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第二幕 悪人救出作戦!
「善い人さん。いい天気ですねえ。」

ものすごくどうでもいい。善い人は心底そう思った。
ものすごくどうでもいい話題を善い人に吹っかけてくる人物。彼女
の名は害児。

害児は善い人の世話をしている人物で、義足と義手をつけ車椅子
で生活している。

「そういえばこの前善い人さんに話した例のビルに民間の人が乗り
込んで暴れまわったそうです。
そのせいでビルが崩壊したとかで全く物騒な話です。
善い人さんはそういう人には近づいちゃダメですよ。」

「そうなんだ。物騒な人もいるもんだなあ。」

最近はますます治安も悪くなってきたからいろいろな人がでて
きてるんだろうな。

別に澄ましているわけではなく、これが善い人の地であった。

「ところで何かよろずやさんが困ってることがあるようで善い人
さんが相談に乗ってあげたらどうでしょう。」

善い人はそれを聞き喜んだ。なんだましなこともいえるじゃないか。
と思った。

「おおー。今日も早速善いことができそうだ。教えてくれてあり
がとう。」

「いえいえ。私も一緒に行きたいんですが今日は車椅子の調
子が悪くて残念です。」

「また今度一緒に散歩に行こう。」

そういい残すと善い人は意気揚々とよろずやに向かっていった。

その後姿を見ながら害児は独り言を言った。

「やれやれ・・。善い人さんはあの調子だと命がいくつあっても
足りませんね。」

害児には善い人や穀潰しと違って名前があるのだが善い人には害
児さんと呼ばれている。

害児は何でそう呼ぶのか善い人に聞いてみたら腕と足がないから
と答えた。

害児はそういう問題じゃないと思いつつも変わった子だなと思い
そのときの境にいろいろ善い人の世話を焼いている。

善い人がよろずやに来ると店主は留守だった。

だがちょうど向こうの道から店主が歩いてきた。

「やあ。善い人君か。」

「害児さんから聞いたのだけど困ってることがあるんだって?」

「ああ・・我輩の友達が行方不明になっちまってな。我輩も忙し
いが仕方ないから探してやってるところなんだ。」

「わたしも手伝うよ。善い人だからね。」

「おお助かるよ。これがそいつの写真だ。」

善い人が写真を見てみると、それはまさに穀潰しだった。

「どっかでみたような・・。そうだ。この人ならビルの下に埋
まってると思うよ。」

これももちろんとぼけているわけではない。4時間たったので
忘れてしまっているだけだ。

「なんだって?じゃあとにかく助けに行かないとやばいな。い
くらあいつが丈夫だからといったって限界があるぞ・・。」

店主が愛車のプレオに乗り込む。善い人もそれに続く。

店主は重装備主義者で常に重装備。店も重装備の商品が多い。

やがてビルの前についた。

「こいつはひどいな。これじゃあいくらあいつでも・・。」

店主は、諦めて帰りたそうな顔をした。

「とにかく掘り起こしてみよう。」

「そうはいってもどうやって?」

こんなのは土台無理だ。吾輩のような奴がしゃしゃり出る場じゃ
ない。

店主はそう思った。

「よーしこんなときは!」

善い人がそういうとどこからともなくハエが飛んできた。

そして、

「ぴぎゃー(穴掘りモードに変身)。」

そういうと羽をはずしていかにも穴がほれそうな無視に変身した!
(といっても羽が外れただけだが)

「うわ。何だこの化け物は。」

店主が飛び上がるほど驚く。あわや逃げ出そうとする背中に

「大丈夫。ペットだから。」

と善い人が声をかける。

「本当に大丈夫なのかい?」

店主は恐る恐る振り返る。

「うん。それに埋まってる人を助けないと。」

「ああそうだった。よーし善い人君のペットのハエみたいな
化け物。がんばれよぉー。」

そういうと店主はハエに力を送るような変なポーズというかダンスみ
たいなのを始めた。

はっきりいって馬鹿だが善い人も真面目にそれのまねをしていた。

「ハエー。頑張れー。」

「ぴぎゃー!」

すぐに大きな穴ができた。

「ん?どうやら地下に続いてるようだな。この中に穀潰しがいるのか。よーし善い
人君早く入るんだ!」

店主はこの場所が悪人の砦だったことを思い出し、
内心びびりまくってこともあろうに善い人を先に行かせよう
としていた。

「じゃあいってみようか。これなら探してる人も生きてそうだね。」

善い人はまたいいことができると思いうきうきした。

「ああ・・でもここは元々悪人のアジトだったからな。もう警
察とか救助隊に任せてやっぱり我輩たちは帰ったほうがいいかもし
れない。」

ここにきて店主は変えることに決めた。自分が出る幕ではないのだ。

「ダメだよ。善いことしないと。ガスさんは帰ってもいいけど
わたしはいくよ。」

「仕方ないなあ。さすがに善い人君だけを行かせるわけには
いかない。」

ようやく判明したが、この店主の名前はガスという。

よく間違われるが気体ではない。

渋い顔でガスが善い人がついてくる。

少し進むと二人は見慣れた顔を見つけた。

「てめえ・・よくもこの俺様をこんな目にあわせてくれたな。」

いきなり怒鳴られてガスは慌てた。

「おい。なにいってるんだ。我輩はお前を助けに来たんだぞ。」

「じゃあ何で白服と一緒にいやがるんだ。てめえもぐるになって
俺をたこ殴りに来たんだろうが。」

「はあ?意味が分からないのだが。まあ落ち着けよ。」

なぞな話だがガスは穀潰しの衝撃波を受けて吹き飛んでしまった。

重装備だから助かった。しかし力じゃあいつにはかなわないしど
うしようか。

逃げるしかなさそうだ。

そこまで考え一目散。しかしガスは善い人のこともちゃんと忘れな
かった。

「善い人君逃げるぞ!」

「なんで?」

「いいからくるんだ!」

善い人を無理やり引っ張って元来た道を戻って外にでた。

「ひゃっはっはは。俺から逃げれると思ったのか?」

だが穀潰しが先回りしていた。

こうなれば絶体絶命だ。

「む・・。誰が逃げたって?」

善い人は全く納得がいかなかった。

「お前だよ。しょせんお前も俺が怖くて逃げ出したんだろうが。」

「わたしに一回負けた癖にまたボコボコにされたいか!」

「善い人君。なにしてるんだ。早く逃げるんだ。」

そういってガスはまた逃げてプレオに乗り込もうとした。

善い人はガスのあまりのチキンに舌を巻き、そろそろ黙らせようか
と考え始めた。

「そうはさせん。」

ガスがプレオに乗ろうとした瞬間プレオが宙に浮いた。

「ああ・・プレオは飛んでる。」

どんどん上に浮いていき空中で爆発した。

「なんてことするんだ。我輩のプレオが・・。」

「恐れ入ったか!」

穀潰しはしてやったりという顔だ。

「もう我慢ならん!」

ガスはライターを取り出した。

ライターにガス(気体のほう)を当てて巨大な炎を作る。

ちなみに彼は様々なガスを使うのでガスと自称している。

非常に紛らわしいことなのだが。

「これで黒焦げになっちまえ!」

「そんなもんは攻撃のうちにはいらねえよ。」

穀潰しは動きもせず炎をかき消す。

「で?終わりか。白服の前に裏切り者のお前からぶっ潰してやる。」

「望むところだ。決着をつけてやる!」

ガスは常にない勇気を発揮する。

「・・・いい度胸だ。」

穀潰しはガスの勇気に驚きつつ、手加減無用の衝撃派を放つ。

衝撃に当たってガスは吹き飛ぶ。

たった一発で意気消沈。ああもう駄目だと思った。

次の衝撃波がくると思ったらガスの前に壁みたいのがでて攻撃
を防いでいた。

「これは一体?」

「後はわたしに任せといて!」

それはどうやら善い人の仕業らしい。

善い人は穀潰しにすごいスピードで接近して格闘戦を展開させていた。

「あいつをまともに戦える人間がいるなんて・・。人は見かけ
によらないものだ。」

なんて感心してる場合ではない。これは我輩とあいつの問題だ。

ガスは勇気を取り戻し、善い人を制する。

「善い人君下がってくれ。あいつは我輩が倒す。」

何を言っているのだろう?善い人はいい加減にしてくれという半ば
切れた声で反論した。

「そんなこといっても無理なんじゃ!?」

「そうでもない。」

しかしガスは動じない。作戦があるのだ。

穀潰しがひゃっはっはと笑っている。

「懲りないやつだぜ。そんなに早く潰されたいのか。」

「お前ちょっと卑怯なんじゃないか。」

「なに?どういうことだ?」

つまり穀潰しは馬鹿なので、挑発して隙を作ろうという作戦だった。

「一般人に対して念動力ばかり使って恥ずかしくないのかといっ
てるんだ。
お前は念動力に頼らなきゃ我輩一人倒せないのか。」

「いいやがるぜ・・。そんなものなくてもお前に勝てるって事
はお前が知らないはずはないが?」

「いつも手加減してやってるからな。ためしに殴ってみたらどうだ。」

「よく言った!じゃあ殴ってやるぜ!」

穀潰しはまんまと怒りすごいスピードでガスに近づき殴りかかった。

「単純なやつだな・・。」

ガスは鎧で受け流しつつ毒ガスをまいてやった。

いくら穀潰しでも避けれない。

「ごほごほ・・。お前何をした?」

「それは毒ガスだ・・。今だ!善い人さんあいつをたこ殴りに
しろー。」

ようやく悪人を退治することができるよ。

善い人はたまっていたフラストレーションを一気に吐き出した。

二人で穀潰しをたこ殴りにする。

「卑怯だぞ!やめねえか・・。うわー。」

「我輩のげんこつもくらえ。」

そしてある程度殴り終わった後。

「世話になったな。善い人さん。」

「善いことするのがわたしの使命だからね。」

「そうか。今度は何かあったら手伝うよ。穀潰しにも手伝いを
させよう。」

「ありがとう。わたしは他に埋ってる人助けるから先に帰っ
てていいよ。」

「そうさせてもらうよ。おい穀潰し動けるか?」

肩を貸してやった。

「ち・・。ガスめ。よくも俺をこんなにしてくれたな。覚えてろよ。」

「そういうな。家に帰ったらうまいもの食わせてやるぞ。」

「お?本当か。お前いいやつだな。早く帰ろうぜ。」

「穀潰しがプレオ壊したから早く帰るのは無理だな・・。」

そんなことを言いあいながら二人は帰っていった。

善い人は、その後地下探索を続けたが、悪人が善い人にすっかり
おびえてしまい、面倒なので全員のして地上に送り返してやった。



補足

・自動車
この地方では珍しいが、一部の地域で生産は行われている。
現代に比べ希少になっているが入手不可能ではない。



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