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学校1のゲーマーと学校1の天才が迷い混んだ生き残るためには勉強が必要な世界 作者:サブローム狼

第3章 この世界よりも異常気象がひどい世界

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第25話 レンタイ

「ふむ。こんなところでいいでしょう」

そう言ってレンタイが振り返る。小屋から200mくらい離れたところだ。辺りに目立ったものはなく、広々としていた。

「お前は何が目的なんだ?」

僕が尋ねる。するとレンタイは不思議そうな顔をして答える。

「何を今更。モルを返してほしいだけですよ」

「じゃあ何でここまで連れてきた!」

その言葉にレンタイは驚いたように答える。

「何でって。あなた人が寝ている近くで戦う気ですか? 鬼なんですか? 馬鹿なんですか?」

その言葉で、ポトゾルのことを思い出す。

「なるほど。ここで僕たちと戦うってことだな」

するとレンタイは笑った。そしてこちらに手を向け、掌を開いた。

「ふふふ。戦ったら、ただじゃすみませんものね。やはりお互い大事なものに傷がつくのは避けたい」

お互い? それってどういうことだ?

「さて、おしゃべりはここまでのようですね。そろそろ行かせてもらうとしますかね!」

そう言うと、レンタイは力をため始めた。体じゅうから血管が浮き出しているのが見てとれた。しかし、その顔にはうっすらと笑みを浮かべていた。
すると、その体制のままレンタイが声をかけてくる。

「そういえば、私に挑んでくるって言うことは、勝つ自信が有るってことですよね」

「断言しよう。ある!」

それもそのはず、既に相手のステータスは確認した。

『レンタイ』

国語 212
数学 168
英語 123
社会 198
理科 192

もちろん、このまま戦っても勝てる見込みはほぼない。ただ、こっちにはチート級のスキルを持っているモルさんが居るんだよ!

「さあ! モル! やってしまえ!」

そう言ってモルに指示を出す。しかしモルは動かない。

「あれ? あのー。モルさん?」

すると、モルはこっちを見て少し照れくさそうに、

「解除しちゃいました。テヘッ」

衝撃の一言を放った。

「え? 解除したってどゆこと」

「そのままの意味ですよ。コバルト=ドラゴンと戦うときにメイラの攻撃力をコピーしたじゃないですか。そのあと暗くなったときに、ちょっとパニクっちゃって、何だかそのコピーを解除したみたいなんですよね」

「……えーと。それは……」

「私の攻撃力はいつも通り。それどころかSPも0ですね」

何だって。つまりこのくそみたいなステータスの僕と、僕よりは上だけどそこまで高いとも言えないモルであの相手をしなければならないのか?
うん。 負けたかもしれない。

「あー、君たち何か勘違いしてるかもしれませんけど、戦うのは私ではないですよ」

そう言うと、レンタイは力をためるのを解除した。

「私ではない? どう言うことだ」

「それは見ればわかりますよ」

そう言うとレンタイは何やら紙切れのようなものをポケットから取り出した。そしてそれを腕に張り付けた。

「はぁぁぁぁぁぁ!」

するとレンタイの手から、何やら光の粒が出ていった。いくつもいくつも出ていく。そして、しばらくするとその粒の動きが止まった。

「出てきなさい! 我がモンスターよ!」

すると次の瞬間、その光の粒は50cmくらいのダンゴムシのような生物に変身した。

「な、なんだこれは……」

「私も見たことがありません」

そこ言葉に、レンタイは説明するかのように言葉を言った。

「そのモンスターの名前はボムシ。その名のとおり、ダメージを受けると爆発します。そいつを爆発させずに倒すには、一撃で仕留めないといけませんよ。 だけど、そいつの殼はメテラス鉱石ほど堅い。そう簡単には殺せませんよ!」

すると次の瞬間何かがつぶれる音がした。その方を見るとメイラがボムシを殴っていた。

「えっ。お前モンスターを……て言うか素手で!?」

「別に私はモンスターを攻撃できない訳じゃないもの。ただ攻撃して喧嘩になるのが嫌なの。こっちから攻撃して反撃されたら嫌でしょ。まあ、向こうから攻撃してきてそれに反撃するのも嫌だけど」

あっ。なるほどそうか。そういえばこいつモルとレベル上げしたときに普通にモンスターを殺してたな。

「それに特に虫とかなら大丈夫よ。近くに居るしね」

そうか、蚊とかも普通に居るもんな。それを全く殺さないってこともできないだろう。

「でっかい、貧乳好きの虫が」

えっ。

「あの? それって僕のことかな? 僕が虫? ねえ! 虫? 虫なの? 無視なの?」

僕の言葉が聞こえない振りをしてメイラは声を上げる。

「だからこの虫は私に任せてセツナたちはあのレンタイってやつをお願い」

そう言われたので、僕はレンタイの方を向く。

「あれ?」

しかしそこにレンタイの姿はなかった。足跡はあるのだがどこに行ったのかはわからない。いつ消えたのかも分からない。そんなことを思いながらメイラの方を向く。するとメイラのパンチをかすり、こちらに向かってきているボムシを見つけた。

……これまずいんじゃね。

しかししばらくするとその虫の動きが止まった。そして、光だしたかと思うと何やら言葉が聞こえてきた。

『これより爆発モードに移行します。行動エネルギーをすべて爆発エネルギーに変化させます。1』

そして、次の瞬間、ボムシは爆発した。爆竹くらいの大きさで。

「えーと。これはどう言うことだ」

「爆発すると言っても規模はたいして大きくないみたいですね。これなら片っ端から殴っていった方が早い気がします」

こうして僕たちは片っ端から殴っていった。そして、しばらくするとボムシ爆発した。

「終わったな」

「終わったわね」

「終わりましたね」

一体なんだったんだ? ただ、メテラス鉱石くらい堅いだけあって、手は腫れてしまった。まあ、それ以上の収穫があったからいいけど。

「レベルが4も上がったぞ!」

「私も4上がったわよ」

「私は2でした」

…あれ? こいつ経験値効率が良いのかな?そんなことを思っていると急にポケットが光りだした。ポケットからカードを取り出すとそれが光っていることに気づいた。

「あ、セツナさん。スキルを覚えたみたいですね。そのカードを親指でタッチしてみてください」

「ん? こうか?」

言われた通りにやってみる。すると、カードは光らなくなった。

「これで覚えたはずです。カードの裏側を見てみてください。スキルがわかりますよ」

ほう。これで僕もモルやパスカルみたいなスキルが使えるってことか。そう思いながら、カードの裏側を見る。

『整頓』

……なにこれ?

「どんなスキルを覚えたんですか?」

モルがカードを覗きこんでくる。

「整頓……。えーと。これはバイトらしいスキルですねっ!」

そう言いながらモルはうつむいた。よく見ると肩が震えている。こいつ笑ってやがるな。

「私はアンチファイアってのを覚えたみたい」

「アンチファイアですか。 それはですね炎属性の攻撃を無効化するスキルですね。無効化っていっても、完全にシャットアウトできるかは、使う本人と使われる人の魔力の合計によるんですけどね」

モルはメイラのスキルの説明をしている。
そして、しばらくすると2人はこっちを向いて一言声をかけた。

「そろそろ帰りましょう」

「ん。 そうだな」

こうして僕たちは小屋によってポトゾルを背負うと、あのいつもの街へ向かった。



――――――

「おかえりなさい。レンタイ」

そう言ってムスビが出迎える。

「ええ。帰りました」

レンタイはムスビに袋を渡す。袋には米と、塩が入っていた。

「随分遅かったようですね。何をしていたんですか」

「ん? ちょっとですね」

「見たところ、私があげたSP貯蔵符も無くなっているようですし……。まあ、面白いことをしてくれたことは確かでしょうね」

「まあ、色々してみましたけど、これが面白い結果になるかどうかはわかりませんよ」

「いいえ。必ず面白い結果になります。というかします。あとはこっちでなんとかなりますからね。ヒッヒッ。さあ、一緒におにぎりでも食べましょう」

「そうですね。いただきます」

ムスビとレンタイはそのままどこかへ消えてしまった。





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