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なんか、血生臭い俺の彼女。
作者:スグル
執筆二十作目記念作品。 注意、流血描写多数。血と言う文字多数。作者病んでるのかと思われるかもしれませんが、深く考えずに、お楽しみ下さい…。
 世の中、なにが起こるか解らない。

 24歳の青年実業家(フリーター)、年齢と彼女がいない歴が同じで、他人がキン肉マンの『キン肉バスター』の『キン』を『筋』にして『筋肉バスター』と書いただけでブチ切れる、埼玉県在住の新庄重雄(しんじょう しげお)に、彼女が出来た。
 彼女は、19歳の美女。おしとやかで、長い髪の着物が似合う和風美人。戸籍に男と記述された人間ならば、すれ違い様に、匂いを嗅いでしまいたくなるくらいの美女であった。
 現在、新庄重雄は、そんな美人の彼女と一つ屋根の下で、アパート暮らしをしていた。友人達からは、果報者め!死んでしまえ!と、マジパンチされるくらいに羨ましがれた。
 しかし…、そんな新庄重雄の彼女には、一つ、人と違うところがあった…。
 それは…。



 夜中の深夜2時をデジタルで示す置き時計を見つめて、重雄はため息を吐いた。カップラーメンやら、ペットボトルが転がるテーブルに肘を着いて、部屋の中で、ぼーっとしていた。
 それも、そのはず、今は深夜の2時なのに、同棲している彼女が部屋に居ないのだから…。
 互いに愛を誓った恋人が、こんな夜遅くに、部屋に居ないのは、ふしだらなことである。着物の似合う美人の彼女が、こんな夜中に部屋に居ないとなれば、誰だって憂鬱になる。しかし、こんなことは今日に限ったことではないため、重雄は尚更、憂鬱だ…。
 しばらくすると、部屋のチャイムが鳴った。

「ごめん!遅くなっちゃった!」

 と、あの美人の彼女の声がドアの向こうから聞こえた。
 その声に嬉しくなった重雄は、テーブルから跳ね上がり、一直線に玄関に駆ける。

「おかえりー、今、鍵開けるから!」

 重雄は、愛しの彼女が待ってる玄関の鍵を解除し、ドアを開いた。
 すると…。

「ごめんなさい…。今日も、また残虐な宇宙人が現われて…」

 ドアを開けると、片手に日本刀を持ち、返り血で真っ赤になった愛しの彼女の姿があった。
 ポタポタ…、と日本刀と着物から血が滴れ落ちる。

「びゃあああああああああ!!!!!」

 重雄は叫んだ。
 近所迷惑なくらいに、叫んだ。
 だって、仕方がない。
 今だに、生々しい宇宙人の血には慣れていないのだから…。
 新庄重雄の美人でおしとやかな彼女は、地球の平和を守るため、日々、宇宙からの侵略者達と戦っていた…。
 この物語は、そんな彼女と暮らしていく青年の心の叫びである。



 その1、『ヘイ!ダニー!こりゃあ、まるで、もやしだね!』。

 彼女がお風呂に入っている間、重雄は血に汚れたドアと、玄関、床を拭き掃除していた。
 いつものことであるが、重雄は、一体なにをどうすれば、こんなに返り血を浴びるのだと思いながら、雑巾を絞る。そんなことを考えたら、嫌な想像が頭に沸き上がり、さっき食べたカップラーメンが胃から上昇してきた。
 初日の頃は、血の臭いだけで気絶していたのだから、彼なりに、少し慣れてきたようだ…。

「ふー、いいお湯でした…」

 掃除が終わる頃には、彼女が風呂から上がり、浴衣姿になって現われた。シャンプーとリンス、石鹸の匂いを漂わせながら、座布団の上に正座をし、風呂上がりのお茶を飲む。
 そんなお茶をすする彼女の唇と、少しだけ、はだけている艶めかしい脚を見つめながら、重雄はムラムラしていた。若い男なら、当たり前であるが、彼女は毎日、侵略者と戦っているためか、そういうのに疎く、なにより、この作品は、非R指定なので同棲しているが、そーいうことは一度もない。襲い掛かったら、たぶん、重雄は自分の血を拭かねばならなくなるだろう。
 なので、重雄は彼女の前に座りながら会話を始めた。
「いつも、思うんだが…」
「なんでしょう?」

 お茶をテーブルに置きながら、手ぬぐいで髪の毛を拭く彼女。
 その手ぬぐいが、何故か、少し赤く染まった…。

「侵略者を、いつも、どうして倒してるの…?」
「えっ、ウルトラセブンのアイスラッガーみたいに」

 重雄の脳裏に、エレキングの姿が浮かんだ。※彼女が斬った侵略者達は、あとで、スタッフが修理しました。
 笑顔で答える彼女に、重雄は頭を抱える。

「てことは、君は、侵略者を…」
「だって、今はガンダムだって、実剣を装備する時代…、例え、なんであろうと斬らなくちゃ!」

 真顔で怖いことを話す彼女に、重雄は足をガクガク…、と震え上がらせる。
 なんで、こんな普通に斬るとか言える彼女と、普通に生活してんだよ俺…、と思いながら、重雄は頭を抱えた。
 すると…、彼女が、アッ!と、なにかに気付いた。
 そんな彼女に、重雄は目をやり、また、なんか怖いことを言うのか…、と覚悟していると…。

「あっ、でも…、ただ一つだけ、『斬れないモノ』が…」

 重雄は、なんだよ…、と頭を抱え、この女こえぇーよ…、と思っていると…。

「そっ、その…」

 もじもじしながら、彼女はなにかを言おうとした。

「しっ…、重雄さんと、私との…、運命の赤い糸…」

 顔を赤くして、照れて、チラチラと、重雄を見つめながら、彼女はその言葉を言う。重雄の鼻の穴を広がった。
 可愛いから許そう…、重雄は、そう思った。
 だが、シャンプー、リンスの匂いに混じる鉄の臭いで少し考えを改めた。



 その2、『ヘイ!ジョーイ!なんで、ケーキにパセリなんか使うんだよ!』


 日曜日の晴れた日に、二人は、近くの公園まで、デートに出かけた。
 着物姿の彼女の姿に、すれ違う人々すべてが振り返るので、重雄は鼻高々だった。どうだ!俺の彼女、美人だろう!と言わんばかりの重雄の態度は、作者である私も腹を立てたくなるほどであった。
 しはらくして、二人は公園のベンチに腰を掛けて、二人でバニラアイスクリームを買って食べている。バニラアイスが、頬っぺたについた彼女はキュートで、重雄に変なことを連想させた。
 だが、胃腸の弱い重雄は、アイスを食べている途中、腹が冷えたのか、急にトイレに行きたくなり、彼女に自分の分のアイスを預けて、ベンチから去った。
 彼女は両手にアイスを握り、トイレに向かう重雄を笑って見送る。


 しばらくして、重雄が戻ってくると…。

「あっ…、重雄さん…、ごめんなさい…、さっき、侵略者が現れて…」

 トイレに居た数分の間で、彼女の着物が赤くなり、バニラアイスがストロベリーアイスに変わっていた…。しかも、彼女の足元に見慣れぬ姿をした侵略者が、公園の土に出来た真っ赤な血の海に沈んでいる…。
 重雄は、なんで、こんなときに侵略者が現われたのかということより、アイスを両手に持ったまま、どうやって、彼女が侵略者を血の海に沈めたのかの方が気になった…。



 その3、『ヘイ!ジェーシー、今日はサラダパーティーするって言ってたのに、なんで、今、おやつ食べちゃうの!?』


 昼下がりに、彼女と重雄はスーパーへ行くと、大きなマグロを使った、新しい包丁の実演販売をしている店員が居た。
 斬れる物に興味があるのか、彼女は包丁を、まるで、トランペットに憧れる少年か、キン肉マンソルジャーを見た時のブロッケンJr.みたいに目を輝かせている。
 彼女は店員から包丁を借りて、試し切りをさせてもらい、まな板の上のマグロを捌く。
 包丁を巧みに扱い、見事なまでに魚を綺麗に捌いたため、周囲の主婦たちから彼女が誉められ、重雄は鼻高々になった。自分が誉められているわけじゃないのに。
 すると、実演販売をしていたアルバイト店員が、彼女に、手慣れてますねと誉めたら…。

「ええっ、いつも、マグロを捌くように捌いてますから」

 重雄は、その言葉が笑えなかった。



 4は縁起が悪いので、その5、『おいおい、また、胡瓜でアイスホッケーかー!?勘弁してくれよー』。


 ある日、重雄は盲腸炎になり、救急車で運ばれた。乗り合わせた彼女は、かなり心配している。
 これは切らないとダメだ…、そう医者に言われると…。

「私が斬ります!」

 痛みに苦しむ重雄が起き上がって、やめろ!と泣きながら叫んだ。



 その6、『自転車のペダルが、アキレス腱に当たった時の痛さは異常』。


 また、侵略者を倒し、血まみれになって帰ってきた彼女は浴衣に着替えてると、すぐ眠った。
 血に染まった床を拭く重雄は、はぁー、とため息を吐く。

「俺たち、恋人なのに、恋人らしいことしてないな…」

 主に夜の方のことを、彼は言っている。
 普通のカップルだったら、もう、あんなことや、こんなことをしているだろうにと、重雄は、いろいろと想像を膨らませる。
 恋人というか、男と女は、そういうのがあるから、良い関係を築き上げられて、子孫を繁栄させて行くんだよな…、と重雄は考え、侵略者という妨害の入った自分達の恋愛は、他のカップルから見たら、ひどく幼稚なんだろうな…、とも思った。
 そして、床を拭き終わると、テーブルの近くで、疲れ果て、眠っている彼女の顔が、重雄の目に入った。
 布団まで運んでやろうと、重雄は横たわる彼女の身体を持ち上げた。侵略者から地球を守る使命にあるため、日々、戦い続ける彼女だが、こうして、抱き抱えると華奢で軽いことに、重雄は気付く。
 すやすや…、と抱き抱えられながらも眠る彼女は唇を動かし、うわごとを言った。

「重雄さん…、大好き…」

 そんな彼女の寝言を聞いた重雄は、ふっ…、と笑いながら、彼女を布団で寝かせ、毛布を掛けてやりながら、

「まぁ…、俺たちは俺たちの恋愛でいいか…」

 と言って、彼女の頬っぺたに静かに手で触れ、その暖かさを皮膚で感じた。
 すると、彼女の柔らかい唇が、また上下し…、

「ビームサーベルは斬ると言うより、装甲を粒子で蒸散させるだから、斬ったと言うのかしら…」

 と寝言を言ったので、重雄は、富野監督(ガンダム原作者)に聞けと、涙目で彼女に言い返した…。

 ※彼女は趣味で侵略者を斬っているのではなく、あくまで、地球を脅かす侵略者を倒すために斬ってるのであり、なんていうか、昔のウルトラマンって、意外と、今じゃ放送出来ない部分が多かったじゃないですか。特に、ウルトラマンエースの切断技の多さはなんですか。
二十作目なんで、心機一転して、恋愛物に挑戦してみようと思い構成しましたが、恋愛物が苦手だったため、じゃあ、なにかと戦ってるヒロインと主役の恋愛でコメディを意識し執筆。その要素のせいで、血生臭いヒロインに…。・新庄重雄については、状況の解説役として作りました。・重雄の彼女は、侵略者と戦っている以外は、あくまで健全な普通の女の子を意識したはずだった…。彼女については、読者の判断に任せます…。・初の恋愛をテーマにしましたが書いてて楽しかったです。
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