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リアデイルの大地にて 作者:Ceez
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61話 遊びの時間はこれからになるでしょう

 タイトルを少々変更致しました。
「さあ気を楽にして。 大丈夫、痛いのは一瞬だから、フフフフフ」
「御母様が言うとむちゃくちゃ不安になりますからっ!」

 ケーナが指揮者のように両手を広げて構えると、すかさず娘から突っ込みが飛んだ。 苦虫を噛み潰したような不満を浮かべて、口を尖らせるケーナ。

「まったくもうマイマイってばノリが悪いなあ。 こういうのは恥ずかしげに『痛くしないでね?』というのが通例だそうよ」
「そんな通例ありませんからっ。 どこからそんなヘンテコリンな話を聞いたんですかケーナさん?」
隠れ鬼(おじいちゃん)から」
「誰ですかそれ……」

 疑問に思って聞いたアークが良く分からない返答に頭を抱える。 いや、たぶんプレイヤーだというのだけは分かるが、それが誰なのかまでは判別不能だ。 元凶はスキルマスターNO.12の隠れ鬼、常人の斜め上な老人である。





 アージェントとシュベズに出会った翌日、ケーナ達は早朝から動き出していた。 昨晩のうちにマイマイはケイリックとスカルゴに連絡を済ませ、双方から『王に進言してみる』という返事を受けている。 ケーナは緑竜を召喚し、廃都結界について昨晩の話を纏めた手紙をオウタロクエスのサハラシェードへ届けるように飛ばした。 オプスにはフレンド通信で連絡済みだが、返答はまだ来ていない。 この結果に気分を害したケーナは先程からご立腹である。

「くそう、何か企んでるわねアノ野郎……」
「なんと言いますか、御母様って伯父上に対して随分と毒を吐きますね……」
「こういう時のアイツが何もしていない訳ないじゃない! これ全て経験談だから、戦争の時もどえらい無茶を吹っかけてくるし」

 戦争時に境界線エリアへ敵対国の戦力を八割以上引き付け、その場でエリアを丸ごと覆うモンスター発生イベントを起動させた時とか。 それまで拠点防衛に居たのは、ケーナを含む三人のギルドメンバーだけだ。 壁用に大量のドラゴンを召喚し、千人以上のプレイヤーを三人で四時間も相手する羽目になって、残りの半日は憔悴していたこともあった。 敵対国のプレイヤーが死に戻り(リスポーン)する中継地点もそのエリア内にあったので、参加者は残りの半日、復活→死亡→復活→死亡を繰り返していたらしい。

 他にも、予め【変装】して黒の国とは隣接していない赤の国に潜り込まされた時とか。 戦争終結時間十分前に境界線のポイント近辺へ【隕石落下(ギガ・ストライク)】をブチ込み、延々と争奪戦をしていた赤青陣営を差別なく広範囲に亘ってぶっ飛ばした。 それまで採取ポイントは戦争終結時間までの十分間にその場を支配していた陣営のモノになるので、めでたくそこは黒の国が占拠する事に。 後日、公式サイトのみならず、各所の総合掲示板でブーイングが飛び交った。 そのお陰か運営からの通達で、占拠ルールが変わったのは言うまでもない。 今思えば、ルールを変更するため(・・)に特攻をやらされたとしか思えない所業である。

 勿論非は言われるままにホイホイ実行するケーナにもあるのだが、つい言いくるめられ納得させられてしまうのだから仕方がない。 オプスに口で勝てるものなど、かつてのサブギルドマスターであるエベローペくらいなものだろう。 思い出す度に当時の怒り、というよりは脱力感が思い起こされ沈黙する。 マイマイだけはその沈黙が恐ろしいものかと誤解し、青い顔をしていた。

「まあ、いいや。 とりあえず四人ともフェルスケイロまで飛ばすから、ちょっと集ま……」

 キュー!

 言いかけたところで南に鼻先を向けたイズナエが何かを感知。 鋭い警告の鳴き声を発した。 未だ召喚しっぱなしのケルベロスや雷獅子、ヘラウとスフルトが構えるよりも早く、警告抜きでケーナがブッ放した。

魔法技能(マジックスキル)氷涙轟爆(ブリランテ・アマティ):ready set】

「ああもうっ!」

 南側へ伸ばしたケーナの左腕。 周囲に氷の結晶が舞い、氷の弾丸が数個形成される。 それがケーナが吐き捨てた言葉とともに射出された。 南側に広がる森林の中へ飛んで行った氷の弾丸は瞬く間に見えなくなり、やや近い場所で爆裂音が多重で聞こえてきた。 その威力たるや、針葉樹が並ぶ木々の向こうに鋭角に飛び出して見えるのは、氷で出来た巨大なイガグリと呼ぶべきか、ウニと呼ぶべきか。 爆裂地点から周囲を丸ごと凍らせ、氷結効果を併せ持つ範囲攻撃魔法である。
 しかし、攻撃対象は即座に対処したようで、ケーナの頭上を影が通過。 とっさに引き伸ばし、適当にフルスイングした如意棒が対象の持つ大剣と噛み合った。 かなり乱暴な金属音が響き渡って火花が散ると同時に、聞き覚えのある焦った声がケーナの追撃を止めさせる。

「「いい、いきなり殺す気かあああああああっ!!?」」
「……あらまァ」

 灰色の竜人族(ドラゴイド)が両手で大剣を構え防御姿勢を取っていた。 幅広の刀身と拮抗する如意棒、どちらも負けじと震えながら鍔迫り合い状態だ。 相方の女性は同時に跳び越えてきたのだろう、竜人族の横からサーベルを差込んで如意棒を止めるのに一役買っている。

「居るなら居るって言いなさいよ。 てっきりモンスターかと思ったわよ」
「せめて警告してから魔法使えよ! 唐突に無差別攻撃とかするんじゃねえっ!」

 エクシズとクオルケである。
 廃墟と化した漁村から、凡そ野営地に適していると思われる地点まで、移動系技能を駆使して森や川を一直線に突き進んできたのだ。 あちこちを冒険者ギルドの仕事で行き来していた経験から、旅慣れていないケーナの居る地点を一点集中で読みきったのである。 そこまでは良かったが、もう直ぐその地点に辿り着くと安堵した瞬間、見覚えのある極悪範囲魔法が目の前に飛んできた。 慌ててクオルケを引っつかんで真上に【増幅(ブースト)】込みの【跳躍】で回避。 初弾が爆裂して形成された氷塊を蹴り、ケーナの真上を通過して今この場に着地したのが彼等の経緯である。


 如意棒を縮めて胸ポケット(アイテムボックス)に放り込むケーナ。 剣を収めて一瞬の緊張とここまでの強引な旅路に疲れ、座り込むクオルケにマイマイが母親の所業を詫びる。 エクシズは何が起こったのか未だに反応の遅れているアークを見つけると駆け寄った。

「ごめんなさいね、御母様がご迷惑をかけて」
「ほ、ほんとに娘なんだ……。 あ、ああいえ、なんでもないさね、こっちのこと」
「やっぱりいたっ! 姉貴ぃ!」
「なんだお前はっ!」

 否、駆け寄ろうとして、アークとの間に立ちふさがったヘラウに睨みつけられた。 剣に手を添えたスフルトもアークを庇うようにしてエクシズより背後を隠す。 第三者視点から展開を見ていれば、見知らぬ女性に襲い掛かろうとしている竜人族(ドラゴイド)の男性、に見えなくもない。
 この場で“中の人”の事情を把握しているのはケーナだけである。 里子の威圧感に何も言い出せなくなっているエクシズを見ているのも面白そうであったが、放っておくとケーナも自分の目的が果たせなくなるので、口を添えてやる事に。 まずは全くこの場の緊迫感が分からず、ぽやんとしている当事者に声を掛けた。

「アークさん」
「あ、はい、なんでしょう?」
「そいつはエクシズと言って、タルタロスの別垢。 イコール昨日言ってた貴女の弟ですよ」
「え、えええっ?」

 昨日の話を思い出したのか、「それならいいや」とばかりにヘラウとスフルトが警戒心を解く。 あっさりすぎて逆に拍子抜けする潔さである。 至近距離で対面することになった二人 ──もっともアークは見上げる形になる── が互いに見つめ合う。 なんとなく引きつったような笑み(竜人族の表情は人族から見ると分かりにくい)を浮かべたエクシズに、しばしの沈黙を挟んだアークはいきなり落ち込んだ。

「……ロスちゃん、随分凶暴な顔になっちゃって……」
「は? いや、姉貴?」
「「プッ」」

 感動の再会とは程遠い一言にエクシズは呆け、クオルケとケーナは噴き出した。 「いやこれは種族的なものであってだなあ」など、わたわたと言い訳をする竜人族は見ていて実にコミカルであった。 少ししてからマイマイが間に入り、エクシズの慌てっぷりを止める。

「はいはい、言いたいことは分かったから少し落ち着きなさい。 アークも分かってて意地悪を言うんじゃないの」
「あら、バレました? 流石先生、お見通しですね」
「へ? えええっ!?」

 俯き加減で震えているように見えたそれは、ただ単に笑いをこらえていただけのようだ。 一転して微笑を浮かべたアークは、悪戯が成功した子供のようにエクシズへ挨拶をした。

「うんうん、久しぶりだねロスちゃん。 いつも通り(・・・・・)で安心した。 元気で何よりだね」
「………………そうだ、こういう人、だったな……」

 がっくりと肩を落とし真っ白になるエクシズ。 ケーナはギルドで皆に反応が面白いからと言ってイジられるタルタロスを思い出し、『リアルでも日常茶飯事にからかい対象なのか』と納得した。 リアルとゲームでイジられれば、別垢に逃避したのも頷ける。 引退しなかったのが不思議な程ではあるけれど。

 「やー、見違えるように強そうだね、強面だね」「ほっとけっ!」等々、姉弟の絆を確かめ(?)ている二人は放置しておく。 クオルケはここに来るまでの道中でエクシズの事情を説明されたらしく、面白そうにその光景を眺めていた。 その二人へと平然と協力を仰ぐケーナ。

「ここに来たのが運の尽き、丁度いいから二人も手伝って頂戴」
「運の尽きって、物凄く酷い言い方じゃないかい?」
「この程度の理不尽で首を傾げていられるならまだ幸せだと思うよ」
「あとどれだけ理不尽が控えているって言うんだいっ!?」
「とりあえず『廃都のモンスターを殲滅しよう』というお誘いですが何か?」
「「スキルマスターの限界突破者が挑むような攻略戦にうちら(俺達)を巻き込むなっ!!」」

 つついっと寄って行ったケーナの提案に、クオルケと話を聞いていたらしいエクシズが全力で拒否を示す。 一応巻き込むのだから『廃都の中でモンスターが増えているかもしれない』推測と、『アージェントの障壁が寿命なこと』を交えて説明はしておく。

「元同僚が拒否しないでよ。 まあ、矢面に直接立てとは言わないから、せめて抜けていった小物くらいは始末してくれると嬉しいな」
「むむむ、……しかしなあ、廃都だってかなり広いぞ。 そこに蔓延してるモンスターと言うのはどれだけの数が居ると思っているんだ?」

 ゲーム当時、七国の首都はランダムでプレイヤーの出発点になっていた。 その為、首都の役割の一つには初心者をいかにサポートするかというのがあり、基礎武器&アイテム等の販売施設が充実していた。 また、各プレイヤー自身が狩りで獲って来た素材や、生産専門プレイヤーの露店も揃っていた。 各地域で採れるアイテムの違いによって特産になるものは様々であったが。 更には中級者(五百レベル帯)までが首都近郊で遊べるように、首都の地下には広大なダンジョンが備わっているのが普通であった。 そのダンジョンも都市の地下に作られた下水道であったり、首都が作られる前に埋まった古代の都市であったり。 はたまたどこぞの魔導師が趣味で作り上げた秘密基地であったり、バイオハザードが起きた為に封鎖された研究機関の施設であったりと、各都市によって設置された理由は様々あった。 中でも一番酷いのは、定期的に死神官(リッチ)が首都まで湧いて来る黒の国であろう。 地下にある洞穴には未だに虎視眈々と地上の支配権を狙う、魔王の末裔がいるとかいないとか。 初心者に厳しい国なのは言うまでもないが。

 エクシズが懸念しているのが正にそれである。 地表だけにモンスターが蔓延しているなら兎も角、地下施設まで含めると首都の敷地は地表の三倍以上にも膨れ上がる。 そこにぎっしりとモンスターが生息しているとなると、プレイヤー数人でどうやって殲滅しろというのだろうか? 勿論、エクシズと同等に廃人レベルまでやり込んだケーナもそれは承知の上だ。

「ピンからキリまでそれなりにいるでしょーよ」
「えらく適当だなおいっ! それを三人で片付けろっつーのは無理がないか?」
「オプスも呼んだけどね。 そこはほら、どーにかするしかないでしょ。 私だってこれ以上ルカみたいな子を増やそうとは思わないもの。 もうツテをフル利用して三国には防衛を打診中だし」
「……手回しが早いというか、もう三国に協力を打診できるようなツテがあることに開いた口が塞がらないよ……」

 クオルケの言い分にはケーナも苦笑いをするしかない。 何故か(・・・)、里子や親族に連なる関係となってしまった者が国を運営していたり、国にはなくてならない地位にいる者が大半なのである。 それは目の前でニコニコと笑みを浮かべているマイマイも例外ではなく。

「どうしてこうなっていた……」
「それはもう御母様の人徳ですわ!」
「二百年不在の人徳とか、訳が分からないわよ……」

 溜め息を吐きたくもなるというものだ。 
 そこへ更に溜め息の原因となる事態が甲高い咆哮と共に降って来た。体育館並み(Lv550)の体躯を持ち、大きな翼を広げ地面を抉りながら着地した黒竜(ブラックドラゴン)。 【ドラゴン召喚】の中では赤竜(レッドドラゴン)と同じく攻撃力について双璧を誇り、こちらは広範囲攻撃に特化している。 ケーナも戦争中には良く使用した馴染みの召喚獣だ。 そしてその背から二名の人物が飛び降りた。 真っ黒いコート姿のオプスと、何時も通りのメイド姿であるサイレン。

「お待たせ致しました、ケーナ様」
「なんじゃ、まだこんな所でたむろっておったのか」

「伯父上様?」
「オプスッ!?」
「すっごいヤな予感がしてきた」

 上からマイマイ、エクシズ、ケーナの感想だ。 付き合いの長さが現れる対応である。

 『闘技祭の出場者が何故ここに居るのか?』という疑問をはさむのはマイマイくらいなもので、騎士達は根本の事情を知らない。 “リアデイルの孔明”と“銀環の魔女”が揃う状況に、心底から不安が湧くのはクオルケとアーク。 この二人の揃う姿が決戦直前という現場(シチュエーション)に悪寒しかしないエクシズ。 最初から闘技祭に参加するオプスの思惑に疑いしか抱かなかったケーナの不安は、今までの経験上ロクな事にならないと危険信号を発していた。 












 ───その頃、演者の一部が抜けたフェルスケイロでは。

 午前中に行われていた個人戦は大方の予想通り、いつのまにか参加していたオウタロクエス出身の冒険者クロフィアが勝利した。 ただその戦い方は、今までの彼女を知る者から見れば随分と堅実的なスタイルだったらしい。 そのことについて首を傾げる者はいたが、論議するものはいなかった。 あまりに圧倒的だったために試合の予定時間は随分短縮され、繰り上げで午後に予定されていた団体戦の準決勝第一試合が執り行われることになった。 しかし……。

「こないな、っつーかいねーな」
「だなあ……」

 個人戦にしろ団体戦にしろ、参加者は闘技場内に設けられた席がある。 早朝からそこには参加しているはずの姿が二人足りていなかった。 “凱旋の鎧”PTメンバーは空白の席を眺めて、大会進行役の判断を待っているところである。 このままの状態が続くと、彼らは必然的に不戦勝だという空気が闘技場に漂い始めた時だった。

 突然、前触れもなく闘技場の真上、晴天の大空に太陽光より煌々と輝くナニカが出現した。


 護衛役のシャイニングセイバーは咄嗟に王族を庇う位置に立つが、その行動もそこまでだった。 闘技場内の選手が、コーラルすらも例外ではなく、観客も頭上を見上げその口をあんぐりと開ける。 闘技場の真上に現れたものは王都からもはっきりと視認出来た。 それほどまでに目立つものだったからに他ならない。 住民も、旅人も、冒険者も、騎士も、商人も、浮浪者も、誰一人として例外などなく、頭上を見上げて目をいっぱいに見開き、驚愕の表情でそれを見た。

 そしてそれと同じ時にその現れたモノはフェルスケイロだけではなく、オウタロクエスでもヘルシュペルでも観測できた。 他にも各地に点在する村の直上にも出現し、大陸に住む全ての人々の度肝を抜いた。 サハラシェード女王はしたためた手紙をケーナの召喚獣である緑竜に渡した姿勢で硬直し、ヘルシュペルではケイリナが王と共に窓の外を見上げ、辺境の村では外の異変に気付いた村人達がマレールの宿屋から次々に飛び出した。

 各地で同時刻に観測されたそれ。 一対の白い翼を背に備え、石版を片手に持ち、(うつつ)とも思えぬ美貌に微笑を浮かべた【天使】であった。 

 神々しい輝きを背に背負った【天使】を目にするや否や、大半の者は膝を付いて祈りの姿勢になる。  極々一部の者はその例外で、その行動を取らなかったのは【天使】に見覚えがあったからに他ならない。

『告げる』

 男とも女とも言えない、音が、声が【天使】を目にした者達の脳内に響き渡る。 最初の一言からたっぷり間を置いて、次に告げられた言葉は、大陸の住民には馴染みが無いものであった。

『リアデイル運営委員よりプレイヤーの方々へ、最後のイベントを通達致します』

 ケーナ達の頭上には何も現れていないが、その音だけは彼等の脳内に響いていた。 エクシズとクオルケは当時何度も聞いた事があるだけに、頭上を睨みつけている。 ケーナだけは企みが成功したというドヤ顔のオプスを呆れた顔で見て、肩を落とした。 始まってしまっては何を言っても無駄だと理解しているからだ。

『数日中に廃都大結界の封印を解きます』

 国の要職に就く者達は【廃都】の名にビクリと身を震わせる。

『プレイヤーの方々の使命は廃都からあふれ出したモンスターを殲滅する事にあります』

 コーラルとシャイニングセイバーは闘技場と観覧席の距離で視線を合わせ、互いに頷いた。 コイローグは練兵場で首につい最近まであった感触を思い出し、固く拳を握り締める。 

『それぞれが役目を果たすのを運営委員(われわれ)は期待しています。 アナタ達の奮闘に幸があらんことを』

 空中庭園で完全武装を整えたドワーフは、自分の背丈より巨大な戦斧(ハルバード)を一振りして青空を見上げた。

 【天使】はもう一度同じ事を繰り返すと、空中に解け消えるように姿を消した。 残されたのは不安そうに空を見上げる住民達である。 辺境の村ではルカがロクシーヌのスカートを握り、目尻に涙を溜めて「ケーナ、お母さん……」と呟いていた。


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