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リアデイルの大地にて 作者:Ceez
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43話 時の流れとは残酷なもの

 夕方になって王城を後にしたケーナは、そのまま自宅まで【転移】して帰った。 いつものように一日に何があったかをつっかえつっかえで話すルカを可愛がり、ロクスとシィも交えて一家団欒に心の洗濯を済ます。

 一夜明けて再びヘルシュペルまで【転移】してケイリックと会う。 こちらは麦の輸送をエーリネ商隊に頼んだ為、堺屋からの買い付けを一時的にストップさせる相談にだ。 しかし孫とはいえ、相手は百戦錬磨の商人である。 話をしているうちにあれよあれよと言う間に言質を取られ、麦の輸送についてはケイリックとエーリネでよ~く協議してから、と言う結果になってしまった。 

「むう、抜け目ないなあ……」
「御婆様、商人と言うのは抜け目を探し出して利益を得る者ですよ」
「前にこれくらいじゃ堺屋の看板は傾かない、とか言ってなかったっけ?」
「それはそれ、これはこれです。 それに御婆様とは何かしらの繋がりを持っていた方が良いと、長年の勘も告げているので」
「酒だけには留まらないんだ……」

 当然のことのように胸を張るケイリックにケーナは苦笑するばかりである。 ケーナの用事はそれで終わりなので、ケイリックからは魔韻石の加工を頼まれた。 ちなみに材料は新たにケイリックが用意した石で、以前に村まで送られた分に関してはケーナに譲渡される形になっている。 一部は外灯に姿を変え、村の通りを夜も照らしていた。 それでもまだ大量に余っているので、何か他の使い道を思いつくまで保管してある。

 堺屋との用事が終われば、ロクシーヌから頼まれた日用品や食料などを買ってまた村に戻る。 そして保管倉庫に(うずたか)く積まれていた麦を粗方酒樽に加工し、その日を終えた。





「うーん……」

 翌日、午前中のリビングでテーブルの上に広げた地図と、キーが脳内提示──ケーナにしか見えない──するゲーム中の地図を見比べて唸るケーナが居た。 陽当たりのいい窓際ではロクシーヌが針仕事をちくちくとこなしている。 手に持つのは先日にケーナが貰ってきたドレスの一着である。 流石に王族が着ていただけあって生地もいい仕立てもいいと良い事ずくめだが、いかんせん村娘が着るには不向きである。 裾が長いわ、乱暴に扱えば直ぐ破れるわで実用に耐えない。 とりあえずロクシーヌが二着程をよそ行き外出用に仕立て直しているところだ。

 ケーナの方は“野心神殿”の現在地の特定である。 当時はほぼ初心者プレイヤーおちょくり用と呼称し、オプスが個人で楽しむ仕様だったので作った後は彼に丸投げであった。 はっきり言って何処に作ったか場所を覚えていないのである。

 その為に前回引っ張り出したログから前を全部チェックし、場所の分かるような単語を全部洗い出した、……のはキーにお任せである。 判明したのは『赤の国』と『中継ポイントの傍』、というくらいだ。 ゲーム中の赤の国中継ポイントは、砂漠の中にポツンとある六角東屋に固定された巨大水晶であった。 そこから少々南下した、未踏区域とのギリギリラインの山肌にそのダンジョンを造ったとおぼろげな記憶にはある。 それを以前にエーリネから買ったオウタロクエス方面の地図と比べてみたところ、その地点に重なるように小さな町が存在するらしい。 外殻通商路最南端と呼ぶべきか。

「んー? 二百年も経ったらもう探索しつくされちゃってるのかなあ?」

 そう思う部分もないところではあるが、設計はあの陰湿で狡猾な罠作成士の手による物。 とても二桁レベル位しか持たない現在の冒険者諸氏には難しい場所だろう。 落とし穴や鉄球振り子ならともかく、中には『招かれる板(まものがポン)』等も設置してあるのだから。 『招かれる板』と言うのは無人のダンジョン内で定期的に魔物を生み出す仕掛けである。 畳一畳分くらいの大理石板に、喚び出す魔物が掘り込んである形状をしている。 特殊なアイテム『染み出す魔韻石』を使っている為、微量の魔力を毎日少しずつ溜めて一定量に達した時、自動で魔物が召喚される仕組みになっている。 通常の召喚獣と違い、喚び出された魔物は滅ぼさない限り存在し続ける。 しかし、階によって存在できる魔物数は上限が決められているので、決して飽和状態にはならない。 そんなものが各階に仕掛けられているのだ、百レベル前後のプレイヤーならPTを組んで突入したとしても最下層にたどり着けるのかが甚だ微妙なところである。 罠に掛からなければと言う前提付きで。 当時の本人談では半分以上が悪戯程度と言っていたが、どこまで信じていいものやらだ。

 しかも残された言葉を確認するのであれば、ケーナ自身が乗り込まねばならないだろう。 一回回って戻ってきたという自業自得感がしないでもないが。 最初は全力を駆使した最大破壊魔法で、ダンジョン部分を根こそぎ消滅させようと考えたのだが、周辺に町があるのならば地道に潜るしかなさそうである。

「メンドクサイな、もう……」

 そこへ共同風呂掃除を終えたルカがロクシリウスを伴い、パタパタと帰ってくる。 ロクシーヌと鋭い視線飛ばし合戦をしたロクシリウスは、ルカが室内に入るのを見届けるとケーナに一礼をして踵を返した。 日課の村巡回に戻ったのだろう。 

「ただ、いま……」
「おかえり、ルカ」
「お帰りなさいませ、ルカ様」

 立ち上がってルカに一礼するロクシーヌ。 手元の作業をさっさと片付けると、「昼食の準備を致します」とキッチンへと移動して行った。 部屋の隅に常備してある水樽から、コップに水を汲んだルカはそのまま自分の席にちょこんと座る。 コップの水を半分ほど飲むと、ケーナの手元を覗き込んだ。

「地図……。 どこ、の?」
「南の国、オウタロクエスよ。 行ってみる?」

 伏せていた体を起こしたケーナが聞くと、ルカはふるふると首を横に振った。

「ううん、お留守、ばんしてる。 ……ケーナ、お母さんは、行くの?」
「まあ、確認も含めて行かなきゃならないでしょうねえ。 空振りになる可能性もあることだし……。 ただしちょっと長く家を空けなきゃいけなそうなのよねー」

 うんざりした様子で肩をすくめたケーナは、優しい表情で義娘を撫でる。 ちょっとくすぐったそうに首を竦めたルカは、少し間を置いてから頭に乗せられた母親の腕を掴んだ。

「だい、じょうぶ。 ……わたし、がお留守番、するから。 ケーナ、お母さんは……、安心し、て行って来て……」
「あら~、大きく出たわねえ」

 引き取った当初とは段違いの強い意志を込めた瞳を向けてくるルカに、破顔したケーナはガバッと抱きついた。 腕の中のルカはと言うと、「ちょっと失敗した」と言いたそうな苦い顔で、もう過度過ぎるケーナの抱擁癖に小さく溜息を吐いた。 助けてとその背後で戸口から顔をのぞかせたロクシーヌに視線で救援を送ってみるが、楽しそうな笑みを残してまた扉の向こうに引っ込んでしまった。 それからしばらくは抱擁されたまま可愛がられ、解放されたのは昼食になってからだったという。





 一応「ダンジョンに潜るから数日掛かる可能性もある」とは伝えておき、夜のうちにロクシーヌとロクシリウスにルカの事を頼んだケーナは翌朝、日も昇らぬうちにフェルスケイロに跳んだ。 そこからオウタロクエスの王都を目指す予定である。 距離で見ればそのまま外殻通商路を村から南下する方が近いが、【転移】の目標設定に値しない場合は長引いた時の行き来が大変になる。 先にオウタロクエスを設定しておけば、そちらに跳んでから移動すれば済む話だ。

 フェルスケイロの冒険者ギルドに久しぶりに顔を出し、依頼をざっと眺める。 受付嬢のアルマナの話によると、フェルスケイロとオウタロクエスを繋ぐ西側の外殻通商路が今は使えなくて、大陸中央を横断する都市部直通路が開放されているそうだ。 都市部直通路は本来、王都同士を最短距離で結ぶ通路なので、有事の際以外は緊急の伝令か王族や騎士団くらいしか使えないのだそうな。 現在の外殻通商路は、フェルスケイロの西でケーナが大穴を空けたのが原因のひとつになっているが、主だった理由は魔物を警戒してのことだ。 

 上層部である国の頂点に立つ王族や宰相などは【廃都】に関する情勢をどう判断していいか分からない為、『安全が確認されるまでは通行停止』との通達を出してある。 騎士団や冒険者で西側の防衛線に参加した者達は、ケーナの呆れる程の戦闘力の他に、相手モンスターの強大さも垣間見た。 集団戦に武を発揮する騎士団でも流石にあんなモノは想定外だ。 現に遠方からの【魅了魔法】でいいように扱われる寸前だったのだから。 なので現在は前の人員───アービタ率いる炎の槍傭兵団───まで招き入れて、再編成と言う名を借りた豪快なシゴキの真っ最中だ。 勿論これにはケーナにも打診される予定だっだが、アービタとシャイニングセイバー曰く「文字通り撫で(・・)斬りにされそうだ」の一言で却下された。

 ケーナはどうせオウタロクエスに行くのだから、なんか護衛の仕事でもないかと掲示板に張られた無数の依頼書を端から眺めていた。 冒険者ギルドの中に居た同業者から時々畏怖や羨望と言った視線が飛んでいくが、鈍いケーナはまったく気付かない。 顔見知りが親切にも忠告をくれたので、後ろを振り向いてようやく(負の感情を含んだ)ソレに気付けたくらいである。 噂の実力者と不意に視線が合った者達は、緊張感にゴクリと喉を鳴らす。

「あ、スミマセン。 依頼書見え難いですかー?」

 しかし笑顔で腰の低いケーナの謝罪にどがしゃーん! と脱力して突っ伏した。

「あ、いいもんみっけ」

 適当な依頼を見つけ、アルマナの所へ持っていく。 受付に居た職員達は、奥のスペースでテーブルや椅子を片付けている冒険者達とケーナを見比べながら苦笑していた。 



 

 ケーナの受けた依頼は、吟遊詩人をやっている夫婦のオウタロクエスまでの護衛だ。 基本個人の旅人は徒歩しかないので十日程は掛かったが、ケーナにとっては中々有意義な日程だった。 酒場や街中で歌う曲の他に神話の物語を綴った(うた)まで教えて貰い、ケーナからは入院していた時に好きだったアイドルの歌などを逆に教えあったりした。 中には丸ごとキーに取り込んでおき、ゲーム中のBGMにしていたものもあったので、その場で再生し披露する。 二人は大層驚いていたが、見知らぬ異国音に感動していた。
 【技能(スキル)】の中には【呪歌】という攻撃補助手段もあるけれど、こちらの世界に来てからは初めてそんな物は抜きで歌に触れた充実した日々が過ごせて、ケーナは満足した。

 オウタロクエスに行く道のりは端的に言えば下り坂だ。 ゆるやかに標高の下がっていく道を行けば、先に見えるは深い緑の広大な森林だ。 標高の高いところにあるヘルシュペルの周辺に広がる爽やかな緑などとは随分違う密林という類のモノで、徐々にべた付く湿度を含んだ空気。 街道は王都に近付いた辺りから樹上に上る吊り橋に取って代わり、木々の中を縫うように架けられた木橋となって広がっていく。 テレビで見た事のある、アスレチック場に似た印象を受けたケーナはドデカイ樹と同化した王城を見つける。 王都の入り口にもなっている衛兵の詰め所を通れば、ソコはもうオウタロクエスの王都だ。 そこでケーナは依頼者から報酬を受け取り、またどこかで会った時は歌を教え合う約束をして別れる。






「さあて、まずはギルド行って問題の町の情報収集かな?」

 その前に【魔法技能(マジックスキル)】のコマンド画面を呼び出して【転移】先にオウタロクエスが登録されているのを確認する。 それから周囲を見渡し、樹に同化するかツリーハウスになっている住居の町並みがどれも同じように見え、目的の建物がどれなのか分からず途方にくれた。 

「何処に行けばギルドとか宿屋とかあるんだろう?」

 とりあえずその辺の人にでも聞いてみようかと、一歩踏み出した所で背後から大声の強襲を受けた。

「ああ──────っ!!?」
「……ケーナ様?」

 振り返ったケーナが見た者は、少し前に村で会った猫人族(ワーキャット)の兄妹だった。 街門をケーナに続く形でくぐって来たらしく、妹のクロフィアは嫌悪感あらわに此方を指差し、兄のクロフは怪訝な表情で彼女を見ていた。

「えーと、クロフさんと名前読んだら逆切れしそうな妹ちゃん」
「アナタなんかに名前で呼ばれたくはありませんわっ!!」
「呼ばなくても逆切れするのか……」

 病院にもなんでも当り散らす子供が居たのでこの手合いの扱いには慣れている。 しんぼう強く付き合っていれば垣根を取っ払われるのだ。 ……が、後にようやく心を開いたその子は桂菜を重度のストーカーと勘違いし、恐怖から配下へ従ったと吐露されてショックを受けたのは彼女の黒歴史である。 ちょっとヘコみそうな過去を思い出して、気力が萎えたケーナに「こんな空気の所に居たくありませんわ!」と捨て台詞を吐いたクロフィアは、兄を残してスタスタ早足で去って行った。

「すみません、ケーナ様。 妹が無礼を……」
「……いや、それは兎も角として……。 なんか人の注目度が凄いんだけど、なんで?」

 ちょっと離れた衛兵から、その辺を歩いていた民衆にガン見されたケーナは身震いした。 ケーナは知らない事だが、クロフ兄妹はこの国でもトップに位置する冒険者なので、妹の気性を差し引いても(・・・・・・)民衆には英雄(ヒーロー)扱いなのだ。 その片割れから一方的に嫌われたケーナに、非難の視線が集中するのは当然のことと言えるだろう。 同情の視線も少しは混じっているが。

「ケーナ様、失礼致します」
「え? あ、ちょっと?」

 そこに思い当たったクロフは、慌ててケーナの手を引いてその場を離脱した。 人払いがお手軽な冒険者ギルドの奥の部屋を顔パスで借りて、ケーナ諸共安堵の溜息を吐く。 ちなみにガン見された理由は此処に至るまでに小声で説明してある。 

「なるほどー、こりゃ今日の宿は胡散臭い目で見られそうだ」
「なんでしたら城に部屋を用意させますが?」
「それこそ不審者が何で城に? って民衆が訝しがるでしょーに。 サハラシェードに会いに来た訳じゃないしねー」

 「それもそうですね」と頷いたクロフは、彼女が頑なに女王との面会を拒むくせにこの国に居る理由に興味を引かれた。 どうせならその理由を聞き出し、可能ならば同行し、彼女の行動を見聞して女王に報告するのが隠者の役割だと瞬時に判断した。

「それでしたら、少々手狭ですが私共の家に来ませんか? 部屋はありますのでいくらでも泊まっていって下さい、妹が迷惑をかけたお詫びに」
「むむ、それは魅力的な提案なんだけど、妹ちゃん怒らない?」
「元よりクロフィアの責任ですからね、言い聞かせましょう」
「そこまで言うならそのご好意に甘えさせてもらおうかな~。 ……で、本音は?」
「……お見通しですか。 出来るのであればケーナ様の旅に同行させて頂ければ、と」

 その提案にはちょっと戸惑うケーナ。 なにしろ相手は罠には定評がある『悪意と殺意の館』の(ヌシ)が設計した恐怖のダンジョンである。 ヘタを打てばダンジョンに蔓延(はびこ)るモンスターに、七十から八十レベルの者程度だとぷちっと潰される可能性が高い。 まあ潰された場合には、スカルゴから使用禁止と釘を刺された【蘇生魔法】の出番だろう。
 ちなみになんで禁止されるのかと言うと、現リアデイルで【蘇生魔法】と言うものは遺失魔法にカテゴライズされているからだ。
 同行を許可したら死んでしまいました、なんて言うとクロフィアにも迷惑が掛かりそうなので、もしもの時は息子の忠告を無視して使うつもりである。 ついでにこの国の冒険者であれば(くだん)のダンジョンの事も知っていそうなので、交換条件に同行を了承した。 ガサゴソと取り出した地図の一角を指差して聞いてみる。

「ああ、このダンジョンですか。 知っています、説明が必要ですか?」
「今何処まで攻略が進んでいるのかなあ、って思って」
「その口ぶりだと昔からあったんですか、これ? ええと、確か発見されたのは百年ほど前なのですが、壁面が金だったので皆が色めき立ちましてね。 初期の頃は一階から三階でかなりの死傷者が出たと聞いています」
「三階まででソレか……」
「それに見合うだけの宝は幾つか発見できていたようなのですが、仲間を亡くした冒険者が洞窟の傍で宿屋を営み始め、いつの間にかそこを中心に冒険者相手の店が集まって街が作られています。 少し規模の大きい村くらいですが」

 そんな宝なんか入れたっけ? とケーナは考え込む。
 オプスがあちこちに配置した小箱には、二人掛かりで作った小物程度のアイテムしか入れてなかった筈だ。 筋力+1の腕輪だとか、防御UPの小盾等の些細なプラス効果が付加された初心者レベルの武器防具ばかりである。 逆に現在はその手の製法が失われ、名工と呼ばれる一部の職人がなんとかその辺りまでの効果を生み出すことに成功している程度(・・)だと言うのをケーナは知らない。

「冒険者ギルドも町にありまして、一定技量以下の者を中に入れないようにしていたハズです。 先日に聞いた話では今まで到達した最下層は……、確か十三階だとか」

 がったーん!

 聞き漏らすまいと身を乗り出したケーナがひっくり返った。 無論あまりにも予想外な結果にである。

「百年もかかって半分も到達してないのっ!?」
「はんぶん? ってことはこのダンジョンは……?」
「ああ、うん。 昔に友人と私で作ったものよ。 どうも友人が最下層に引き篭もっちゃっている可能性があってね。 それで今どうなっているのかなあ、と」
「はあ……、成程。 女王の血縁が作られるとこのようなダンジョンに……」
「いや、設計したの友人だから。 確か最下層は三十階だったと思うけど」

 基本的にゲームのフィールドに置かれる中継ポイントの周囲は、最低レベルモンスターが配置されるため初心者用の狩場になっていた。 その初心者を対象にするおちょくりダンジョンを造る、とオプスから聞いた時はなんつー暇人かと当時は思ったものだ。 結局悪乗りに付き合ってしまい、調子に乗ったオプス共々通路を金にコーティングしたりと楽しんで造ってしまったのは確かだ。 そんな高レベルのプレイヤー相手に造った訳ではないので、初心者の殻を卒業すればクリアするのは簡単である。 流石に今の世になって全体的にレベルが低下するのは想定してなかった。

「やれやれ、残り十七階は自分で踏破するしかないのかぁ」
「微力ながら、我等でよろしければ力を貸しましょう」

 多少は楽ができると思っていたケーナの思惑は外れてしまい、面倒臭そうに肩を落とす。 クロフから見ればソコまで手間暇をかけて迎えに行く友人という者に興味を引かれる。 これは何があっても同行しなければと、仕事より私情が優先される形で協力を申し出た。 そのダンジョンの本性も知らずに。



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