11話 一回戦
ヒットは目を見開く。そこには正直もう会えないと思っていたシャインが居たのだから。
「よお、ヒット。」
シャインはそれだけ言ってたった今試合に出場していた女性の元へ行って、なにやら話し始める。
しばらく見ていると、その2人はこちらへ歩いてくる。よく見ると、後ろからもう1人走ってくるのも見える。
「ふーん。君が風かぁ……。」
彼女はそういって手を差し出す。握手を求めた。ヒットも戸惑いながら握り返す。よく見れば彼女はきれいな宝石の美しさをそのまま人にしたような輝きを放っている。周囲に居る野蛮な男達もついついこちらをちらちらと見てしまっている。
「あなたは?」
ヒットはさっきまで試合を見ていて教えてもらったにもかかわらず、名前を忘れてしまっていた。
彼女はいやな顔一つせずに、それどころか笑顔で答えてくれる。
「ミクル・レイナよ。‘音の守護者‘よろしく。」
そんな笑顔にヒットは完全に見とれてしまう。きっと鼻の下は伸びまくっているだろう。顔も真っ赤になっていると思われる。
ヒットは、ミクル達と一緒に観戦することにした。レイはもう試合に行っている。アルファは一回戦は余裕勝ちですでに次の試合の準備に行っている。
☆ ☆ ☆
レイも無事勝利し、ついにヒットの試合である。対戦相手はまだわからない。ヒットは深く、深く深呼吸をしながら控え室へと急ぐ。控え室には勝利をつかんだばかりのレイが座っていた。
「がんばれよな。」
それだけ言い残してレイは出て行く。
ヒットの緊張は最高に達していた。今まではこんな人前に出る経験はなかったし、出ようとも思わなかった。
リングのほうで司会者が自分の名前を呼んでいる。
「一回戦 第五試合 疾風の白紅葉ことぉ、ヒィィィット・レェェェェェオン!」
歓声が上がる。中には変なことを言っている人もいるが、無視する。
「対するはぁ、シャイィィィィィィィン・マストォォォォォォォォォ!」
歓声はどんどん大きくなっていき、会場の雰囲気は今日最高になっていた。
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