第四十話:エピローグ
その後、エストレージャ国の政は時を経るにつれて酷くなっていくようだった。ロサード王が私利私欲に走った結果国内は貧富の差が激しくなり、それに伴って当然のように民たちの心は荒んでいった。
情勢に異議を唱える反逆組織はぽつぽつと作られ、統合され、解散しを繰り返していた。あの後、エストレージャ城にそれらしい組織が奇襲をかけたという話は全く聞かない。解散した『アンシアン』のメンバーも国内に散り散りになりいまや誰がどこにいるのかもわからない。
テリーとリンティアは出産まではオフォスにいたが、生まれた女の子ごと姿を消した。ヤンと幼子も、二人のところから姿を消して以来、誰かの前に立つことはなかった。ヒューイとローレンシアの子供はヤンの手を離れてどこかに預けられたのかもしれないが、いまではもう行方を辿る人間もいない。
命を懸けた彼らの戦いを、無駄な徒労と思うだろうか。途絶えてしまったかに見えた小さな思いの炎は燻りつづけ、数十年のときを経てまた燃え上がる。そのすべての源が彼らから始まったのだ。
大切なのは結果だ。しかしその結果を出すまでに信念を貫き続けた彼らの思いは、長き輪廻を繰り返して積みあがる。幾度失敗してもいい。捨てなかった信念は必ずや、実を結ぶだろう。
思いは血潮に乗って、はるか遠い過去から繋がっている。
伝えられなかった愛は、いつかめぐり廻って力となる。
生という愛に限りない感謝を。
Fin.
長かったと思います……読了ありがとうございました。特に携帯からお読みいただく方にはひどく読みにくかったと思います、すみません。
最初にも書きましたが当作品はスピンオフということで、本来の本篇はヒューイとローレンシアの子・ハロルドが主人公のひとりになっています。本篇に継続して出てくるキャラクターはロサード王くらいですね。相変わらずカッコ良いです。
本篇は私ひとりで作り上げた物語ではなく、複数人で書きあげるリレー小説となっておりますのでここにUPするわけにはいきませんが、web公開はしております。興味のあります方はメッセージでお問い合わせください。ちなみにタイトルは『月齢14.9』です。
本篇ではハロルドに両親の記憶はなく、ヤンやテリーたちがその後どうなったのか?については言及していません。もしかしたら、どこかでひっそりとハロルドを見守っていたかも知れません。
本当にありがとうございました。
苦手な三人称ですが、酷評含めご感想いただけると幸いです。
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