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第三幕 大震災
善い人は売れない漫画家・・というより漫画を描くのが趣味の暇人だ。

この日も善い人は漫画を描いていた。善い人が熱中していると、突然大地が
揺れだす。

地震かな?どうやら規模は大きい。

善い人は危険を察知して家の外に飛び出た。

振り返ると善い人の家はぺしゃんこになっていた。

「潰れてしまいましたね。」

いつの間にきたのだろうか。善い人の隣には害児がいた。

「すごい地震だったけど・・。害児さんの家は?」

害児の家というのは、西洋風の城で害児はその最上階に住んでいる。

害児は高いところが大好きなので、その城はニョキニョキを上に伸びており、
ものすごくバランス悪い。

「潰れましたよ。でも震源地はもっとひどいことになってるようです。」

善い人はそれを聞いてふと回りと見渡すと、あちこち火が出ていた
り瓦解していたりして散々な有様だった。

「おーい。善い人。大変だー。」

遠くから何かがすごいスピードで走ってくる。穀潰しだった。

なぜかずいぶんと慌てている様子。

「なんだ穀潰しか。」

「大変だぞ。すごい地震が起こって町中大変なんだ。」

「見れば分かるよ。」

「何を言うか。善いことをするチャンスじゃないか。」

「言われてみれば確かに・・。こうしちゃいられないぞ。」

善い人は町の人を助けるべく火が出ている家に飛び込んだりして町の人
を救った。

があちこち道が潰れていたり火が出てたりしてしかも時々また地震が起こ
って負傷者が散々でた。

「おい。善い人こっちだ。」

穀潰しがこっちにこいと合図している。

善い人は町の人を10人くらいもってひいひい言ってるハエに早くこっ
ちに来いと命令した。

「ぴぎ・・ぴぎい・・。」

とにかく穀潰しのほうに行くとそこはなぜか全然壊れても火が出てもいない
ガスの家についた。

しかしガスのお気に入りのプレオは完全に壊れていた。

プレオの前にガスさんがいて我輩のプレオがーと叫んでいた。

穀潰しは、その横を通りつつ善い人たちに説明する。

「ガスの家にはでかい地下があるんだ。ガスと同じでガスの家は重装
備だから滅多なことじゃ壊れない。
けが人はここに運んでくれ。今は害児さんが治療してくれてるが医者の
数も足りてないんだ・・。何とかしてくれ。」

今まで黙って聞いていた善い人であったが、あまりに不審なので穀潰し
に問う。

「もちろんだけど一つ聞きたい。」

「なんだよ。こんなときに。」

「穀潰しってこんな善い人だったっけ?」

それを聞くと穀潰しは驚いているようだった。

「ふっ・・ふんっ。確かに俺の柄じゃなかったな。おい善い人俺はここ
に座ってるからお前一人でせいぜい頑張るんだな。」

その台詞は善い人を激怒させるに十分すぎる一言であった。

「なんだって?穀潰しめ。本当に穀しか潰さないただの役立たず!」

「それがどうかしたのか?ほれほれ、ほっとくとどんどん町の人が困
っていくぞ。」

穀潰しはそういうと愉快そうにひゃひゃひゃとわらい始めた。

「外道め。許せん。」

善い人はどこからか大剣を持ち出した。善い人の機動性があればリーチと
攻撃力が高い武器のほうが有利であり善い人の得意武器の一つだといえた。

「ふんっ。馬鹿め。」

その言葉に善い人は寒気を感じた。

なにやら周囲に力を感じる。善い人の野生の勘は勝負が詰んでいるという
ことを悟っていた。

「全方位サイコカッター。いくら善い人でもかわせないだろうな。降参
するか?」

卑劣なる悪人、穀潰しの恫喝!

・・・がしかし、善い人は善人。ここで負けるわけにはいかない!

善い人ははんばやけくそのように吠える。

「く・・正義は勝つ!」

「では潰れろ。」

穀潰しは技が放つ。

普通なら回避不可能な攻撃だが、善い人は超人的な敏捷を発揮してそれら
の攻撃を何とかぎりぎりかわすが避けきれない。

一撃でも当たれば致命的。

ただ、このとき双方に誤算があったとしたら、このときは前に戦った時
とは違い、この場に二人しかいない状況ではなかったということだ。

善い人が気付くと、鉄の塊のようなものが穀潰しに向かって突進していた。

「我輩の家を壊すな!」

ガスは重装備なので、サイコカッターも防げたようだ。

しかし、鎧はボロボロになりガスは突撃を止められ、壁にたたきつけられる。

「じゅ、重装備で助かった!」

ガスは自分の生命がある事に安どし、ガスの活躍のおかげで善い人は技
を回避できた。

「やるな・・。だが!」

穀潰しはすでに攻撃の態勢に入っている。

「いや。ここまでにしてもらいましょうか。」

いつのまにか穀潰しの後ろに害児がいた。

「俺に気配を察知させないとはお前人間なのか?」

「どうでしょうね。ただこれ以上負傷者を増やしてもらうと困ります
のでおとなしくしてもらいます。」

その言葉を聞き穀潰しは、笑いだす。

「できるのか?たかが後ろを取ったくらいで車椅子に乗った障害者が
俺を止めれるとでも?」

が・・甘い。害児はこの手の輩には慣れている。

「時間稼ぎですか?あなたの超能力は仕込みに時間がかかるようですか
らね。」

「ばれたか。だが・・。」

穀潰しはテレポートで逃げようとしたが害児さんが穀潰しに孫悟空のわ
っかみたいな物を頭につけた。

「げっ!なんだこれは?」

穀潰しははずそうとするが外れない。

「それは滅多には外れません。私が持っているこのスイッチを押すと。
こうなります。」

穀潰しはその場にうずくまる。その様子を見てにんまりと笑う害児。

「とこのように電気が走ります。あなたも救助活動に参加してもらえ
ますね?」

「ちっ。3対1じゃ分が悪いぜ。今回はお前らに花を持たせてやるよ。」

ガスが這いながら足元にやってきてつぶやいた。

「善い人君。早く町の人を助けないと。こんなことやってる場
合じゃない。」

善い人は、呻いている町の人たちを見つめていた。

「そうだね。急がなくては。」

ガスは穀潰しを引っ張りつつ車に乗り込む。

「さあ。早く。善い人君も乗るんだ!」

善い人は意外そうな顔をした。

「その車壊れてるから動かないよ。」

至極ごもっともな話だったが、何やらガスは沈黙する。

「わたしは歩いて行くからいいよ。それじゃあね。」

「ちょっと待て貴様。」

「ん?なにかな?」

ガスは尋常ではない様子だ。目が血走っている。

「貴様・・貴様・・。我輩のプレオが壊れてるだって?我輩のプレオの
どこが壊れてるのか言ってみろ!」

なぜか知らないがガスが切れててめんどくさい気配だ。穀潰しはひい
といいながら私のほうに逃げてきてあわわわとかいって小さくなってる。

「え?どう見ても壊れてるよ。」

「プレオを侮辱したな!」

「受けろ!我輩の命の炎!必殺特攻!ガス・フェニックス!」

ガスは自分の体に火をつけて火だるまになって善い人に突撃している。

正気の沙汰ではない。

善い人はその姿を見てこんなことを思っていた。

技の名前かっこイイな。スケッチして漫画の題材にしよう。

ただ漫画にするときはもっとかっこいい感じにしなくてはならないな。

襲い掛かるガスを善い人は右に避けた。

ガスは地面にめり込んだ。

「さてと。こんなことしてる場合じゃない。早く善いことをせねば。」

後ろで一生懸命ゲタを掘り起こそうとしてる穀潰しを尻目にその場を後
にした。

穀潰しが後ろのほうで手伝えとかいってたような気がしたがそんな時間
はなかった。

とはいえ善い人は医者の場所が分からないし、善い人は瞬発力はあるが
持久力がない。

すぐにへたれた。ハエを使えばいいのだがハエは救助活動に忙しい。

その横を車が通った。

「よう。だいぶへばってるみたいだな。ざまあねえぜ。」

「その車壊れてるんじゃないの?」

「プレオは永遠に不滅なのだ!壊れるわけないじゃないか!」

善い人は、無言でプレオに乗り込む。

ガスはブオンブオンと口ずさむと車を動かした。

横で穀潰しが踏ん張って頑張ってるのがこれは、超能力で車を動かしている
ということだった。

「医者なら一人名医がいる。ここから離れた場所だが、死んでるかもしれ
ないな。」

「ああ。いけすかない野郎だが。」

そこまでいって穀潰しは、沈黙し善い人に向かって話しかけた。

「おい。善い人。一つ聞きたいんだが。」

「ん?」

どうせくだらないことだろうなと善い人は思った。

「何でいつも善いことしてるんだ?」

やっぱりくだらなかった。それくらい自分で考えろと言いたかったが、
善い人なので答えることにした。

「善いことをすると気分が善いからだよ。」

「いや。それは見てれば分かるんだが。そういうことじゃなくてな。」

穀潰しは、半端もので何か一心に打ち込む人間というのが羨ましかった。

善い人にやたらをからむのはそのためだといえる。

「じゃあ質問を変えるか。善いことを始めようとしたきっかけとかな
いのか?」

「きっかけか・・。きっかけは雷・・。」

「雷?」

「そう雷。え?」

善い人は急に頭痛が起こってそれ以上思考がまとまらない。

雷がなんだって?

善い人がぼーっとしてしまったので穀潰しは困惑したが、質問を続ける
ことにした。

「雷と善いこととどう関係するんだ?」

「え?雷がどうしたって?そんなこといったかな。ところでガスさんが
眠ってるみたいだけど。」

「いっただろう。ん?」

穀潰しはガスのほうを見る。

ガスは確かに眠っていた。

「おい。ガスふざけるんじゃねえぞ。」

そういって穀潰しはガスの頭を思いっきり殴った。

「いてて。なんていう石頭。」

「頭って言うかそれってヘルメットじゃないの?」

「ちっ。どっちでもかわらねえだろ。」

「でも起こさなくても別に善いのでは?」

「いや。どこに行くか正確にはわからねえから起こさないとまずいな。」

「じゃあこれで。」

善い人は棍棒を取り出してガスの頭をぶったたいた。

ごんごんごん。

「おい。全然起きないぞ。もうちょっと強く殴ってみろよ。」

「変だな。ヘルメットへこんでるけど。」

「ちょっと待て。今ので気絶したらしい。」

「根性がなさすぎる。」

「まあ別にガスの頭だからかまわねえけど俺にそれやった
らすり潰すからな。」

穀潰しは善い人のあまりの所業に恐怖を感じ、思わずそれを口にした。

とはいえ自分もそれにのっていた一人ではあったのだが。

「でかい口をたたくんじゃない。」

善い人はそういうとわっかの電流スイッチを取り出してオンにした。

「あべべべ。」

穀潰しがのびた。そして車も止まった。

「役に立たない人ばかり。こんなことなら車になんか乗るんじゃなかった。」

善い人は役に立たない二人は見捨てて独りで医者を探すことにした。

わたしは勘が善いので医者もすぐ見つかるだろう。とそう思うことにした。

善い人はしばらく走る。

そして休憩を繰り返す。

「あのとき何か思いだしそうだったような・・。そう雷。」

が、少なくても今の善い人には関係のないこと。

善い人はそのことを頭の隅に追いやり、今善いことをすることのみに
集中した。

あそこだな。そして善い人は名医がいそうな場所を目ざとく見つけた。

そばに潰れた車がおいてあった。どうやら穀潰し達が先に到着したらしい。

部屋に入ると案の定穀潰しがいた。ガスはいないらしい。

穀潰しは善い人を見ると、困った顔で話しかけてきた。

「善い人。ガスの知人の医者が今ガスと話してるんだがどうも雲行き
が怪しい。」

「話してる?そんな悠長なことしてる場合じゃないよ。」

「それはそうだ。よし、ぶち破れ。」

穀潰しはひゃっはーとかいいつつ、ガスと医者が話しあいをしてる部屋
を吹き飛ばした。

家は半壊し、部屋にはいやもう部屋とも呼べないが、医者らしき男とガスの
みがいた。

医者らしき男がそこにいてめがねを光らせくいっと上に上げていた。

「君たちはおとなしく待ってることもできないのかね。」

善い人は激怒し何か言おうとしたらやたらテンションが高くなってる穀潰
しに先を越された。

「いきがるなよ。こっちは3人なんだぜ?」

「なにをいってるのだ・・。私は別に君たちの手助けをしてあげようと
いうのにそのような態度だとこっちも考えを改めないといけないよ。」

「いや。名医さん彼に悪気はないんです。少し病気でして。」

ガスがやたら低い姿勢で名医の顔色を伺ってるようだった。

「ガスさん忠告しておきますが、付き合う人間は選んだほうがいいですよ。」

穀潰しが何かいいそうだったが今度はガスに先を越されていた。

「我輩の友人をけなすということは我輩をけなすということだ。そうい
うことをいう人間こそ我輩と付き合うに値しない人間である。」

「ふっ・・。好きにしてください。それで治療費は払っていただけるん
でしょうな。」

「高すぎるが・・。」

「別にあなたに払えといっているわけではない。ただ住民で払えな
い者が出た場合の保証人になってほしいということです。」

善い人は穀潰しの頭のわっかを害児から預かった鍵ではずして名医の
頭にかぶせた。

そしてスイッチオン。

「あべべべ。」

名医はダウンした。

「今のうちだ!こい。ハエ。」

ハエを呼んでガスの家まで特急名医を運ばせた。後は害児が
うまくやるだろう。

もちろん善い人はハエにわっかのスイッチと鍵は持たせた。

「善い人め。せっかく潰そうとしたのにおしいことを。」

「穀潰し。こんなところで大技使われたら我輩まで死ぬ。」

あちこちの空間が歪んで見える。察するにすさまじい威力の技のようだ。

「善い人。二手に分かれよう。俺はガスと一緒に他の医者
を探すからお前もそっちで探してくれ。
この町はそこまで被害ないようだが、怪我人がいたらガスの家に運ん
でくれ。」

「分かった。ちゃんと働くんだよ。」

「いやむしろ俺が一番働いてるだろ。主に車動かすことに。」

そして救助活動を再開した。


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