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学校1のゲーマーと学校1の天才が迷い混んだ生き残るためには勉強が必要な世界 作者:サブローム狼

第3章 この世界よりも異常気象がひどい世界

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第26話 再テスト

「いやー。遂にバイトも終了ですかね」

街に帰る途中、モルが話しかけてくる。あ、そうそうポトゾルを背負って帰るの思ったより疲れたから、今はメイラに持たせてる。

「まあな。見とけよ僕の実力を」

僕は意気揚々と、学校に向かった。
学校では既にすべての講座が終わっており、人の影もまばらだった。もっとも、生徒の数自体減っているのだが。
いつもの講座を受ける教室にはいる。そこにはテストの教官が立っていた。彼に自分のステータスカードを見せる。そこには最終レベルアップ時刻が書いてあるのだ。
教官はひとつうなずくと、ひとつの席に案内した。そして、ひとつ咳払いすると、テストを僕の目の前においた。さあ、勝負の時だ! 僕は開始の合図と共に、問題用紙を勢いよく表に返した!



―――――――――

「モル。セツナはどうなると思う?」

セツナがテストを受けると言うので、メイラとモルは、病院にポトゾルを預けると、自宅に戻っていた。工事や掃除も終わり、この屋敷もしっかりと使えるようになったのだ。

「まあ。さほど変わらないんじゃないんですか」

モルは家に届いていた雑誌を読みながらメイラの質問に返事をする。

「そうよね。多分変わらないわよね」

そう言ってメイラは立ち上がると、風呂場に向かっていった。
一人部屋に残されたモル。特に何をするわけでもなく、ただ、ぼーっとする。何か面白いこと無いかなーとか思いながら。危険なことはごめんだけど。

しばらくするとメイラが風呂から上がってきた。頭にタオルを被せている。

「お風呂空いたわよ。どうせセツナは5時間くらい帰ってこないし、今のうちに入っとけば?」

メイラがキッチンの方に向かいながら言う。そして、メイラは冷蔵庫からウーロン茶を取り出すとコップについで飲み始めた。

「そうですね。入ってきます」

そう言ってモルは風呂場に向かう。正直いって、風呂に入るのはめんどくさい。年頃の女の子だからっていう理由でまあ、なんとなしに入ってるけど。そもそも盗賊団に入っていたときは、風呂に入る機会なんてなかなかなかったし。

――――――――

僕は意気揚々と自宅へ向かった。テストの出来がよかったのだ。これでバイトともお別れ。もうモルにバカにされなくてすむ。そう思いながら玄関の扉を開けた。

「ただいま」

そう言いながらリビングの方へ向かう。すると、メイラが雑誌を読んでいた。

「あら。おかえり」

メイラはこちらに気づくとひとつ挨拶をして、また雑誌に目を戻した。

「ん? あれ。モルは?」

「モルなら風呂に入ってるわよ」

「あー。なるほど」

僕はメイラの隣のソファに座ると、バッグの荷物を整理し始めた。今日の冒険で雑に扱ったものもあるからきれいに整備しとかないと。
自分のバッグを漁る。といっても残っているのは食べ物のごみくらいのもんだけど。
そのとき突然へやの明かりが消えた。一気に闇のなかに飲まれたようだった。

「何だ?」

「停電かしら? ちょっと待って」

そう言いながらメイラはカーテンを開け、外を見る。

「うーん。他の家の電気はついてるみたいね。ブレーカーが落ちたのかしら」

ブレーカーか。あれ? この建物のブレーカーってどこにあるんだ?

「なあ。ブレーカーってどこにあるんだ?」

「え? 知らないわよ。中心とかに有るんじゃないかしら」

そう言ったので、僕とメイラはひたすらブレーカー探しをし始める。しかし、ブレーカーなど見つからない。

「うーん。これは明日に電気会社に来てもらうかな。この世界の電気と水道の発達て何だか雑なんだよなぁ」

「まあ、電気や水のスキルさえ使えればなんとかなるしね」

「確かにそうだな」

僕がそう言うと、メイラはじゃあそろそろ休みましょう。みたいな雰囲気で、部屋に戻る。僕も電気がつかないんじゃ、やることもないため自分の部屋に戻って寝ることにした。布団にもぐる。今は夏だし正直いって扇風機をつけられないのは痛いところだが……。まあ扇風機なんて無いんですけどねー。
……しかし、何か忘れているような……。しかし、考えるよりも寝る方がいいと体が判断したのか、急激な眠気に襲われた。僕はどうしようもないので布団にはいって寝ることにした。

次の日、リビングに行くとモルがソファの上で寝ていた。しかし、何だかモルの顔が赤い。モルのおでこを触ってみる。うん。熱いな。
すると、モルが目を覚ました。

「あ。セツナさん……おはようございます……」

「お前。風邪引いたのか?」

「まあ。流石に6時間以上水に浸かっていると、風邪を引くのも当たり前でしょうね」

「ろく!?」

何だよ6って。ってまさか……。

「停電したとき流石に動けませんでした。だから明るくなるまで待ってたんですけど……流石に地獄でした。まるで拷問を受けているかのような」

「何で助けを呼ばなかったんだ?」

すると、モルはその質問に少し恥ずかしそうに答えた。

「だって……呼ぶと私の、は、裸見られちゃうじゃないですか」

「別に停電だから見えないと思うけど」

「そ、それに、私は暗闇では何かに捕まってないと動けないですし、特に水に浸かっていると、何だか嫌な感じがして1歩も動けないんですよ。そ、そうなると、わ、私を持ち運ぶってことじゃないですか……」

モルの顔がよりいっそう赤くなる。

「……そもそも僕じゃなくてメイラに行かせるけど」

「……」

しばらくお互いに沈黙したあと、モルが少し目をそらした。そして。

「うわぁぁぁぁぁ!」

モルが避けんだ! ちょっ。風邪なのに無理するなよ。そのままモルはソファに倒れこむ。ああ。やっちゃた。

「大人しくしとけよ。無理するなよ」

ふと見ると近くに毛布が落ちていたので、それをかけておく。本当は今日やりたいことがあったんだけど、それはモルが復活してからだな。今日は適当に街でも歩いとくかな。
そう思い、玄関のドアを開ける。玄関を見ると靴が1つしか無かったので、メイラは既にどこかに行ったのだろう。本当はモルを看病するのがいいんだろうが、どうせモルはそんなことは望んでないだろう。幸い、ただの風邪であるようなので、家で安静にしていればすぐに良くなるだろう。
しばらく歩くと2人の男女に出会った。

「あれ? セツナさんだよね?」

女の子の方が話しかけてくる。

「ああ。パスカルか。アボと2人で何してるんだ?」

パスカルとアボガドロに出会う。2人で歩いているなんて珍しい。一体何をしているのか疑問に思った。

「いや。ちょっとボルトのお見舞いにね」

ああ。そういえばボルトはまだ入院してたんだな。オームは結構早い段階で退院できたけど、ボルトは思ったより電撃を使いすぎて、なかなか体力が戻らないらしい。

「どうだ? ボルトは?」

「まだあんまり良くないみたい。体力もだけど、それ以上に精神の方がやられちゃってるみたい。体力が戻れば戻るほど心が病んでいっちゃってて」

「なるほどな」

まあ、あんなことを目の前で見せられたんだ。モルはなんとか回復しているけど、時々夜とかに暗い顔をしてるもんな。

「それで、最近は何をするか分からないから面会も謝絶されてるの。そっちの方が気が病むと思うけどね」

「時間が解決するって訳でもないのか」

その質問にパスカルが首を横に振った。それ以上は話す気にもなれずに、パスカルは別の話題を振った。

「そういえばさ、今日モルは?」

パスカルがそんなことを尋ねてくる。大体僕とモルは一緒にいるし、今、モルが居ないことに違和感を覚えるのだろう。

「モルなら風邪引いて家で休んでるよ」

すると、その言葉に質問してきたパスカルではなくアボガドロが先に反応した。

「何だって!? モルさんが風邪を!? こうしてはいられない! すみません、パスカルさん。僕はちょっとモルのお見舞いに行ってきますので、ボルトの方はよろしくお願いします!」

そう言うとアボガドロは1人で家の方へ向かっていった。それもスキルを使いながら。

「凄いな」

「そうね」

パスカルが少しつまらなそうな顔をしている。しかしすぐに振り替えってこちらを見ると、ひとつ提案をしてくる。

「ねえ。どうせすることないんだったら、一緒にお見舞いに行かない?」

「いいよ」

別に断る理由もない。やることがなかったのだから。それにポトゾルの様子も見に行きたいしな。このまちに病院って1つしかないし、ポトゾルとボルトが入院しているのは当然同じだったはずだ。
こうして2人で病院に向かった。

病院ではやはり、ボルトには会えなかった。変わりに僕たちはポトゾルの病室に向かった。この病院の3階だ。パスカルと一緒にポトゾルのへやの前に行く。そして扉をゆっくり開けた。
開けた先に居たのはポトゾル……よりも先にメイラに目がいった。メイラがポトゾルのためにリンゴの皮を剥いていたのだ。

「あれ? メイラ?」

「セツナじゃない。あなたも来たの。あれ? そっちの子は?」

そう言いながらリンゴを持った手で、パスカルを指差す。

「ああ、この子は僕の学校の友達でモルの同級生のパスカルだよ」

「パスカルです。よろしくお願いします」

そう言ってメイラにお辞儀する。うん。メイラには敬語なんだな。……何で僕は……。

「そう。いらっしゃい。リンゴ食べる?」

「あ、頂きます」

そう言うとパスカルはメイラの方へ向かっていった。そしてメイラの近くに椅子を置き、そこに座った。
女子3人で談笑している。何だか僕は蚊帳の外だ。あの輪の中に混ざろうか、混ざるまいかと考えていると、廊下の方からなにか女の人の声が聞こえてきた。

「ちょっと! 君! 入室許可証は持ってるの!?」

「……」

「何とか返事をしなさいよ!」

「うるさいな……」

そう女の人が話しかけているであろう相手の男は一言言うと、何かが倒れる音がした。そして、そのままその人の足音はこちらに向かってきている。談笑をしていた3人も何か異変に気がついたようだ。

「ここか」

そう言うと一人の男が入ってきた。その細身の男はなにかわからない威圧を放っていた。
こいつは前に出会ったことがある。そう。あれはイゼンとミゼンと戦ったときに最後に見た――

「メイレイだ。久しぶりだな」

そう言うとメイレイはこちらに向かって歩いてきた。

「な、何だ……。遂に殺し合う気になったのか?」

するとメイレイはゆっくりと首を横に振った。そして、ポケットから一切れの紙を取り出すと、ゆっくりと話しかけてきた。

「いや、殺し合うのは次だな。と、言ってもすぐに来ると思うがな」

そう言うとその紙切れを渡してきた。紙切れを開くと中には地図が入ってきた。

「カカリ様がお前たちをアジトに招待するそうだ。おっと、君たちに拒否権はないぞ。拒否するとこうなる」

そう言うとメイレイはなにか呟いた。そして、次の瞬間外の遠くの方で爆音がした。窓から見るとその音のする方から黒い煙が出ていた。

「おまえ……!」

「心配するな。何もない空き地だ。ただ、あの規模の爆弾をこのまちに30ほど置いてきた。来なければ分かるよな」

そう言うとメイレイは消え去っていった。
廊下に出てみてもその人の姿はなかった。しかしそれよりも廊下に倒れている一人のナースを発見した。しかし彼女は気絶していただけで命に別状はないという。

「行くしかないみたいね」

後ろでメイラが言う。

「僕も行きますよぉ」

ポトゾルも病室のベッドから起き上がり、拳を掲げて、強く言う。

「ウチも行くわ」

パスカルも返事をする。本当は皆にはあまりいってほしくない。危ない目にはあってほしくない。でも……。やっぱり一番いいのは。

「皆……。ああ! 一緒にいこう! そして、終わらせよう! モルが、このまちが、人々が安全に暮らせるように!」

こうして僕たちはそれぞれの準備をするために病室を後にした!
















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