プロローグ
サヨナラ私。
バサリ。
ハサミで切った自分の黒く長い髪が落ちる。
鏡に写る自分はもうすでに
女ではなかった。
コンニチハ俺。
この時、私は女を捨て、俺になった。
俺は床に落ちている髪の毛をゴミ箱に捨て、真新しい制服に袖を通す。
それは本来、兄が着るものだった。
「お兄ちゃん・・・・・・」
写真の中の兄は変わらず、笑っていた。
少し、ぶかぶかな制服の裾を引きずりながら玄関に向かう。
「これが女と男の体格差というものなのか」
そう思いながら靴を履く。
そして、家の扉を開けた。
最後に誰もいない自分の家に向かって言い、学校に向かう。
「行ってきます」
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