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学校1のゲーマーと学校1の天才が迷い混んだ生き残るためには勉強が必要な世界 作者:サブローム狼

第3章 この世界よりも異常気象がひどい世界

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第21話 栄養不足の少女 1

「だ、大丈夫か?」

ポトゾルに駆け寄りながら、様子をうかがう。見ると、部屋の中で見たよりも、色が白くなっているような気がする。僕は急いでポトゾルを担ぐと、小屋に戻った。
ポトゾルをストーブの前に置いた。今度はすぐに目を覚ました。そして、辺りを見渡すと、一言。

「お腹が空きましたぁ」

……え!?

「すみませぇん。何か食べ物を頂けませんかぁ」

……えーと……。これはどうしたらいいのかな。もう食べ物残って無いんだけどなぁ。
どうしようとモルに相談してみると、モルはお金を持っているらしい。仕方がないので、そのお金で何か近くの村まで食べ物を買ってくることにする。
買ってくる担当はもちろんメイラだった。不平不満を言っていたが、メイラが一番速いし、力持ちなので、と理由を伝えると、しょうがないわね、といいながら小屋を駆け出していった。
残された僕たちは暇なので、もう少しポトゾルについて色々と聞いてみた。

「なあ、さっき頼まれたって言ってたが、誰に頼まれたんだ?」

すると、ポトゾルは俯いてそっと答えた。

「僕たちの村の……村長ですぅ」

「へぇ。村長か。何でまた君みたいなまだ子どものような人を?」

「そ、それは……」

さらに俯いて答えづらそうにしている。もう聞くのを止めようかな、と思ったとき、小屋の扉が勢いよく空いた。

「ただいま!」

見るとメイラが植物の皮を編んで作った鞄をもって立っている。

「買ってきたわよ」

……速くない? 村まで1kmくらいあったよね。買い物する時間とか考えてみると早すぎる気がする。

「ま、いいや。ほらどうぞ」

そう言って僕はポトゾルにメイラが買ってきた食材を渡した。ポトゾルはそれを勢いよくかぶり付くと、体の中に栄養を溜め込み始めた。
僕はポトゾルに向かって1つの提案をした。

「まあ、ここで出会ったのも何かの縁だ。とりあえずこの異常気象の解明まで手を組まないか? どうだ? 悪い話ではないだろう」

するとポトゾルは少し食べるのをやめて、

「うー。 そうですねぇ。よろしくお願いしますぅ」

と、一言言って再び食べ始めた。
ポトゾルが食べ物を食べている間とても暇だったので、とりあえず遠くまでは行かずに、小屋の周りを探索してみることにした。
モルとメイラも誘ったのだが、モルは自分の剣を磨いていたし、メイラは少し休みたいと言ってストーブの前に寝転んだので、僕一人でいくことにした。
小屋の外に出ると、さっきまでいい天気だったのに何だか空が暗くなっている。この先また雪でも降るのだろうかと思いながら辺りを歩き回る。僕たちが来る前によった村はここから南にあるので、少し北に向かって歩いてみることにした。
しばらく歩いていると、大きな山にぶつかった。そびえ立つ山は何人も通さぬと、言わんばかりに切り立っていた。

「モルが居ると『ポトゾルの胸みたいですね』とか言いそうだなぁ」

そんなことになったまたけんかが起こって、最終的に僕が被害を受けるんだろうなぁと思いながら山に沿って西に歩いた。すると何やら洞窟がある。奥は何も見えず真っ暗だった。しかしよく耳をすますと何やら鼻息のような音が聞こえてくる。奥に何か巨大な生き物が居る証拠だ。
流石に一人で突っ込むわけにもいかないので、一旦小屋に戻ることにした。

小屋に戻ると、ポトゾルが食べ物を食べ終わったためか、自分のステータスを確認している。属性類か……。珍しいのかな。でももうイゼンとミゼンに会ってるからなぁ。
そういえばポトゾルの成績は確認したけどステータス計算まではしてないな。これからのためにもしておくか。

えーとたしか

国語 17点
数学 2点
英語 6点
社会 1123点
理科 4点

だったから計算すると……

HP 1152
SP 1127
攻撃 12
防御 1146
速さ 23
魔力 19
か……。使えない。

まず目にとれるのは高い防御力。確かにこれは使えるかもしれないが……。攻撃ができなければいざというときに困る。そして、SPの高さ。これは素晴らしいように思える。うん。SPは、素晴らしいのだが、魔力がねぇ……。よし。試してみよう。

「なあ。ポトゾルってスキルは何々使える?」

するとポトゾルはすぐに返事をした。

「ファイアとアイス。それからサンダーにウインドウですぅ。あ、あとは……い、いえ。何でもないです」

ん? 何か隠してるのか。まあいいか。とりあえずそれらの技を使ってもらおう。

「なあ。じゃあそれらの技をそれぞれ使ってくれないか」

「いいですよぉ」

そう言うとポトゾルは立ち上がった。そして、壁に掛けてあった掛け軸をとって、棒状に丸めた。そして掛け軸を持っていない手の人差し指をたてると一言呟いた。

「『ファイア』ですぅ」

すると、人差し指の先から、ライターのような炎が出た。……うん。知ってた。
その後もサンダーとウインドウも出してくれた。
サンダーは静電気くらいのを、ウインドウに至っては扇風機の中くらいの風力だった。

「あとはアイスですねぇ」

「いや、もういい。大体わかったから」

「え? そうですかぁ? それならいいんですけどぉ 」

そう言ってポトゾルは座ろうとした。しかし急に何かを思い出したかのように、座る動作を止めると。

「そういえばあとはSP移動ってのを覚えてますねぇ」

「ん? それどんなのだ?」

「自分のSPをすべて他の人にあげることが出来るんですぅ」

キタコレ。この子の使い道がわかったぞ。

「よし! さっき探検していたら、大きな山にぶつかったんだ。そこに洞窟があったんで、行ってみないか? 何かわかるかもしれん」

するとモルとメイラは立ち上がって脱いでいた上着を着直す。

「さあ。行きましょうか」

モルはポケットに何やら詰め込んで、外に出た。それに続いてメイラとポトゾルも出た。最後に僕はストーブを切るためにストーブの前に行ったのだが、調度油が無くなったのか自動で切れてしまった。僕は電気を切って小屋を出た。

「よし! じゃあ。行くわよ!」

メイラが元気よく掛け声をあげる。……敵が出ても戦わないくせに。
こうして僕たちはその洞窟へ向かっていった。





――――――――――――

レンヨウとシュウシは雪原の中を歩いていた。

「……。さっぶいぃぃぃぃー!」

シュウシが突然大声をあげる。

「ふっ。これほどで根をあげるとは」

レンヨウはがたがた震えながらシュウシを笑う。

「バイブレーションみたいになってるぞ」

「う、うるさい……。というか何でシュウシ。俺たちは上着を買わなかったんだ?」

シュウシは両手を組ながら答える。

「お、俺としては、ま、まさかこんな時期にここまで寒いとは思って無かった。というか! レンヨウだって『俺は寒さになんて負けねぇ!』とかいって何も買ってなかったじゃねぇか!」

「うっ。それは……」

2人はそんな不毛な争いをしていると1つの小屋にたどり着いた。

「あ、ありがてぇ。ここでしばらく暖まらせてもらおうぜ」

「そうだな」

そうして2人は小屋の中に入った。電気をつけて小屋の中を見ると、テーブル、イス、丸まった掛け軸。そしてストーブが置いてあった。シュウシはストーブに駆け寄った

「おお! 恵みのストーブだぜ! ポチッとな」

……。

「あ、あれ? お、おい。どうしたんだよ」

するとレンヨウが横から見た。

「あ、これ油が入ってねえわ」

2人の間に寒い風が通り抜ける。

「「ちくしょぉぉぉぉぉぉぉ!」」

2人は小屋を勢いよく飛び出した。

「く、くそぉ。暖まれると思ったのに、とんだぬか喜びだぜ」

「そ、そうだな……。ん?」

レンヨウが下をうつむいていたときだ。レンヨウがなにかを見つけた。

「なあ。足跡があるぞ」

「ん? ほんとだな。ちょっと待ってろ」

するとシュウシは何かを呟き始めた。

「『追跡』! そして、『策敵』! ん? おお。人が居たみたいだな。北の方に進んだらしい。追いかけるか?」

「お前、盗賊みたいな技を使えたんだな」

「流石にこれぐらい使えるわ!」

「はは。わりぃ。まあ、追いかけるだろ。ストーブの油を使いきったのもこいつらかもしれないし」

「何! なるほど。そう言うことなら、俺たちにぬか喜びさせた償いはさせてやる。全裸で雪の上で土下座でもさせなけりゃ、気がすまんな」

「鬼か」

「まあ、させるさせないにしても、そいつらの姿を見ないことには始まらんな。よし! 追いかけるか!」

「おう!」

そうしてレンヨウとシュウシはその足跡を追って、北に進んでいったのだった。




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