今日も空はいつものように青くて。
ぼくはそれでも家に引きこもる。
TVの中の住人は季節はずれの格好をしていて、
ぼくは今が何月か感覚をなくした。
今日も空はいつものように雨を降らせて。
ぼくはやっぱり家に引きこもる。
本の中の住人は時代錯誤な格好をしていて、
ぼくはこの国がどんな世界か分からなくなった。
時折ドアがたたかれ、時折電話が鳴ったりするけれど。
ぼくは全てを無視した。
今日も空はいつものように夕焼けで。
ぼくはそのまま家に引きこもる。
庭の花はいつまでも咲いているようで、
ぼくは時が動いているのか認識できなくなった。
今日も空はいつものように星がきらめいて。
ぼくはやがて家に引きこもる。
目を閉じても開けても見えるものは変わらなくて、
ぼくは現実がどこにあるのか見失った。
時折誰かに呼ばれ、時折郵便が来たりするけれど。
ぼくは全てを無視した。
そうすればやがてみんなぼくのことを忘れるだろう。
世界からぼくを無くしてしまうよう。
ぼくという存在をなかったことに。
感覚を失い、世界との繋がりを失い、
人に宿るぼくという些細な情報すらも失えば、
ぼくは無かったことになるだろう。
ぼくは何も思わない。ぼくは何も感じない。
ぼくは何も見ない。ぼくは何も聞かない。
ぼくは何も言わない。ぼくは何も知らない。
ぼくさえもぼくという存在を忘れる。
そうしたら始めからやり直そう。
そして今日も空はいつものように・・・・・・。 |