかったせいであった。

  その翌日、学校でも、彼はにやにや笑って人に近付けようとしたが、皆言い訳つけて、逃げたのである。忙しいとか、何かやらないととかを彼は何回も聞かされた。

  その日に持ってきたお弁当を、彼は一人ぼっちで食べてしまった。普段は人に分けて食べるから、自分があまり何も食べてないようになり、太りにくかったが、今日は違ったのである。帰宅で、彼は丸っこい腹で戻ってしまった。

  「ねぇ、お母さん、友達は皆私を無視しているの」
  「皆はそれぞれの悩みを抱えているから、ちょうど時間がないんじゃないかしら」
  「でも。。ラインで二日間も返事来なくて。。」
  「忙しかっただけかもね」

  お母さんもお父さんも同じ話しぶりで話していた。彼からすれば、それは他人の味方になったかのように聞こえた。しょうもなく、彼は部屋に戻り、一人で泣いていたのである。

  ちなみに、彼の机の上には、ある飴があり、それは普段みなに分けるが、今日は一人で食べてしまった。そして、次の日に家近くにあった駄菓子屋で、またたくさん買い込んだのである。

  「飴は美味しい。食事は美味しい」

  その日に彼は他人に話を掛けなかった。それは、彼が飴と食事に夢中になったからである。友達から話さなくなった三日間、彼は、2キロの体重を増した。鏡を見ることの少ない彼は、それを、気づかなかった。

  「友達などいらない。甘い物や食事さえあれば、満足。これから友達を全部捨てる」

  そんな虐められたかのようなセリフを口に出し、彼は携帯のロックを解除し、ラインのアプリを開いた。皆から一人も返信が来なかったまま、彼は一々ラインで追加した人の連絡を消してしまった。

  友達からすれば、暫時的な説教みたいな虐め方だが、彼からすれば、世界がまるで180度の転換をしたかのように、地球の南半球と北半球が位置を変わったかのように、友達の行動からはそれほど大きいショックを受けたのである。

  普段スポーツは友達がいなければつまらないと思い、バドミントン、バスケットボール、卓球、サッカーなど、人とつながりやすいスポーツがすきだが、ランニングなど一人でもやれるスポーツなら、彼は友達と話しながらやっていたのである。でもそれがなければ、彼はスポーツなどに興味をもつことができなかった。

  友達と話さなくなった一か月、彼はすごく太くなった。二重顎も派手に垂れている。ひきこもったせいで、友達と普段行っていた美容院なども行かなくなって、髪の毛がショットカットの女性と対等になった。ある日友達が、自発的に洋介に話しかけた。

  「ねぇ、前に無視してごめん。悪く思わないでくれ」
  「君たちが悪い。悪い人とは話したくない」
  「そういうなって。また一緒にあの美容院にいこうよ。運動も一緒にしようぜ」
  「いらない。私にはもう飴と食べ物があるの。友達なんて時間の無駄だけだ」
  「いや、本当にそう極端にならなくても。。」
  「どけ。今外で弁当を食べにいくから。君と話すと昼休み終わっちゃう」

  彼と仲が良かった友達でも、彼を取り戻しのつかない展開に落としてしまった。彼は頑固になり、彼を無視して学校の皆を無視することになった。

ところが、彼がデブになる前、実は彼を好きになった女性もいた。そのクラスメートは、彼とラインを交換していなかったが、現実で話すことがあった。それも片思いで、彼に伝わらなかったものである。

彼女は彼を見てきた。彼が弁当などを人に分けることに優しさを感じた。が、そんな彼女は、女性であるせいで、自発的に攻めるタイプではなかった。秘密のまま、彼に知られなかったわけである。今間で、彼女はそのことを心のどこかにしまっていた。

人の流れに従い、彼を無視することが彼のためだと友達に説得され、そのせいで、彼に冷たい女だと勘違いされた。大衆の流れに従ったことに、彼女は後悔した。そんな彼女は、ある日、勇気をもって、彼に話しかけてみた。結果、彼女は、彼に酷く言われじまいであった。彼の前で泣きだしたが、彼は、すでに心を閉ざしていた。

「本当に、ごめんなさい、皆に説得され、大数だから従うべきじゃなかったのね」

最後のセリフを言って、彼女は中途半端で逃げていった。彼は本来、涙に弱くなかった。が、そこで彼は少しだけ動揺した。

「その程度の涙じゃ、俺には効かない。嘘つきばかり」

そのふうに、彼は自らの心を説得し、心を尚更閉ざしていた。人によく言われても反省しないままであった。ちなみに、ある日、彼は体に異常があるのに気付いた。心臓など内臓のところどころに痛みをたまたま感じた。それは、一年経ってからであった。

ある日、運動大会で、走っている彼は、いきなり倒れた。病院に運ばれ、心臓が弱いと医者に言われた。目覚めの時に、医者、親、友達が皆かれの傍にいた。医者によると、彼は別の病気も沢山あった。糖尿病もその一つであった。

「中学生なのに、こんなに若くて病気が多いなんて。不思議」
「私は私のままえでいい」

ちなみに、彼は、命は長くなかった。医者によると一か月ぐらいであった。その一か月、彼は、学校に行かなくなり、病院に治療を受けたままである。しかし、それでも治らないということであった。

デブになる前の彼は、よく友達と話したのはそれは友達依存症であったが、それも生まれつきの性格によるものであった。ものに執着しすぎるようになり、一度やり始めたら、止められなくなるという性格を持つ普通の人間であるが、心理学者がそれを依存症と呼んだらしく、彼はそのようなタグを付けられた。

死ぬ前に、彼は友達と多く話した。すでに動けなくなった病人である彼は、友達にしつこく話しかけられたからである。結局、彼は食べ物への執着だけを語った。ものの味など詳しくなった。友達も彼以上食べ物の味を知る人間はこの世にはもはやいないと勘違いするほど、彼の食べ物に関する知識に驚いた。が、彼は、既に人と話す衝動に駆けられていなかった。

「もはや、僕には食べ物という癒しものがあって、心の穴も埋めたし、友達などいなくても」

彼は最後にことばを残し、病院でこの世を去った。

新人作なので、よろしくお願いします!頭が豆腐だから、たたかないでね。

評価や感想は作者の原動力となります。
読了後の評価にご協力をお願いします。 ⇒評価システムについて

文法・文章評価


物語(ストーリー)評価
※評価するにはログインしてください。
感想を書く場合はログインしてください。
お薦めレビューを書く場合はログインしてください。
+注意+
特に記載なき場合、掲載されている小説はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている小説の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による小説の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この小説はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この小説はケータイ対応です。ケータイかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。
小説の読了時間は毎分500文字を読むと想定した場合の時間です。目安にして下さい。
↑ページトップへ